GO FOR KOGEI 2023「物質的想像力と物語の縁起ーマテリアル、データ、ファンタジー」−1:富岩運河環水公園エリア
今年の「GO FOR KOGEI」は、富山県富山市内のみ、しかも、富岩運河沿い、路面電車沿線のみ・・・というとても「回りやすい」場所設定だから、1日で周りきれる、私一人自力で行ける!!と、とてもありがたいロケーションでした。
でも、1日で回れる・・・は、いろいろな想定外(故障車による高速道路通行止め、大雨、運河クルーズってめちゃ時間かかるんだ~)と想定内(方向音痴、トイレが近くて困った)な出来事が重なり、結局、2日がかり・・・でした。
近くて何度も行ってたし「知ってると思い込んでた」富山市。
でも、あまり知らなかった「富山市内の見所」も初めて回れたので、とても楽しかったし、発見もたくさんできたので、また「夫と一緒に回りたい」リストに入れておこうと思います。
楽翠亭美術館
ここは建物自体の佇まいが素敵なんですよ。いわゆるお屋敷そのままを美術館にしている。
入り口からまず、辻村塊の信楽焼の大壺がずらずらずらと置かれている・・・土の魅力満載だ。
3つの和室をぶち抜いてお庭にある石像までを見通せる場に、近藤高弘の「Reduction ー波動」が並んでいる。銀滴彩など、その表面にいろいろ
技法を施されている。いわゆる「座像」で、それは鎮魂を意味するのか・・・
作家によると、座像も白磁もいわゆる「うつわ」・・・「空和(うつわ)」だと・・・内側と外側から成り立ち、人体も器も水を蓄えることができる・・・と。
なるほど、焼き物は空洞で作らなければならないし・・・確かに人間の体も口から肛門まで管が通ってるよなぁ。
桑田卓郎の展示は、まるで「劉建華」展を見てるようだった、ただ、思いっきり割っている劉建華に対して、律儀に整然と並んでいるのが、両者の個性の違いなのかな。
2階の川井雄仁さんの作品は、もう笑える、笑える・・・オタクですか!です!
カラフルだしキャッチーだし、工芸って枠を飛び越えて、もう「磁器を使った現代アート」でしょうね、作家の頭の中を除くような暗い部屋の中にこれでもか!!と詰め込まれた切り抜きいっぱいの部屋は、なんもかんもさらけ出す!という、現代アートの作家さんの「殴り込み劇場!」という感じだった。
でも改めて思うと、この楽翠亭美術館の中心にあるお庭に一見無造作に土そのものを延々並べてるように見えるように展示されていた野村由香の作品のように・・・どの作品もすべて「土」からできてるんだ~っていう事実・・・全ては土から始まっていて、でも、土に返らない姿になって作品となってるってことか・・・と思い起こさせてくれた。
富山県美術館:フリースペースにオードリー・ガンビエさんの作品が無造作に置かれているが、これ、鑑賞者が被ったり着たりして、作品になれるっていうもので・・・「おひとりさま」にはなかなかハードルが高かったけど、対応をされてる方がとても親切で(美術館の人・・・というよりは、GO FOR KOGEI のスタッフさんかな)、いろいろ手伝っていただいた。
桑田卓郎さんの「かいらぎ」の器になってみた私・・・いかがでしょう?(苦笑)
運河遊覧船:富岩水上ライン
ちょうど「スターバックス」のお店近くの水上にある作品:久保寛子:大犬
KAMU KANAZAWAの「泥足」が中にも入れる作品だが、この大犬は水の上にいる・・・「マテリアル、データ、ファンタジー」のファンタジーの枠に入るのかなぁ。物語が生まれそうですよね。
今回の富山に絞った「GO FOR KOGEI」で、私の「初めて体験」が2つ。
1つは、初めての「運河クルーズ」体験・・・長くなったので分けます。