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 TRIO パリ・東京・大阪・モダンアート・コレクション展@東京国立近代美術館

パリ市近代美術館、東京国立近代美術館、大阪中之島美術館の3つの近代美術館のコラボ企画の展覧会。
2館のコラボとかあっても、3つ、しかも、近代美術の美術館のコラボ企画ってなかなかなかったんではないだろうか。しかも各々の章構成がすごく分かりやすい。都市景観、人物、日常生活、社会構成、近代化、時代の移り変わり、アートの変化、ポップとキッチュなど、20世紀の全てを映し出しながら、3つの館のコレクション作品の組み合わせを練っていく・・・まさにキュレーションの醍醐味を味わう展覧会でした。

以前、金沢21世紀美術館にいらした学芸員の方が、今回のTRIO展のキュレーションに関わってられる・・・というのをNHKの日曜美術館のアートシーンで紹介されていました。
 この展覧会のキャッチコピー「見て、比べて、話したくなる」ってまさにその通り・・・あ~、これ、ミュージアム・クルーズしたくなるよな~って全部の章でそう強く思いましたもん!
「無防備で横たわる裸婦」を描いたマティス、モディリアーニ、萬鉄五郎の絵、それぞれ、3つの館が所蔵してるのですが、一堂に介して同じ視野に入れて鑑賞できるなんて、まさに一期一会じゃないでしょうか。しかも、この3つの絵、それぞれが語り合っているように見える・・「ねぇ、どう?」「私だってどう?」とかとか?
「キリコ展」でみた作品と、ブランクーシの「ミューズ」・・・頭部が全く同じ、コピーしてんでは?って言いたくなるほどですよね。これも、並べて見せれば、見事なほどによく分かる。
 これなんて、まるでSFやん!とか「いや、これは何かのメタファーでしょ」とか語り合いたくなります。たいてい一人で鑑賞するのが好きなんですが、このTRIO展はクルーズ・クルーさんと行きたかったなぁと思いました。

これだけの数の所蔵品を3館に渡り見比べ、章立てを考え、構成を考え、展覧会順序を考察し、3つの館のそれぞれの館そのものの展覧会スケジュールも睨みながら、合わせていく・・・大変な作業で考えることもいっぱいいっぱいあったと思いますが、そういう「キュレーションの妙」を鑑賞者は想像していく楽しみがとても大きかった。
各作品を追っていくというより、展覧会構成を追いかけて想像していくのがとても楽しい展覧会でした。キュレーター・トーク、WEBとかであったらいいのにな・・・

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