「クマ」の真似
脳出血の後遺症で失語症がある夫だが、「穏やかさ」は元のままです。
だから、何度も何度も言い直ししてもらっても怒らない、キレない・・・
ほんまに「私はオニ!か」と心で涙しながらも、「私、妥協、しないので」と、根気よく、キビシク? 一緒に最後まで自分で正しく言えるまで頑張ってます。
ニュースを昼間見てて、それを帰宅した私に伝えてくれるんですが、
その「言葉」が出てこない・・・
「あ、あれ、ほら、うーん、あ~うまく言えない、言葉がわからない、あの、ほら、あれがね、出たんだって・・・」と悪戦苦闘すること、数分・・・
ほら、こーゆーのんが出たんだって!!
と四つ足の動物の真似をしたんです。
「クマ?」「そう、クマ! クマクマ、クマ、クマ、もう大丈夫、言えるぞ、クマ」
ああ、発症前の夫だったら、絶対にやらない、こんな動物の真似なんて!
でも、とってもかわいくって~!!
「もう一回やってよ~!」とリクエストしても、「いやや、クマはクマや」だってさ~
ああ、動画撮っとけばよかったな~(本人は絶対嫌だろうけど)
「言えないときの工夫」・・・がだいぶ進歩した感じです。
場所や地名がうまく言えないときは、グーグル・アースをiPhoneかiPadで見せて「ここ!」と指差して示すし、モノの名前がうまく出ないときは、体を使ったり、50音表を出して言葉を探したり、単語メモをページをくって探したり・・・
何の話だったか・・・とにかく、私の方が彼につられて、ロレロレにロレった言い方になってしまったことがあり・・・その時、鬼の首取ったような顔をして「ほら、わかるやろ? わかるやろ~」と大喜びされてしまった~
あ”~~~
こんなんも、発症前の私たちにはなかった「笑い話」だよな~
そりゃね、発症前に戻れたら・・・って何度思ったかしれない。
でも、起きたことは元には戻れない。
でも、生きて戻ってきてくれたからこそ、こんな「失語症、あるあるネタ」も楽しめちゃうね。