映画「私がやりました」
※昨年末に鑑賞した映画のレビューです
directed by Francois Ozon
starring : Nadia Tereszkiewicz, Rebecca Marder, Isabelle Huppert, Fabrice Luchini, Dany Boon, Andre Dussollier
パリの大豪邸で有名映画プロデューサーが殺害され、新人女優マドレーヌが容疑者として連行された。マドレーヌ(ナディア・テレスキッツ)はプロデューサーに襲われて自分の身を守るために撃ったと供述し、親友である弁護士ポーリーヌ(レベッカ・マルデール)とともに法廷に立つ。正当防衛を訴える鮮やかな弁論と感動的なスピーチは裁判官や大衆の心をつかみ、マドレーヌは無罪を勝ち取ったのみならず、悲劇のヒロインとしてスターの座を手に入れる。そんな彼女たちの前にかつての大女優オデット(イザベル・ユペール)が現れ、プロデューサー殺しの真犯人は自分だと主張する。
もともと舞台劇だったそうだが、実にストーリー展開がしっかりしてて軽妙で、フランソワーズ・オゾン監督の手のひらで転がされてる感がありありでした。でも心地よかったし、痛快だった。意外性はなくて、ああ、ここで大物登場だなってわかるし。しかも演じたイザベル・ユペールの存在感が圧巻。
若いぴちぴちした女優さんの歯切れのいいセリフの応酬も楽しかったけど、イザベル・ユペールの落ち着いた堂々とした演技も素敵でした。
根底には大物プロデューサーのセクハラがあるんだけど、泣き寝入りはしないよという「Me Too」運動も見ている方としたら思い浮かべる。でも、もっと逆手をとって「襲われそうになって正当防衛で殺してしまいました」ということで一気にスター街道を駆け上がる・・・実際にそういう話はあったのかもしれない?とも思わせてくれて、さらにジメジメせず、「実際は何が起きたのが真実か」という部分もしっかり見せてくれる・・・そして両方Win-Winという・・・軽妙洒脱、フランス映画の洒落感がすごく素敵だった。
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