映画「1秒先の彼」

directed by山下敦弘
starring :岡田将生、清原果耶、羽野晶紀、加藤雅也、荒川良々、しみけん

郵便局の窓口で働くハジメ(岡田将生)は、何するにもとにかく1秒早い。記念写真はいつも目をつむって写ってしまう。漫才を見て笑うタイミングも人より早い。路上ミュージシャン桜子に一目惚れしたハジメは花火大会デートの約束が叶い有頂天に。しかし目覚めると、なぜか翌日になっていて、花火の夜は終わっていて、彼自身はなぜかひどく日焼けしていて、さらに桜子に渡すはずだったお金は電子レンジの中に? 俺の「昨日」を返してくれ!!と嘆くハジメ。ふと思い当たったのは、毎日、やってきて1枚ずつ切手を買っては手紙を投函するレイカ(清原果耶)・・・彼女は何か言いたげだった・・・もしかして彼女がこの「消えた昨日」のことを知っているのでは??
彼女が毎日毎日投函していた手紙は、天橋立近くの郵便局の私書箱だった・・・
幼い日の記憶がやっとハジメの脳裏に蘇る・・・

台湾の映画「1秒先の彼女」のリメイク・・・男女入れ替えただけやん?と最初は「二番煎じを見るのもなぁ」と躊躇っていたのですが、映画好きのお仲間の評判がとてもいいし、清原果耶さん出演作は外したくないなぁということで、鑑賞することに・・・

いやいやいや・・・見事なアレンジでした~!!
京都という土地柄、千年の歴史がある町だからこそ、ありえないだろうけどありえそうだよなと思わせるところ、うまいですよね。京都らしい雅テイストの長々しい名前。長い名前をもった者は名前を書くたびに人より時間がかかる。損した1秒がたまっていって1日分になったとき、神様が粋なプレゼントをする・・・
  幼い頃交わした淡い約束・・・すっかり忘れちゃった彼とずっとそれを守っているレイカ。何をするのも1秒早い彼と、何をするのも1秒遅いレイカ。
天橋立というロケーションが「ずっと離れ離れになっていた人との再会」のシチュエーションにぴったりで、加えて、清原果耶さん、確か関西出身で、雰囲気に馴染んでいて、加えて持ち前の演技力で、はっちゃけてる岡田くんとの対照ぶりが実に似合ってました。

おお、台湾バージョンの二番煎じじゃなく、見事なリメイクだなぁと感心してたら、エンドロールに「脚本:宮藤官九郎」

そうかぁ、もぉ、まったまたやってくれた、クドカンにしてやられた~!!
ほんまにどうしてこの人の脚本は、こんなに見事に良いように転がされちまうんだいっ!悔しいまでに見事でした。
心地よい「やられた~、まいった~」感に酔いしれちゃいました。


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