見出し画像

浅草雷門→坂本龍一「音を視る 時を聴く」展@東京都現代美術館

東京美術館巡り夫婦旅-4


 浅草界隈のホテルに連泊してるんだし・・・ということで、朝ごはんを済ませた後、雷門・仲見世通りへ。アジア系の団体さんがたくさん・・・ほんと、ここはどこの国でしょう?
でも、我らは関西人! 負けじ(え?)とちゃんと写真撮りました~
実は、私自身は浅草・雷門界隈は全く初めて!
アメリカの友人に毎年クリスマスカードに選ぶ時に、浅草雷門の図柄のカードを選んだことがありますが、自分自身が行ったことなかったんで・・・ようやく来ることができました。

 浅草駅は、都営地下鉄浅草駅と東京メトロ銀座線浅草駅と東武浅草駅と、なんかよぉわっからんというか、またまた「方向音痴炸裂!」でしたけど・・・なんとか清澄白河駅まで到着。
ここも、夫は「全く知らない東京」ですが、私は10回以上歩いた「都現美までの道」
下町の商店街風情がある道なんですが、それでも随分変わりましたね~
量り売りの佃煮屋さんや、よろずやさん? 八百屋さんが並んでいたのに、今や、多国籍・・・ベトナム料理とか、台湾スイーツとか? コンビニやイオン系のミニスーパーとかになっています。

さて、道を歩きながら・・・「あら? なんかすごく似たファッションの人が歩いてる・・・」と気になってましたが、ああ、教授スタイル? みたいなセンスある人たちが同じ方向に歩いています。
開館前の都現美にこんなに列ができてるなんて!!
しかも、みなさん、ファッション、決まってる!!
坂本龍一人気に改めて驚きました。
日本で最大規模の個展はここが初めて・・・とうたっているだけあって、注目高いわけですね。


さて・・・冒頭から、いわゆる・・・坂本龍一氏が最後に手がけていて、亡くなった後に完成した作品。
高谷史郎氏とのコラボ「TIME TIME」
水が象徴する「自然」、笙の音色、そして「人類」の象徴として、田中泯さんの語りが入る。「夢十夜」「邯鄲(かんたん)」という夢物語で問いかける・・・
三面スクリーンで、モノトーンの映像と印象的な音・・・最初はひたすら水・・・そして田中泯さんの声が語り始めたとき、ぞわっと鳥肌がたった・・・
坂本龍一が「時間とは何か」を問いかけていたといわれるが、人は生きている間はずっと「時間」に追われているんだろう。「時間」から解き放たれる、「時間」というものを理解するとき、人は「死」を迎えるんだろう。だから、この作品は、坂本龍一氏が亡くなって、おそらく、今、氏が見ている世界なんじゃないのか・・・っていうぐらい「静謐」で「夢幻」の世界に没入する・・・感覚だった。
これをトップにもってきますか~、攻めてますね>>都現美
こんな攻めてる映像を、大勢の人が朝から並んで見にきていて、さらに、この映像をず~っと見続けている・・・シャッターパシャってやって「はい、次!」って人がいなかったんですよ、それもまた驚きであり、感動したし、羨ましいとも思いました。
まさしく「音を視る、時を聴く」作品がトップからあるってことがすごい!

カールステン・ニコライとのコラボで「PHOSPHENES」「ENDO EXO」は、いいねぇ、いつまでも浸ってられそう。違う世界へ引き込まれていきます。

「water state」では、鑑賞者がじっとだまって、ただ水面の波紋を見ている・・・水滴の音を聴いてる・・・って光景を横から見ていて「音を視る、時を聴く」そのものだなぁと。
これも、みんなが見入ってるのが、不思議な光景なんですよね。誰も騒がないっていうのが・・・

「async」シリーズ・・・大きい画面の図書館・・・白で統一された光、なんか現実感がなく浮遊感すら感じられるのに、映ってるのが「本」というシャープなイメージ・・・私はちょっと「緑が欲しい!」という気分になりました。

「LIFE-fluid, invisible, inaudible」
こっちの方が明るくて、空や水面、いろんな水の姿が見られて、なんかホッとする感じでした。

坂本龍一のメモや制作ノートを一挙に見れる展示・・・言葉がとても印象的、挑発的だったり、きつかったり・・・

「霧の彫刻」・・・中谷芺二子さんとのコラボで、屋外の中庭に展開される。芸術祭(どこだったっかなぁ、越後妻有だったっけ?)では日時が合わず、未体験だったから、楽しみにしてました。
いやぁ、寒い! 人の姿が見えなくなる・・・でも、音聴いてなかったわ(苦笑)
これは夏こそ!だと思いました。

「センシング・ストリームズ2024ー不可視、不可聴」


坂本龍一さんと、ライゾマティクスの真鍋大度さんのコラボ
屋外での映像と音なんですが、映像よりも、指向性のあるスピーカーからの音、歩き回っていると見える映像も音も変わってくる、歩きながら音を視る・・・この感覚がたまらなくて、ずっと浸っていました。お天気がよくて、抜けるような青空・・・でも、音そのもので、メロディでもBGMでもない、その中で浸っている・・・気持ちがとても落ち着いて内省的になる。
夫もここが一番気に入ったとの感想でした。

いいなと思ったら応援しよう!