「21Hz」 「コレクション展2 電気と音」


金沢21世紀美術館の金沢21世紀美術館のポッドキャスト/レーベル「21Hz」 。
毎週木曜日に更新されている、21美ならではのサウンドコンテンツ
ヒトが聞くことができる音は20Hzから・・・なんだそうで、そこから一歩先の未来に耳をすませる・・・という思いからつけられたという「21Hz」

実はず〜っとその存在は気になってたんですが、なんというか、すぐ寝落ちしちゃってなかなかちゃんと聴けずにいました。
でも、元日の地震から、ずっと美術館のお仕事が止まっていて、展覧会も中断してしまっていて・・・
新聞報道の通り、いわゆるメインの展示室の天井のガラス板の落下やズレなどの被害のため、14室の展示室、そして長期インスタレーションルームの天井のガラス板、無事だったものも含めて全部を撤去するという決定で、展示室内の作品は全部一旦撤去されています。
6月下旬に全館再開ということですが、もう、あの状態の展覧会には戻らないかもしれない・・・会期が終わってしまう企画展「DXP」展は、映像などを全部TVモニターなどに移して、現在「DXP2 」展として、交流ゾーンに散りばめての展示構成として再開していますが、それも3月24日まで。
「コレクション展2 電気と音」に関しては、どういった形で再開させるのか? 再開自体があるのかないのか? も全く未定のようで、本当に残念です。

この「コレクション展2 電気と音」はとても好み! で、すごくすごく濃い状態で味わいたい!!って思っていただけに、中途半端になってしまって、すごく心残り。

で、「そうだ!、21Hzでコレクション展2について特集されてた!!」とツイッター(現・X)で知っていたので、今回、じっくりと・・・私の記憶に焼き付いている展示室の光景を脳裏に再現しながら、聴いていきました。

アーティストの立石従寛(たていし・じゅかん)さんがコレクション展会場を歩きながら、作品を鑑賞しながら語っていきます。解説ではなく、鑑賞者としてのつぶやきを言葉にしていくって感じ。対話形式じゃないところは、ご本人にとってはしんどい(後から、キュレイターの高木遊さんと話してるときに訴えてはったけど)やろなぁ。 でも、これ、私てきには、逆に、従寛さんのつぶやきに対して、私自身がツッコミいれてく感じで、すごくおもしろかったです。例えば、通路のあちこちに置かれているテレビ・・・ブラウン管のテレビ、「またソニーなんだ」って何気に言った一言が結構ツボだったり。一般の人よりは自身もアーティストさんだというところもあって、そこが「一歩先」の感覚がすごく心地よくて、自分自身もちょっと先の見方ができるのが・・・アカデミックな刺激を与えてくれるのでうれしいし、

 この「電気と音」・・・・音を伝えているのは、手段として「電気」を使っているけど、それは現在、極力「見えないように」なってきてる。レコードからCD、そして配信となっていくと、音を出してるものが見えなくなって、コードレスになっていくと、電気を伝えている「線」も見えなくなってる。でも、この展覧会では、でっかいでっかいスピーカー、ブラウン管のテレビ、そして塒を巻くケーブル、コード、嫌!というほど「モノ」がどかん、どかん・・・と主張してくるんだけど、最後の展示室に入ると、モノが一切なくて、「ただ、音と振動だけが伝わる」部屋で終わる・・・
このスッキリ感、潔さ感がすご〜く好きです!!

最後にキュレイターの高木遊さんと従寛さんが語り合うエピソードがあるんだけど、そこで「金沢21世紀美術館の4000点を超えるコレクション作品の中で純粋に音だけ、視覚を伴わない音だけの作品は1点だけ」と言われていた。
以前にもこのコメントを聞いたときに、「それはどの作品? 今回の展覧会で出してますか?」って質問したかったんだけど・・・

ああ、フィッシュリ&ヴァイスの「クリン・クリン」か・・・
でも、あれ、必ず、無題「コンクリート・ランドスケーブ」と一緒に展示されてるけどなぁ。コンビでないと出せない作品なのかと思っていたけど・・・

クリン・クリンもすごく好きです。暗い部屋であれだけが鳴っていてもいいのにって私個人的に思ってますが、きっと作家が指定してるんかなぁ?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?