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【硬式野球】秋季リーグ2戦目で白星 9回表に劇的な逆転

令和6年度札幌学生野球連盟秋季1部リーグ 8月23日 第1節第2戦
北海学園大学 ― 東海大札幌キャンパス

スタメン

北海学園大学
1 (三)水野  航士朗 (=みずの・こうしろう/③・経営・札幌第一)
2 (二)  杉林  蒼太 (=すぎばやし・そうた/③・経済・北海)
3 (遊)  常谷  拓輝 (=つねや・ひろき/③・人文・札幌静修)
4 (一)  森  順哉 (=もり・じゅんや/③・経営・札幌日大)
5 (右)  柏原  翔太 (=かしはら・しょうた/②・経済・旭川実業)
6 (指)  郡山  遥翔 (=こおりやま・はると/②・法・札幌大谷)
7 (中) 下向  航 (=しもむかい・こう/③・経営・浦河)
8 (捕)  久保田  廉太朗 (=くぼた・れんたろう/④・経営・札幌国際情報)
9 (左) 金野  颯汰 (=こんの・そうた/④・人文・札幌第一)
先発  堀川 怜央 (=ほりかわ・れお/③・人文・札幌第一)
 
東海大学札幌キャンパス
1 (中)川野  凌汰 (=かわの・りょうた/①・国際文化・中央学院(千葉))
2 (二) 小田切  順正 (=おだぎり・じゅんせい/③・国際文化・北照)
3 (一) 磯崎  太一 (=いそざき・たいち/④・国際文化・北海道科学大)
4 (指) 髙橋  颯太 (=/④・国際文化・東海大相模(神奈川))
5 (右) 大柳  彩人 (=おおやなぎ・あやと/④・国際文化・札幌日大)
6 (遊) 林  祥大 (=はやし・しょうだい/④・国際文化・東海大浦安(千葉))
7 (三) 武田 龍之介 (=たけだ・りゅうのすけ/②・国際文化・東海大札幌)
8 (捕) 稲葉 大耀 (=いなば・たいよう/④・国際文化・東海大浦安(千葉))
9 (左) 高梨 暖大 (=たかなし・はると/③・国際文化・東海大浦安(千葉))
先発 山 優斗 (=やま・ゆうと/④・国際文化・駒大苫小牧)
 
(学園大)堀川(5回1四球3失点4奪三振)  → 坪田(1 1/3回0四球0失点0奪三振)
→ 長内(1 1/3回0四球0失点2奪三振) ― 久保田
(東海大))山(9回0四球4失点3三振) ― 稲葉

戦評

曇天の円山球場、本学の先発は堀川。対する東海大札幌キャンパス(以下東海大札幌)の先発は山。試合序盤はゴロ、フライ、三振、ライナー、ファールフライが続いた。結果として、3回裏まで両チーム3者凡退。両者得点やヒットどころか、ランナーまでを許さなかった。
 
しかし4回表本学の攻撃、流れが変わる。1番水野が第2打席の第2球で中安打を放った。第2打席にして初めて出たランナーに三塁側スタンドが湧く。直後のバッターボックスには2番杉林。見事な送りバント成功により、水野を2塁へと送った。流れを掴んだ本学、ここで3番常谷。2ストライクに追い込まれるも、6球目で皆の期待に応えるように右安打を放った。その際に常谷は1、2塁間で挟まれアウトとなったが、その間に杉林が走り生還。3回裏までの両者譲らなかった流れを破り、本学が先制した。
 
見事に先制した本学であったが、4回裏にピンチが訪れる。東海大札幌の攻撃、1番川野が右安打、2番小田切が三安打を放ち、ノーアウト1、2塁に。緊張が走った本学であったが、3番磯崎は空振り三振、4番髙橋はファウルフライと続き、ツーアウトとなる。しかし5番大柳が見極めた。四球で1塁へ行き、ツーアウト満塁に。そこで6番林の3球目、大きな当たり。川野,小田切,大柳が生還し、林は2塁へ。「走者一掃のタイムリー」とはまさにこのことである。7番武田を初球のレフトフライでアウトにしてチェンジするも、本学はこの回3点を奪われた。
 
その後本学は5回に下向がヒットを放つも、東海大札幌の鋭い牽制によりアウト。7回表に森がヒットを放つも、その後スリーアウトとなりチェンジ。得点することができずにいた。
 
一方、本学の守備により、4回裏以降に東海大札幌に得点を許すことはなかった。
投手は5回まで投げた先発堀川が奪4三振。坪田、そして期待の1年次生長内の防御率は見事0.00。
8回裏にはサード方向、スタンドの直前まで伸びたファウルフライも捕り、確実に東海大札幌の攻撃を抑えた。
 
そんな中迎えた9回表、本学1対東海大札幌3。ここで同点、もしくはそれ以上にならなければ、9回裏に持ち込めないまま本学に黒星が付く状況に、再び3塁側スタンドは再び不安を覚える。
9回表、最初のバッターは9番金野の3球目。中安打を放ち、ノーアウト1塁。ランナーが出た。1番水野は惜しくもゴロとなり、2塁へ向かった金野がアウトとなってしまったが、ダブルプレーは避けられた。まだワンアウト。そして2番杉林。うまくいけば同点のランナーとなるが、ダブルプレーになれば試合終了である。プレッシャーも大きかったと思われるが、杉林の打球は左方向へ大きく放たれた。ワンアウトランナー1,2塁。本学がチャンスを作った。
 
そしてバッターボックスには背番号1。4回表にヒットを放ち、本学の先制点に貢献した3番常谷だ。常谷がヒットを放てば同点に追いつくことが見えてくる。だが、ゴロを放てばダブルプレーで試合終了かもしれない。この先試合をどう動かすかが常谷にかかっている。本学も、東海大札幌も皆が手に汗を握り、円山球場全体に緊張感が漂っている雰囲気で、主審が「プレイ」の一言。ストライク、ボール、ファウルで追い込まれ、ボール、ファウル、6球目がボールでフルカウント。
その時、スタンドから「常谷がやってくれるんじゃないか」
―確かには聴こえなかったが、そんな声が聴こえた気がした。
7球目、常谷のバットから快音が響いた。水野が、杉林が還ってきた。常谷が、常谷が左方向に大きく2ベースヒットを放った。追いついた。同点だ。スタンドの硬式野球部員から歓声が上がった。本学チームメイトが還ってきた水野と杉林を迎えた。チームメイトとのハイタッチと抱擁にスタンドがより一層の歓声と、2塁へ向けた常谷コールに沸いた。
 
続いては4番森、ではなくバッターボックスには増田。打球はゴロとなり、増田はアウトとなるが、その間に常谷が3塁へ走ることができた。
 
そして5番柏原の打席で思わぬことが起きた。キャッチャーが後ろに走った。暴投だ。そこで3塁にいた常谷が、ホームベースを確かに踏んだ。逆転して本学4対東海大札幌3。常谷が迎え入れられると、再び常谷の功績が称えられた。
 
その後本学はスリーアウトとなりチェンジ。1点差で9回裏に突入した。ここでサヨナラ負けは避けたい。5番大柳は今年5月22日の春季リーグで、本学との対決ではツーベースヒットを放っているバッターだが、ファウル2回の後、空振りし三振に抑えた。そして6番林はサードゴロ。あとひとつ。7番武田、ストライク、ボール、そして3球目。武田のバットに球が当たった音がした。打球は、ゴロだ。確実に抑えて、ファーストへ送球。スリーアウト、試合は終了した。
 
 
4回表、これまでの三者凡退の流れを破っての先制。4回裏、3失点。しかし失点を増やすことなく8回までを終え、9回表に劇的な大逆転。9回裏で確実にサヨナラ負けを阻止し、激しい戦いを制した。9回まで何が起きるかがわからない、それが野球である。まさにそれをこの試合が教えてくれた。
2024年の秋季Ⅰ部リーグ、本学は2戦目で初白星を飾った。3戦目は8月25日、対大谷大。今後も本学の活躍には目が離せない。(荒井優成)
 

(※選手名は敬称略にて失礼します)


ギャラリー


先発・堀川
坪田と島崎監督
坪田


長内
久保田


長内・久保田のバッテリー
確実な守備
先制


常谷
2人生還、同点に
増田
サードフライを追う常谷
激走ゆえ、帽子が落ちた
試合終了の瞬間
劇的勝利

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