下界(パラレル)5
下界(パラレル)5
毎回とは限りませんが今作はエログロ描写や官能描写を多大に含みますので20才未満の閲覧はご遠慮してくださいね♪
なお現実と烈しく乖離している部分が多いですよ
正確にはシビリアンに乗り込んできたのはあたし達のとってのグランマ、葉類亜希とあたし達の親に該当する『G』、そして叔母にあたる『B』の3人だった。
しかしなんといたらいいのか、何故3人とも臨月間近な妊婦さんみたいなお腹をしているんだろうか?
お腹の大きな亜希がシビリアンのロングシート後ろ、窓際に干瓢で縛り上げられてぶら下げられている寄生体、と言っても体長が25cmの美少女達を見つけるなり急にイヤらしい目つきになって両手の全ての指を使って彼女達の股間や胸を触り始めた。
「なにやっているんですか?」
観萌に真顔で突っ込まれて亜希は慌てて彼女達からその指を離した。
「貴様達下等な性欲まみれの生き物と一緒にするな、私たちは高貴で崇高なフェアリーであるぞ、触るではない」
寄生体達のうちの一体が嫌悪の表情をあからさまにして言いながら亜希の左手、人差し指に唾を吐きかけた。
「これで貴様は私の思うがままだここにいる全員を殺すが良い」
そう言われた亜希は一瞬邪悪な表情を浮かべたけど急に何かを思いついたようにその人差し指を咥えるとぺろぺろ舐めた。
「この程度の経皮浸透薬で私を操ろうなんて甘すぎだよ
そう言いながら亜希は自分のその左手の5本の指を加えてしゃぶると彼女自身の唾液でベトベトに浸した。
そしてその指で自分の人差し指に唾をかけた寄生体をその5本の指で触り巻くってそれに付着していた唾液で彼女の身体をベトベトに濡らした。
するとその寄生体は干瓢で縛り上げられた左手の手首をを自分の股間の割れ目ちゃんに手を伸ばしてその中指を深く潜り込ませながら擦り出して喘ぎ声を出し始めた。
「楽しい?気持ちいいでしょ?」
亜希は嬉しそうに言うが何がそんなに面白いんだろうか?
「ちょっとそれはさすがにやりすぎ」
そう言いかけたあたし、椎を見て亜希は嬉しそうに笑っていた、と思ったら案外そうでもなかった。
「いい?こいつらのせいで自分達の性感帯どころか思考まで操られて不本意な性犯罪や望まない犯罪を犯している子達が数えきれないほどいるんだよ、そんなの許せる?」
しかし本来は生殖機能はあってもあくまでも雌雄同体としてのものであって人間のそれとは大きく異なるはず。
「だから彼女達にその生殖行為とは異なる快楽ってものを教えてあげようかと思ってね」
亜希はそう言ったけど『男性』という概念がない彼女達にそんなことが理解できるとでも
「それにたったの一体だけに自慰行為を教えたとしても・・・」
なんの意味があるのか?と言いかけた時、亜希は邪悪な笑みを浮かべながら言った。
「確かこいつら全員リンクしているんだよね」
亜希にそう言われて他の寄生体を見たら全員、いや全寄生体が顔を赤らめて息を激しく乱しながら喘ぎ声を出していた。
「あの、亜希さん、ということは世界中に散らばっている数億体の寄生体もほとんどが一生懸命にマスターベーションをしているということですか?」
『かなえ』が言いにくそうに聞いた。
「こいつら、私たち人類の男と女の違いや特性なんかも寄生している間に調べ尽くしているみたいだし、もしかしたら人間の女性とほぼ似たような身体のつくりをしている可能性も考えたんだけどその予想は当たったみたいだね」
亜希がそういうと観萌は自分の黒い大きなカバンを引っ張り出してきて開くと小さな冷凍ボックスの中からゴムキャップがはめられた30ccくらいの試験管を5、6本取り出した。
「常温になるまでちょっと待たないとダメですね」
観萌がそう言うと亜希は冷酷な眼差しで言った。
「それ、誰の精液か知らないけどその妖精ちゃんの割れ目ちゃんの穴に直接スポイトで入れる気でしょ?別に半解凍でもいいんじゃない」
それを聞いて『かなえ』も『あつこ』も声を揃えて言った。
「その容赦ない鬼畜さ、まさしく亜希そのものだわ」
日本列島崩壊計画
「これに関しては身内の倶名尚愛から応援のビデオメッセージがあるからそれ観てから話すね」
亜希は言いながらノートパソコンの光学ディスクトレイを開いてDVDディスクをセットするとローディングさせた数十秒後に画面が映し出されて胸まで黒いストレートヘアを伸ばしたブレザー制服を着た少女が映し出された。
「はーい愛ですよ?あたしの事はみんな国会中継とかで観たことがあるから知っているよね!」
疑問符はついていなかった。知っているのが当然と言いたげだ。
それを聞いた途端にここにいるほぼ全員が声を揃えて叫んだ。
「確か、泣き叫ぶ女子中学生の顔面を左手でいきなり鷲掴みにしてそのまま壁に叩きつけて気を失ったところをサバイバルナイフで心臓をひと突きにしたサディスティックなJK国会議員」
「ちゃうわ!」
画面の中の愛が叫んだ。聞こえたんだろうか?
「まああんたらは3月の時点ではそんな情報は知り得ないんだけどどこまで時空が歪んでいるのかしらね」
それから愛はしばらく考え込んだのちに思い切ったかのように語り出した。
「少しまとめてみると本来の時間線に沿った事実はこうなのね」
10月 3日 アイドルを探すプロジェクトメンバー13人内定
10日 カレンダー作成のために写真撮影開始
15日 大手芸能事務所社長による引き抜き工作始まる
18日 ほとんどのメンバーの洗脳(寄生体の種づけ完了
25日 楓山有希に対する集団性的暴行と事故死
26日 この時点で少女E が行方不明、
しかし社長達は隠す
11月 02日 政治家や著名人にハニートラップを仕掛けて
メンバーによる寄生体の種付けを開始する。
05日 カレンダーには少女Eの画像を使用、
希かなえの写真をあえて外す
(『こじろう学園』『さぬきがわ学園』事件解決
しかし非公開となる )
12月 「少女E」再び出社、しかし社長との定期連絡(性的行為)
を拒否彼女の胎の中に寄生体の存在を確認できない
再度、寄生体の種付けをする
1月 2日 再度種付け失敗、少女Eは自らを楓山由紀と言う
15日 社長自ら再々度、寄生体の種付けをする。
31日 またしても失敗、それどころか妊娠させてしまう
2月 日 拉致し性的暴行現場を録画、精神的に壊した上に
トレーラーで轢き潰す、亜希が有希と一緒に拾う
仮想空間で社長達に宣戦布告
3月 某野党議員を貶める画作成、社長娘役のA〜Cは反発、
野党議員役のエロ教師に惨殺されるこの時エロ教師、
Cの反撃を受け陰茎を根本からナイフで切り落される
4月 大手芸能事務所にクライアントから衆議院議員である
山崎秋子と倶名尚愛を貶める動画作成の依頼がある
相殺しで本間咲と加藤麻子を除く全てのメンバーを失う
5月 7日 死んだ筈の楓山有希がショートカット
姿で『由紀』を名乗り登校を始める、
社長はエロ教師に始末を命じるがまんまと
逃げられる
8日 加藤麻子に惨殺された筈の希かなえも登校
由紀も食わぬ顔で普通に登校
エロ教師が制裁の意味も込めて希かなえ
を由紀と同様に陵辱瀕死の重症を負わせる
しかし有希に由紀と共に強奪される
「つまりは最初の時間線だと今現在、3月の半ば時点ではあたし、倶名尚愛と山崎秋子の2人が女子中学生を虐殺したり陵辱行為を行うムービーがネット上にばら撒かれるのは早くとも4月に入ってから、今はまだ観られないはずだった」
「5月の時点で彼女たち、寄生体は計画の失敗に気がついた、それで本来なら九月から実行するはずだった計画を早めた、時間を1月末まで遡らせてミミズメカを使って手始めに近隣大国や諸国の軍事施設や原子力発電施設を襲撃させた、そしてこいつらに操られたこの国の政治家達はそれでは物足りず、それらの国の主要都市に核弾道ミサイルなど大量破壊兵器や司令室があると決めつけてそれらの大都市もミミズメカの攻撃対象として壊滅させて多くの罪のない人たちの命を奪った」
「まるで他人事のようだな?」
月海がボソリと呟いた。
「他人事に聞こえるかもしれないけど事実そうだから仕方がない、この周辺の国の人々や政治をヘイトしていたこの国の少なくはない国民のほとんどがまさか次は自分達、いわば善良な愛國者の身に降りかかってくるとは思ってもいなかったと思うよ」
画面の愛は月海の声が聞こえていたかのように続けた。
「数百機存在するミミズメカは20個の円筒に近いパーツで構成されていて男女一対ずつの寄生体を孕まされた少年少女が深く交尾した状態で培養液で満たされた円筒のガラスケーの中に閉じ込められていたんよ」
「彼ら彼女達は寄生体に命じられるままに地中深くを毎分数十Kmの速度で移動して突然に都市や街を襲撃して市民や観光客をその直径30mもある口に吸い込んでミンチに変えてしまった、それを見た3対のアベックが寄生体の支配を拒絶して暴走を始めて日本の原子力発電所を襲撃し始めていたよ」
「それでどうなったんですか」と月海。
「暴走したミミズメカは3機、1機は北九州にある原子力発電所、福井に向かった機体は原子力発電所銀座を襲撃して、もう1機は静岡の富士火山帯に向かったんよ」
「北九州と福井は原子力発電所があるからまだわかるとしてもうひとつはどうして3つめが浜岡じゃなくて富士火山帯なんだ?」と再び月海。
彼女は身長が170cm近くと高くてグラマスな体型だけど性格はどちらかと言うと攻撃的で同じく170cmを余裕で超えている観萌とは対照的だ。
もっともふたりの違いはそれだけに留まらず、月海が男勝りな馬鹿力であるばかりか12t級重量物を音速22以上で飛ばすこともできる念動力を持っている。
対して観萌は大学病院の准教授クラスの医療知識と技術を持ち合わせているらしいのだが彼女は他のメンバー8人と同様13才の少女であるが故にちゃんとした資格なんて持っているはずがない。
それは卓越した頭脳の情報処理能力が関与しているのだけど彼女の特性の一つでもある考えをまとめるよりも早く行動に移してしまうので側から見たら天然ぽく見える。
それと関係するけどもう一つ、彼女にはもうひとつの特技があって死という概念さえ意味を失うほどの強力な肉体の自己修復機能を持っている。
『あつこ』と『かなえ』のふたりを佐世保署で引き受けた時大型拳銃で頭を撃ち抜かれて後頭部を半分以上吹き飛ばされたにも関わらず数分で生き返ったのはそのためでもある。
「彼らは軟国や竹国での任務を途中放棄してきてエネルギー不足になっていたからウランやらプルトニウム混合燃料のある原発施設を襲うのはともかくとして何故富士火山帯を狙ったんだ?」
月海は言いながら試験管の中の精液の溶け具合を見ていた。
「確かに最後の1機が不可解なんだよね、藤枝原子力発電所に目もくれずに富士火山帯に向かっていたらしい」
「らしいとは?」
花奈が訊いた。
「行方不明となって機体のチェックができなかったので調べられなかったんです」
観萌がそこまで言って慌てて両手で口を塞いだ。
『かなえ』『あつこ』のふたりがそれを奇妙な目で見た。
「突然、小田原から浜松にかけて巨大地震が襲った、あたしはたまたま乗り合わせていた中央リニア新幹線の車内に閉じ込められて藤枝から富士川にかけていくつかの火山口が発生して噴火を始めた、フル稼働していた浜岡原発は非常停止も間に合わなかったまま冷却手段を失ってメルトダウンを起こした、そして富士山はカルデラ噴火を起こして箱根山もそれに続いた」
「それはひと月前、2月の出来事でしょ?現実には何も起きていないじゃないですか?」
金髪爆発ヘアの月輪、こと文月輪が言った。
「ちょっと待ってね、その件については後でおいおい話すから、まず若狭湾周辺の原子力発電所がそのコントロールを失ったミミズメカに次々と襲撃されて本州の中央が全て放射性物質に汚染されてしまった、それだけじゃなくて北九州に向かった別の機体に玄海原子力発電所も襲撃されて破壊されて日本には既に人が住める場所はなくなってしまった」
画面上の愛はそこまで言うと素梅置いてあったコーラの2Lペットボトルの栓を開けてガブ飲みをし始めた。
「細かい事はめんどくさいから省くけどそのミミズメカの元凶になっていた元となるメカが北海道の森林の中で昨年の夏に、えーと美少女妖精達に見つかった、そして彼女達は優秀な科学者や軍事兵器製造業者の技術者達を操って『日本が他国を先制攻撃をするための兵器』、ミミズメカを開発した、それを奴らに見つけられる前に爆破してそのミミズメカ自体を作れなくして、それが今あんた達8人とあなた達が知っているお腹の大きくない亜希がいる世界なんだけど」
画面上のの愛が言うと何故か観萌は視線を逸らした。
「知っているくせに」
これまたボソッとお腹の大きな亜希が言った。
「どうせみんなの噂になっているから言っとくけどそこにいる3人のお腹が大きいのは胎の中にひとりあたり3,000万人以上の肉体を失った人たちが入っているからね」
「それは確かなんだけど何故それに失敗した時間軸に今私たちがいるのかというのが問題なわけですね?」
観萌はボソッと言うと試験管のゴムキャップを抜くとスポイトを差し込んでほとんど吸い上げた。
「妖精さん、これから股を開いてもらってたっぷりと人間の男さんの精液をその小さな穴に注入しますからね、その前に質問しますけど真摯に答えないとどんどん注入しますからね、スポイトで穴は塞がっているので卵を外には出せないですよ?」
観萌は精液をたっぷりと30ccほど吸い込ませたスポイトを妖精、いや寄生体の股間の割れ目に差し込んですぐに膜で隠された穴を探し当てて深く差し込んだ。
「この先、数ヶ月後日本中で稼働を始めた原子力発電所の原子炉が暴走を始めてメルトダウンや水素爆発を起こしているのは何故かしら?」
「そんなのわかるわけないじゃない、未来の出来事でしょ?」
その妖精は必死に足をジタバタさせて暴れて抵抗したが顔を紅葉させて息を荒げだしていた。
「じゃあとりあえず5ccくらいから始めましょうか?」
冷ややかに微笑みながら観萌はスポイトゴムを挟んだ親指と人差し指に軽く圧力をかけた。
「やめてぇ〜!」
その寄生体は身をよじらせながら叫んだ。
たかが5ccとはいえ彼女たちにとっては人間換算で25ccをゆうに超える。
二発分以上入れられた感じなの・・・・・かな?
私達はまだ中学生で年ははまだ13才だからそんな経験は普通ならないはずなんだけどあいつ、加世、こと秋種加世の策略で両手で数えきれないほど体験させられている。
それは決して誉められた行為ではないことくらいわかるがそれ以上に痛感させられたのは慣れれば気持ち良くなれると言うのは今のところ実感したことがない。
むしろ重労働をさせられた感じしか残らない。
ただあたしがガキなだけなのかもしれない。
「お腹の中の卵ちゃん、今ので1.2倍の大きさになりましたね」
透視能力を持つ文月輪がつぶやいた。
「どうやって北海道の見本となる異世界から来た原初ミミズメカ無しで高性能ミミズメカを開発出来たのか教えないと今度は10ccくらい注入させて頂きますよ」
観萌はスポイトをさらに深く差し込むと残逆な笑みを浮かべた。
はっきり言って今日の観萌は加世よりもサディスティックにしか見えない。
「いくら意識はリンクしていると言っても世界中の仲間たちのお腹の中の卵が大きくなるわけじゃないですからね、そんな脅しに乗るもんですか!」
語気を荒げて、彼女、妖精、いや、その寄生体が言うと顔を背けた。
観萌がスポイトゴムをつかんでいる親指と人差し指に力を入れるとスポイトの中の液体が勢いよく寄生体の腹の中に流れ込んだ。
絶叫にも近い喘ぎ声を撒き散らしながら彼女はのたうち回った。
あたしもおじさんに入れられていた時はこんな感じだったのかもしれない。
もちろんそれはあたしが望んだことではなくて加世が仕組んだ罠に嵌められてのことだったが。
どうやらあたしの願望実現達成能力は強制的に無効化されてしまう傾向にあるらしい。
それでも運悪く妊娠してしまうことは一度もなかったが。
「卵が胎芽に近い形になって大きさも2倍になったみたい」
淡々と月輪が言ったが寄生体のお腹もパンパンに膨れ上がって彼女の顔も苦痛に歪んでいた。
「このまま膨れ上がるとあなたの体はやがて破裂して死に至るわね、そしてその苦痛と痛みは世界中の仲間たちに共有されてしまう事を忘れないでね」
『女って怖い』
もしこの場に風間達也刑事がいたらそう言っていたことだろう。
でもあたしに言わせればそんなこと言われる筋合いじゃない。
痛気持ち良いでことが済めば警察は要らないんですよ。
「これが最後通告ですよ?残りの15ccぶっ込みますよ?」
観萌がキレ気味に言った。
人間換算で合計500ccはあるかもしれない。
「わかったわよ、言うからもう入れないで!」
寄生体、いや、見た目は妖精なんだけど
「さとみって人間の女に教えられたのよ、実は北海道のは破壊されたけど実はもう1機存在するって」
それを聞いて亜希と『B』『G』の顔色が変わった。
「あいつ、裏切ったな」
そう叫んだのは『G』だった。
「どう言うことですか?」
何故か観萌が『G』に訊き返していた。
「そう言われれば確かさとみは由紀と有希は異世界から転移してきたミミズメカはこれ1機だけと言っていたはずだった、それがどうして?」
亜希が首を傾げて言った。
「嘘ついてないわよね?」
何故か観萌はそう言いながらスポイトゴムを日本の指で押し切った。
「まあウソは言っていないみたいだけどどうして?」
亜希が観萌に聞いた。
妖精のお腹が破裂寸前までに大きく膨れ上がったが観萌は同時に彼女の大事な穴からスポイトを引き抜いていた。
と同時にその穴から濁った液体が勢いよく噴き出してしていた。
「安心して、それは精液なんかじゃなくてただの乳酸飲料だから」
観萌はそう言うと深くため息をついて言った。
「まあ先手を打たれてもう一つのルートを作られたということかしらね」
結論
「そういえば私たち、偽物の『さとみ』の存在を忘れていた」
お腹の大きな亜希と『B』『G』が声をそろえて行った。
「あの異世界から来たミミズメカの中で消し去った筈の偽さとみが実は時間移動て時代を枝分かれをさせたとしたら」
『G』が言った。だがそれはすぐに亜希が否定した。
「こいつさっき『実はもう1機存在する』とか言われていなかったか?」
うん確かにあたしの耳にもそう聞こえていた。
「おそらくは私たち達がミミズメカを見つける前に戻り可能な限ります写真や動画の資料を揃えてそれを元に開発した可能性はありますね」
『B』はそう言ったがやはりその考え方には無理がありそうだった。
「その『さとみ』さんって人ですがどんな人ですか?」
観萌がからになった試験管とスポイトをカバンに仕舞いながら言った。
「白々しい」とぼっそり亜希が呟く。
「何か言いましたか?」
と観萌、そしてシビリアンの天井を見上げて続けた。
「妊婦さん達、今の世界は前の世界との違いはありますか?」
「だから白々しいってさっきから言っているでしょ、あんたほんとは・・・」
そこまで言いかけた妊婦亜希の口を観萌が塞いだ。
「どうしたんですか?」
とかなえ。
「あ、何でもないから、それよりも貴方達は今から何ヶ月先から避難してきたんすか?」
やはり観萌は何かを隠して誤魔化しているように以下思えない。
「富士山や三原山などのカルデラ噴火が9月、阿蘇山と桜島などの九州の火山のカルデラ噴火が10月それに伴う東北大震災、南海トラフ地震により日本の54基ある原子力発電所が全てメルトダウン、その元凶が約半年前の今にあると時間を遡ってきたわけです」
『B』が言うとその場に崩れるように仰向けになって倒れた。
続けて『G』も妊婦亜希も同様にして倒れた。
「放射線が限界まで体内に蓄積されているようね」
「どう言う事?」あたしは聞いた。
「花奈は九州を旅している間にとてつもなく恐ろしい夢を見たって言っていたでしょ?それがこれからこの世界で現実に起きると言う事なのよ」
観萌はそう言うとシビリアンの運転席に座りイングニッションキーを回した。
「どこに行く気だい」と月海。
「もちろんすべての元凶の町、小田井市に向かって」そう言った観萌はまるで別人にしか見えなかった。
下界(パラレル)5 終わり
下界(パラレル)6合流に続くー
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?