映画「ストップモーション」
原題:Stopmotion
directed by Robert Morgan
starring :Aisling Franciosi , Tom York, Caoilinn Springall
人形を使って、少しずつミリ単位で動かしながら制作するストップモーション・アニメーターとして有名な母・スザンヌ。娘のエラ(アシュリン・フランチオージ)は母の助手として、というよりは、母の支配によって作品制作を続けていた。しかし、高齢の母は病に倒れる。自分自身にもアイデアがあったのに・・・という思いを持ち続けていたエラは、中断された作品を完成させようと奮闘する。しかし、いざ、人形を前にして、独力では全く進まないことに苛立つ。偶然出会った、謎の少女(ケイリン・スプリンゴール)の言葉に従いながら、制作を進めるが、次第に現実と虚構の境が分からなくなり、生の死体を使ったり、自分自身の体を傷つけて、その肉片を使おうとしたり、精神的に追い詰められ、恋人がその異常に気づくも止められず・・・
「ナイチンゲール」という作品でも、結構辛い目、虐げられる役だった主演のアシュリン・フランチオージ・・・綺麗に整った顔立ちだし、眼差しは強いし、もっと明るくハッピーになる役柄でも見てみたいなぁと思ったり・・・
監督自身がストップ・モーションアニメでも賞を取った監督だから、劇中劇である、「ストップモーションアニメ」もなかなかこだわってるのが分かる・・・が、それも血みどろになっていくし・・・、そっち系か~(苦笑)
制作にのめり込むあまりに、次第に、現実と虚構の境がなくなっていき、精神的に追い詰められていく・・・という過程自体に新鮮味は薄いけど、ミリ単位で動かしていくアニメの制作、しかも、リアル感を出すために、実際の死体を使う(狐の死体)・・・というところは、クリエイト魂というところでは「なるほど」と思ったりもする。
ただ、謎の少女役のケイリン・スプリングゴールがなかなか「小悪魔的」にハマってるので、だんだん、どっちが主演かわからなくなってくる・・・
そして、監督もストーリーのブレが・・・精神的に追い詰められ、現実に「Ash man(
灰男)」が、ドアを叩いている・・と思い込むまではいいんだけど、あの、エラが錯乱状態の中で飲み込む「緑黒色の卵」は・・・いったい何?? それがたしか冒頭にあって、それがクライマックスに出てくるんで「ああ、あれだ」って分かるけど、何のメタファ?
そこから、訪ねてきた恋人やその連れを・・・・のシーンに至っては、ホラーで怖いじゃなく、「なんじゃこれ?」状態になってしまい・・・もったいないなぁと思った。