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「すべてのものとダンスを踊って 共感のエコロジー」展:夫婦でミュージアム・クルーズ
金沢21世紀美術館 開館20周年記念の特別展を夫婦二人でおしゃべりしながら鑑賞してみました。
思えば、夫が脳出血で倒れる前は、現代アートについては夫はかなり否定的でした。
金沢21世紀美術館の展覧会・・・そもそも、夫を誘うことすら一苦労だった。
ロン・ミュエック展とか一緒に見たかったんだけどなぁ・・・
最初は、家族で友の会に入っていたけど、いつしか、私一人だけの会員になってましたし、夫を誘うのも展覧会の内容を考えて「これだったら大丈夫かな」という事前診断をしてから・・・だった。
今までの企画展で、夫が気に入ったのが「工芸未来派展」、「オラファー・エリアソン展」、「レアンドロ・エルリッヒ展」かなぁ。
今までは友の会のポイントをためて招待券に交換することが可能だったので、「まぁ、無料の招待券なんだから」と、絵柄の入ってる鑑賞券を集めるのが目的みたいなものだったので、夫の好みなんか度外視で誘っていたけど、そういう友の会特典がなくなってしまい、相応の料金のチケットを買うことになる。
失語症の後遺症がある夫は、現代アートに対しても割とフラットな感じなので、一緒におしゃべりしながら展覧会を回るということを「新鮮に」受け止めているようなので、私としては「しめしめ・・・」と思ってもいる。夫婦でミュージアム・クルーズしたかったんだもん!!
さて、今までの夫の好みからすると、この「すべてのものとダンスを踊って」展は、かなり好み度が低いと思われ、一緒に鑑賞していても「いやいや、しぶしぶ感」ありありの展開になるのかなぁと危ぶんでいたが、まずまずフラットに鑑賞していたので、ほっ・・・
私自身が小学校4年生のミュージアム・クルーズの時に、子供達に投げかける定番の質問がある。
「この部屋の作品、どれでもいいから1つ、家に持って帰っていいよって言われたら、どれを選ぶ?」
「どう感じる?」とか「なんだろうね」という質問よりは、かなり具体的で、しかも「即物的な」問いかけだけど、でも、「これ、欲しい」と思うって、すごく素直な感想だと思うのだ。
そこから話を膨らませ、一緒に物語を作っていくっていう「掘り下げ」ができるのが、クルーズ・クルーが寄り添うからこそ・・・だと思う。
相手が10歳の子供であろうと、60歳を超えたおっさんであろうと、「これ、欲しいな」と思ったものがあるかどうかは、とても重要な「鑑賞行為」の鍵だと思ってます。
Q「持って帰れるなら、どれを選ぶ?」
A「そうだねぇ、これだなぁ」
Q「どこに飾るん?」
A「玄関」
Q「玄関かぁ、家に帰ってきて真っ先に見るんだよね」
とかとか、会話を続けやすいんだよね。
夫と話していて、今まで、あんまりおもしろいと思ってなかった植物の絵の作品、かなり気に入った作品になってきました~