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Photo by
masumiyutaka
遺言五十七
2024年12月27日 午前3時
自分一人しか寝ていないはずのベッドの左側に誰かの気配と優しい温もりを感じ
目が覚めた
「誰?」
当然怖くなり
すぐに部屋の照明を全て灯し携帯電話を片手に部屋を見渡した
誰もいない
なぜこんな時間に目が覚めたのか
何か温かいものを飲もうとポットにお湯を準備していた時
電話が鳴った
朝方叔父が亡くなったという
さっきの気配と温もりは
まさかとは思ったが叔父だったのだ
最後に来てくれた
遠く離れてしまってなかなか会いにいくことができなかったが去年の今頃
叔父の家に行き元気そうな姿を見て安心して帰路に着いた
本当にこんなことってあるんだなと思い涙が出た
同時に笑顔も溢れた
叔父さん
ありがとう会いに来てくれて
そっちではおじいちゃんおばあちゃん
亡くなったお兄さんとたくさんの人に会えただろか
「俺が死んで間違っても、ゆっくり安らかになんて言うなよ」と言われそうだ
30日
荼毘に伏された時間に兄からメールが来た
「これから火葬」
それまで曇っていた空からパラパラと大粒の雪が舞い降りてきた。
涙がこぼれないよう空を見上げ叔父を想う
叔父さん
この涙は悲しんでるんじゃないよ
寂しいからだよ
たくさんの冗談と笑いをありがとう
叔父さんがいるだけでそこはお祭り会場のようだったね
今年はたくさん大好きな人が天へ逝ってしまいました