「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか? 」@国立西洋美術館
国立西洋美術館六十五年目の自問:現代美術家たちへの問いかけ
古典西洋絵画のコレクションが素晴らしい、老舗ともいえる「国立西洋美術館」が、リニューアルを経て、地下に企画展示エリアを使っての初めての本格的な現代美術の展覧会。
驚きました!
ものすごく尖ってました!
もはや、金沢21世紀美術館では、ここまで尖っての展覧会はやれないのではないか!とまで感じたぐらいの熱量を感じました。
惜しむらくは、かなり「詰め込み過ぎ」たかなぁ。
でも、ここでこれだけの現代アートの展覧会は、後に続けてはやれないかもしれないっていう、刹那的な、ある意味「背水の陣」的な・・・それぐらいの気合いを感じました。
印象に残ったところだけかいつまんでの感想です。
小田原のどかさん
台座の上から落ちて、地面に横倒しになった「考える人」(ロダン)
能登半島地震の後だからこそ、生々しさを感じたけど、確か、国立西洋美術館がリニューアル大改装工事に踏み切ったとき、台座からロダンの彫刻を外して場所を移動させる・・・そんな映像を見ました。丁寧に布で包まれ緩衝材に包まれての丁寧な移送ではなく、台座から落っこちるという衝撃的な横倒しはインパクトありました。
遠藤麻衣さん「オメガとアルファのリチュアル」
確か金沢21世紀美術館でのフェミニズム展でも名前があったような、映像作品だったかな。でも、確か、粘土を使った性器の・・・ってやつだったかな。
でも今回の映像作品は、ものすごかった。
これって18禁でしょ~よ!
ポルノ映画でしょ、どう考えても。
確かに西洋絵画、性的な素材を扱っているものも、動物と人間の異種交配を扱ったムンクの版画作品からの、蛇が絡みつく女性二人の裸でのパフォーマンス・・・まぁすごかった
回るソファクッションがあって、誰でも座れるって話で、でも誰も座ってないけど?と思ったけど、映像作品を見てしまうと、そりゃぁ座れないわ。
私、的には今回の展覧会で一番強烈だったのが、この作品でした。
弓指寛治&新藤学芸員
国立西洋美術館の新藤学芸員・・・この美術館の大改装工事のドキュメンタリー映画「わたしたちの国立西洋美術館」を見たんですが、国立西洋美術館の学芸員さんの顔出し初めてだったように思うけど、とても綺麗な顔立ちの学芸員さんで、いかにも「西洋古典美術に精通してる学芸員さん」というふうに見てたんですが、山谷のドヤ街に自ら足を運んで、いろんな路上生活や日雇い労働者の方々と直に話をしたり、その支援をしている人たちと一緒に活動したり・・・と。へぇ~~とびっくりしまくりました。
この新藤学芸員さんがこの展覧会をキュレーションされてるわけですが、熱量半端なかったです。美術館の館長さんのトークや解説などをネットとかで読んでも、国立西洋美術館の館長さんとしては、現代アートについてあまり手を出したくない・・・みたいな雰囲気感じるんですよね。敷居の外から論じてる雰囲気。でも、新藤学芸員さんは、こりゃかなり熱く戦って押し切ったんじゃないかって感じを受けます。
金沢21世紀美術館に来ませんか~? カモン!!って言いたくなっちゃったです。