遺言3
どうせ死ぬのだから。
量り売りクッキーを袋に詰めながら
「どうせいつかは死ぬのだから、研修生レジが変なことを言ってきても気にしない」と言い聞かせた瞬間、事は起きる。
「袋を一枚お願いします」とお願いすると
研修生レジ「袋はおつけしません」
私「有料の袋をお願いできないですか?」
当然このご時世だ、無料だとは思っていない。
一枚5円程度だろう。
しかし袋はつけてくれないと…
仕方なく了承し店を後にしようとした瞬間だった。
奥から何かを察知したベテラン店員が猛ダッシュしてくる。
「申し訳ございません!一枚でよろしいですか!?」
「大変申し訳ございません!研修生なのでお許しください!後ろに下がって💢」そんなに慌てなくてもいい。
どうせ死ぬのだから。
いのち短し文句を言っても終始なし。
このご時世、多様性が過ぎて。
いのち短し
今後があるなら店員は頼らず、今後はエコバッグを忘れないように。
いのち短し
身が可愛ければ余所は無視。
いのち短し
セルフレジを使うべし。
今日も死んだ。
明日も一旦死んでみよう。
いのち短し
人は物でしかない。
今宵も寝るまで死のう。
どうせ死ぬのだから。