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手慣れてた・・・
脳出血の後、夫は車の運転はしていない。
失語症、言葉の後遺症があるのと、右視野がどの程度見えているのか見えていないのかがまだはっきりしないのと、高次脳機能障害がどの程度なのか、まだ症状固定とは至っていないのでは?というのもあって、運転の可否について、まだ主治医とは話をしていない。
夫自身、それほど車の運転にこだわっていない。
「もう自分は車を運転するのはよくないんじゃないか、危ないし、怖い、他の人に対して危ない状態は良くないから」とすごく自制が効いている。
夫のお父さんが脳梗塞後も運転にこだわってたのも、側で見ていて怖かった・・・という記憶が濃いのだろう。
そこそこ街中、自宅すぐ近くが学校だったり病院だったりしているので、バスの便がよく、運転できなくてもそれほど困っていないのだ。
私自身も運転しないし、とりあえず、現状は、車は置いたまま、たまに息子が乗ったり、している。
車検は済ませて、タイヤもスタッドレスにしている。
やっと車周囲や車の上に積もった雪の始末が片付いて、車検証を車内に提示しようと車のキーを持って・・・ただ、私は全く車を運転しないので、シールを貼ってねと言われても、何それ?って感じなのだ。
それで、夫を伴って一緒に車のそばにいって、車のキーを渡すと・・・
あの日以来、全く車を触ってなかった夫が、本当に自然な動作で、毎日それやってます・・・という動作でキーを持って、車を開けて、普通に運転席に座った。
書類も慣れた動作で「ここに入れとくねん」とダッシュボードのファイルに収めていた。
慣れた動作で、シールを貼って・・・ただ、前のシールとちょっとタイプが違うので、「次男が来て、また見直してほしい」と慎重だ。
このまま、普通に運転できるんじゃね?とは思った。でも、夫本人が自制しているのだから、今は車の運転については何も言わないでおこう。
あまりに自然な動作で、以前のままの夫の仕草だったので、私の方がドキドキした。
車のそばにいた時、全く言い直しや言い間違いをしてなかった・・・後から気づいて、ドキドキした。
そのまま、ふつ~に慣れた手つきで、以前のままの仕草で雪かきをし始めた夫・・ちょっと一緒に私も雪かきし始めて・・・はっと気づいた。
あれ? この人、脳出血で手術をした人だった、寒い中で力仕事させたらあかんはず・・・と慌ててセーブをかけたほど。あまりに自然な動作だった。そういえば、車のドア閉めも、キーをさっとポケットに入れるのも、あまりに以前のまんまだった・・・