映画「きみの色」

directed by 山田尚子

voice actror/actress: 鈴川紗由、高石あかり、木戸大聖、やす子、戸田恵子、新垣結衣

Animation film


規則の厳しい、全寮制のミッション系女子校の高校生トツ子(鈴川紗由)は、人が「色」で見える。嬉しい色、美しい色、穏やかな色、そして自分の好きな色。でも自分の色は何だろう? それがふわふわとしているので、何かどこか空虚な思いを抱えながら学校生活を送っていた。

 ある日、同じ学校に通っていた美しい色を持つ少女・きみ(高石あかり)、音楽好きの少年、ルイ(木戸大聖)と古書店で出会う。

音楽を通じて次第に意気投合し、バンドを組んで、作曲もするようになっていく三人。

それぞれに、勝手に学校を退学したことを家族に打ち明けられずに悩むキミ、母親からの将来の期待に応じたいが、音楽活動も続けたくて、母親に嘘をついていることに苦しむルイ、自分の色が見えずに心が移ろうトツ子、それぞれに悩みを抱えながらも、練習場所である離島の古い教会で練習を重ねていく三人・・・お硬いばかりだと思っていた高校のシスターにも、実は内には熱い青春時代の名残を残していること、人は見かけじゃないということに次第に、自らも心を開いていく三人は・・・


令和になって、今時珍しい、ミッション系の規則が厳しい女子校・・・ふる~い・・なんだけど、逆にとっても新鮮に映った。

しかも優しいけど厳かに神の言葉を語るシスターを新垣結衣

ちょっと前の出演作では、ぶっきらぼうで飾りっけなしの作家の役だったけど、一転、声だけの、でも、厳かで気高くて静かで穏やかなシスターの役と・・・

主役の三人がオーディションで選ばれた新人だけに、縁起達者な新垣結衣さんの声の演技が重みがあって、この物語の「要(かなめ)」というか「碇(いかり)」のような役目をしていて、後々印象に残っていく。

ルイの母親役も戸田恵子さんで、声がツヤがあって、ああ、発声方法が素晴らしいんだろうなぁと。


ロケーションが見事だった。今時あるんかいなってぐらい、ある意味典型的な、女子ミッションスクール。そして、キミがバイトしている、ちょっと隠れ家的な古書店・・・「耳を澄ませば」に出てくるような、ああ、ジブリっぽいなぁっていう古書店、イタリアの映画で古書店が舞台になってた作品があったけど、ああいう、細い坂を上がっていったところに佇む古書店っていいなぁ。

 そして、離島にある古い教会での三人のバンド・・・テルミンって教会で響くって聞いてみたい!!


ありえね~だろってところが、アニメーションだと素直に落ち着く。しかも落ち着いた色使い、さすが山田尚子さんの作品だなぁと。


ミスチルの「in the pocket」

気持ちいい楽曲だった。

でも、最近のライブで歌った「靴ひも」という曲に、「君の色」って歌詞があるから、私としては、そっちの曲の方が似合ってたかも?って思った。

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