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二人でまるびぃへ

朝から体調は元に戻っていたので、午前中は、金沢21世紀美術館へ。
せっせと友の会ポイントを貯めて、すでに夫の分のチケットになる招待券は手に入れていたし、カフェレストラン・フュージョン21のランチ券もポイント交換でゲットしていたし、準備万端!

・・・と思ってたら、かんじん要の私自身の友の会カードを忘れてきてしまった・・・という体たらく(とほほ・・・いつもの仕事用のバッグに入れっぱなしだった)
事務室に駆け込み、この日だけ使える紙の会員証を出してもらう。

元気な頃の夫は、現代アートとか、21世紀美術館にあまり興味がなく、誘っても気乗りせず、いやいや付いてくる・・・だったんだけど・・・
ある意味「白紙」状態なんで、わくわくはしてないけど、何もかも新鮮!って感じで、「きれいな建物」、「迷路みたい」、「人がこんなにたくさん来てる」「外国人がいっぱい」と驚いていた。

改めて思った・・・ほんまに「バリアフリー」なんだなぁって。
今までの20年間のまるびぃとの関わりの中であっても、自分自身では全く意識はしてなかったけど・・・
夫は全然麻痺がなく、見た目、歩いている姿は普通だし、路面の傾きも少々の段差も普通に歩ける状態です。それであっても、退院してきてからスーパーに行ったり、散歩したり、歩道を歩いていたりするとき、私はとても気にしてたし、一つ一つ確かめていた。
でも、「まるびぃ」の中は、その必要がない・・・すごく安心して歩ける。
右視野の下部の一部が見えにくい夫であっても大丈夫・・・

この日にちょっとこだわっていたのは、明日で終わる「コレクション展1」にある、ザイ・クーニンさんの展示を夫に見せたかったこと。
数々の海外出張の中で、すごく印象に強かった(好きではなかったらしいけど、強烈な印象だった)のが、マレーシアの「クチン」という、猫だらけの街・・・そこで買った帽子もよくかぶってたし(この日も、帽子かぶっていこうよ、どれ選ぶ? って聞いたら、この猫の帽子を選んだ)。
 ザイ・クーニンさんの作品「ダプンタ・ヒャン」、大きな船がど真ん中にあるのでそちらに目を奪われがちだが、実は、ザイ・クーニンさんの訴えたかったものは、オラン・ラウと言われてる人々、昔から島々の間を行き来して船の上で暮らす人たち・・・定住化の波に襲われ自分たちのルーツも民族の誇りも文化も手放してしまっている人たちに焦点を当てることだと思う。
  そこにある濃い青地の布? 紙?に描かれた地図・・・を夫に見せたかったのだ。
  ぼんやりとしてた夫の目に力が入ったのが、やはり、この地図を見たとき・・・行ったことがある、この帽子、ほら、クチンって、猫の街やった・・・と。この島の(ボルネオ島)人たちって、こんな顔の人もおったし(展示室の写真を見ながら)、中国系の人が多かった・・・とか。

一緒にレアンドロのスイミングプールの地下部に行ってきた。
鉄壁のガイド人の私がいるもんね~(苦笑)

失語症の後遺症があり、まだうまく話せない夫ですが、英語に長けていたことは、今も残っている・・・私の言葉よりも、展示室中に大勢いる外国人観光客の英語をいろいろ聞いてるみたいだった。中国人の英語や、台湾の人みたい、ヨーロッパからこんなに来てるんや、アメリカの人の話し方やった・・・などなど。

フュージョン21のランチ
退院してから初めての外食・・・塩分控えめということは頭にあるけど、でも、土日は「取り放題のビュッフェ形式」ではなく、あらかじめ「前菜プレート」を持ってきてくれるので、そんな塩分取りすぎの心配はしなくてよさそう。スープも柔らかな味付けだったし、カレー味のオムライスも味は薄めだったので、すごく安心して楽しめた。

後から聞いてわかったこと・・・
ランチの間、結構、夫は「心ここにあらず」みたいな表情をしていたので、疲れたのかなぁって心配になってたんだけど・・・
斜向かいの席にいた外国人一家の言葉が耳に入ってて、ずっとそっちを気にして聞いてたみたいなのだ。お子様たちがショーケースの中にあったスイーツを食べたがってあれこれ言ってるのを聞いてたみたい。
私は、夫の様子が気になって、そんな他の客のどうのこうのなんて、全く、記憶にも残ってないほどなのに・・・
正確に聞き取れていないようだけど、日本語より英語のどうのこうの・・・が気になるみたい(苦笑・・・この辺、やっぱり、夫らしい)。英語圏の人じゃない、フランス人ぽかった・・・とか、その辺聞き分けるのは変わっていないみたいだ。

家でも、病院では見れなかったCNNニュースを見てるが、「前みたいにちゃんとわからない」とがっくりしてるんだけど、でも、「このニュース、昼に見たのと同じ内容だから、リピートやね」とか、

バスで帰ってきたが、午後は、前日の反省もあって、二人とも、部屋でごろごろとのんびり過ごした。

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