下界(パラレル)4
下界(パラレル)4
毎回とは限りませんが今作はエログロ描写や官能描写を多大に含みますので20才未満の閲覧はご遠慮してくださいね♪
なお現実と烈しく乖離している部分が多いですよ
前哨
ちょっと、というか世界観がかなりカオスになってきたので、あたし、椎、こと可奈野椎がテキトーに、ホントーにテキトーにまとめたいと思います。
ちなみに当作品は宗教作品ではありませんので『神』なる登場キャラが出ても人類を良い方向に導くとは限らないし、逆に『悪魔』やら『サタン』なるものが出ても人類及び人を邪な欲望で煽り立てて破滅に向かわせるような邪悪な存在になるとは限らないことを断っておきますね。
まあ神さま、及び天使、悪魔を問わずエロいハニートラップとか仕掛けて来るのはアリとしましょう。
さあみなさん、箱ティッシュを二、三箱用意してシコる準備をしてスタン張ってくださいね(冗談です)
さてさて、あたし達が今住んでいる地球という惑星、どうやって出来たかというと諸説あります。
神様がシコって飛び散った精液がイクセン、幾マンコの銀河となり、その端っこに恒星系が出来て太陽系になった説。
神様がオムレツをいくつも作ろうとしてそれが失敗して爆発して今の宇宙となりその一粒が地球になった説とか色々あったとしましょう。
とりあえず何やらかんやらあって今の地球は太陽という恒星を中心として回る九つ、だっけ?八つだったかな?数あるその恒星の周りを回る惑星の内の内側から3番目の惑星に寄生することになった『多重意識エネルギー体』があるとします。
その精神集合体が地球の重力により様々な形の生物に物体化して、最初は原初生物だったものがやがてプランクトンなどなど水の中の生き物だったものが陸に上がって恐竜などになり様々な生物に変化して今の生態系になった説とかありますよね?知らんけど。
さて本題はここからでかなり怪しい説になるのですが人を始めとする生物は死んだらどうなるのかどうか?ですよね?
まあ大まかに言ってそのひとつは死んだらはいそれまでよ説。
まあぶっちゃけ死後の世界なんてねーよ、という考え方ですがそれに対する考え方として死後の世界は存在してなんらかの別の生き物に転生するという説があるんですね。
しかし実際にはそのふたつだけかというとそうでもなくてその中でも転生説は様々な解釈があって宗教、宗派によっていく通り、いやそれどころか幾千のもの解釈に別れちゃったりするわけ。
まあ早い話しが無条件に他の生き物に転生しちゃう説から「あんた地獄に落ちるわよ」的に問答無用に地獄に落とされる説から裁判所みたいなものがあってそこで天国行きになるか、地獄行きになるか振り分けられる説もあったり、みたいな?
その地獄の基準も宗教、宗派によっては実に曖昧でなぜかウソをついたことが1番の重罪でそれに妬みや殺傷などが加わると数十年どころか数万年、数億年も拷問されることもあるそうな?
いやいやそんなに地獄で拷問を受けていたら晴れて地獄を出所した(転生した)頃には人類どころか地球自体が終わっているでしょうがと皆さん突っ込みたくなるでしょうがなんせ「五十六億七千万年後にに弥勒菩薩さまのお救済がある、なんて言い出すトンデモ宗教があるくらいですから細かいことは気にしたら負けの世界だよ?
まあ地獄にーとかサタンに〜犯されるとか言えばホイホイ騙されて超高額な壺とか力石(パワーストーン)と名乗る数珠やイミフな教典を買わされてもホイホイついてくる信者が多い世界だからこの商売、一度始めたらやめられないよね。
でよくあるのが「今の生き方が苦しいのは前世での行いが悪いせいとか、重罪を犯したせい」とかいう屁理屈があったりして、そんなん覚えている人いますか?って話しなんだけどそこにつけ込むのがカルト宗教というわけね。
現世での悪い行いや怠惰のせいで今のあなたは苦しんでいる、って言われたら「はあなるほど」と思うだろうけど「前世の報いのせいであなたは今苦しんでいる」なんて言われたら「はぁ?」となるはずなんだけど追い詰められた人ほどその考えに騙されやすくなっていてそういったカルト宗教にハマってしまう原因だろうね。
もっとも最悪、子供の頃に蜘蛛を殺したの罰だなんて言い出すおかしなのもあるから要注意だよね。
ちなみに真っ当な仏教だと仏界?で勤めをちゃんと終えないと転生できない仕様になっているらしいから「前世ガー」とか言い出した時点で仏教を騙るエセカルト宗教と判断していいとおもうよ。
あ、ごめん、話しが思いっきりズレちゃったね。
それでよくある、一見まともそうな「死後の世界なんてない、転生なんてあり得ないから死んだらそれまでよ」説なんだけど色々考察していくとこれもイロイロとコワイ側面を持っているって話しなんだよね。
まずは死んだらどうなるか?以前に生まれたらどうなるのかって問題だよね?
突然、何もないところから始まるの?って感じだけどお母さんのお腹の中でほんの少しずつ意識が芽生えるという考え方も出来る。
取り敢えずは保留としておこうかな?
では人(生物)は死んだらどうなるのだろうか?
これもちょっと考え出すとコワイ側面があってほとんどの「死んだらそれまでよ」説を信じている人たちがあえて目を逸らしているところでもあるんだ。
けれど生物(特に人間)は死ぬ事により脳波も停止して何も考えられない虚無の状態が永久に続くって事なんだけどそれは意識の上ではどうなんだろうね?
これはある意味で「地上は平面」説と同じ側面を持っていてテレビゲームみたいにマップのない世界を延々と進み続けさせられるという考え方と強制的に死の直前まで巻き戻させられる説、ふた通り考えられるんだけど実はどっちを取っても地獄だよね。って話しなんだ。
例えばあるサラリーマンが通り魔に心臓をナイフでひと突きに刺されて死亡したとする、それでその人の意識の中でその人生はどのようにして終わるのか?という話しなんだけど前者にしても後者にしても刺された痛みが未来永劫に続くというのが問題なわけ。
前者は真っ白な世界の中でなぜ痛いのかわからないままの状態が続くわけだけど、問題は後者なんだ、彼は何度も自分が殺されるシーンをプレイバックして体験させられる事になるから大変だよね!
でも「死んだらそれまでよ」説にも結構救いのある考察もできて、それは時間も地球や宇宙と同様に閉じていて実はループしているという考え方ね。
つまり人は死ぬと意識は無くなるけどループした時間に従い再び生まれる前、お母さんのお腹の中に戻るという考え方なのよ。
これならば記憶もほとんど消えるし死後の世界なんてほとんど存在しないに等しくまた人生を最初からやり直すだけで別に生まれ変わりでもなんでもない。
しかも人生にありがちな既視感も説明がついちゃうというおまけ付きだよ。めでたしめでたしだよね。
エンドレスライフばんざーい!なんてね。
でもそこで終わってしまったら考察的には実にもったいないって気もするよね?
そのループ(円)なんだけどそれは本当に平面に描いた円なのか?という話し、もしも球体なら生まれた時間に戻ってきた時に実は横に少しズレていました。
そんな考え方も出来るわけでそうなると次の人生は一種のパラレルワールド的な世界観になる。
もしその時間軸の世界がそれまでに体験した世界と大きく異なる世界(人生)だったら?
これだって広い考え方ではある意味で生まれ変わり、転生とも言えるかも知れない。
と長々とおしゃべりしてきたけどこれからあたしがいう事はそれらさえぶっ壊してしまうほどはちゃはちゃな屁理屈なんだけど覚悟してね。
基本的にはあたし達が住んでいる地球という惑星は死後の世界あり、転生もありなんて出鱈目な世界の話だって事を覚えておいてね。
それどころかついさっき死んだばかりの登場人物が速攻で転生したり生き返ったりしちゃう世界だからね。
さぬきがわ事件(再会) その後
ついさっき『さぬきがわ学園』事件に関するグランマ(葉類亜希)の事件捜査に協力して事件を解決して、それから独自に色々と調査をしてから帰ってきた『かなえ』と『あつこ』によるとどうやらこの世界での地球上における生物の発生にはこの地球自体に寄生した『多重意識エネルギー体』とも言える存在が関与しているらしい。
時間で言えば『さぬきがわ学園』事件から3ヶ月ほど経過していることになっている。
もちろんあたし達だってこの3ヶ月もの長い間ボーっとマスかいていたわけじゃないしVRオンラインゲームにハマっていたわけじゃないよ?
あたしはこのシビリアンの乗っているメンバー中でも特筆すべき大バカなのでうまく説明できないけど要するに彼らは自らを『神』と名乗っても良いほどのクソでかいエネルギーと思考能力を持ちながらあえて地球上の生物、特に人類の進化には干渉してこなかった、という事らしい。
確かに干渉はしてこなかった、ここ重要。
「干渉してきたのはあたし達人類を含むこの星の生物の方だったよ」
と『あつこ』や『かなえ』達は事件で結論づけたらしい。
あたし達はこの地球上で生命として生まれて、個々の生命体としてこの世に誕生(胎芽期からも含めて)した時から『多重意識エネルギー体』から相応のエネルギーを奪い取ってきたという事らしい。
「他の今の動植物の数を含めても現代レベルの人類を数百兆人(匹、本)反映させても問題はないレベルのエネルギー量をその『多重意識エネルギー体』は所有しているらしい。
しかしここ千年足らずの間にそれまでの余裕を吹っ飛ばすような出来事が起きてしまったらしい。
「それがこの小人サイズの美少女達というわけだね」
それぞれ干瓢でグルグル巻きにして縛り上げられつつもジタバタと暴れている彼女達を両手に2体ずつぶら下げながら月海が言った。
「こいつらが一体でどうも人間の100人分以上のエネルギーを『多重意識エネルギー体』から奪い取っていて既にこいつらの個体が彼らに言わせると数億人以上の人間の身体の中に寄生しているらしくてさらに絶賛大増殖中らしい」
『あつこ』はそういうと深くため息をついた。
世界の人口80億人としてその一人一人に一体ずつ寄生したとしても人間1兆人分くらいのエネルギーにしかならないからさほど問題にならないのでは?」
香織はそう言って『あつこ』の危機感を否定しようとしたが問題はそんなに簡単なものじゃないらしい。
『かなえ』が自分のカバンの中からノートパソコンを取り出すとスリープ状態を解除させた。
次々とウインドウが開いてゆき最後に画面のど真ん中に画面の8割を占めると思われる大きなウインドウが開いた。
左側に男性と思われるワイヤーフレーム形式の3Dモデルとその反対の右側にも同様に女性と思われるワイヤーフレーム形式の3Dモデルが互いに向かい合わせになるように表示された。
左の男性側は白い背景の上に青い線で描写されていたが右の女性側は赤い線で描写されていた。
「どちらも素っ裸に見えますけど『あつこ』さんも『かなえ』さんも欲求不満ですか?これからふたりは合体をしてエッチをするのですか?」
言いにくいことを銀ちゃんが突っ込んでくれた。
実際に画面上のふたりは双方歩み寄ると男側の3Dモデルが女性側の3Dモデルの片足を持ち上げると身体の一部を女性側の3Dモデルの股間に差し込んで下腹部深くまで挿入している様子が克明に映し出された。
「欲求不満も何も保健体育で習ったことでしょう?」
すました顔をして香織は言いながら2本の指を画面に当てるとその幅を広げて結合部分をズームアップさせた。
女性側の赤い線で女性側の生殖器、膣や子宮がズームアップされてその膣内に深く潜り込んでいる男性特有の生殖器、いわゆる陰茎が青い線で表示されて一部重なり紫色の線になっていた。
その先端、いわゆる亀頭部が子宮口に触れて黄色いギザギザの線を表示していた。
「えーとこれはなんとかスポットとかいうのを刺激しているだけの描写で女性側が感じて興奮状態になっているだけなのでここではスルーしてください」
『かなえ』は少し恥ずかしげに言うとすぐに話を切り替えた。
画面の男性性器の亀頭部、先端から灰色の噴出物が噴き出しながら陰茎が一旦少し引き抜かれ、膣内をその液体で充した。再び陰茎が膣の奥に突っ込まれるとその液体は行き場を失い、子宮口から子宮内に押し込まれた。
再び陰茎は亀頭の先頭から灰色の噴出物を噴き出しながら引き抜かれ膣内を満たす。
再び陰茎が膣の奥まで挿入されてその液体を子宮内に押し込む。
基本的にその繰り返しで噴出物がでなくなった時点で陰茎は動きを止めて萎み始める。
「えーと、これが通常の子作りにおける双方の生殖器におけるシミュレーションだけど、問題はこのあとなのよ」
画面上の女性モデルが男性モデルに強く抱きついた。
「ここで男女の通常における性交ならここで行為は終わる、しかし寄生体にとってはこれは始まりにすぎない」
その後の画像を見続けながら銀は「きも!」と言った。
萎み始めた男性性器である陰茎の亀頭の先からグリーンのワイヤーフレームで表示された何やら人形のようなものが飛び出すとその頭を女性の子宮口に突っ込んで彼女の子宮内に入り込んでしまった。
そしてその子宮内に満たされていた液体、精液を飲み干すとしばらくして股間から小さな丸い卵のようなものを産み落とした。
そして再び子宮口から頭を出すと男性性器の亀頭の割れ目に頭から潜り込んで潜り込んで中に入るとしばらくして再び亀頭の割れ目から頭を出した。
「その卵はあたかも人間の卵子のように一つだけの精子の侵入を受け入れると人間の受精卵のように子宮内膜に着床して、とはいえその時の彼女らは子宮自体を乗っ取るかのように一体化をする、それは子孫繁栄だけが目的ではなくこれから数十年に渡って宿主の意識と思考をコントロールして様々な工作活動を行わせる、それゆえに彼女達寄生体達に寄生されている男性は大人の女性よりもまだこれから生きる時間の長い、未成熟な若くて生殖器の幼い、かつ性的衝動に振り回されやすい10代を過ぎたばかりの少女達を狙うわけです」
「画面上の男は再び少女の片足を上げて彼女の膣内に陰茎を差し込むと腰を振りながら亀頭から放出した精液を陰茎のピストン運動によって少女の子宮内に送り込む、それは本来なら卵管を通って卵巣から出てきた卵子を受精させるのだがその精子の大半が子宮内膜の受精卵に吸収されてゆく、そしてそれを繰り返してゆくうちにその受精卵は胎芽となりやがて熟成した寄生体美少女に成長しながら子宮膜から半身を出して寄生主である少女の意識を操り彼女達に男の性を求めるように直接脳に働きかける」
そこで一旦映像を停めた『かなえ』はみんなの顔を見回して言った。
「まず、この生物、寄生体は人間の女性胎内、いわゆる子宮内で増殖します、彼女達の栄養源は人間の男性が放出する精液に大量に含まれる精子、それを精液ごと食して彼女達の腹に収めて生命活動や成長の栄養源とします」
「センセー、質問、それだと定期的に宿主である女性が定期的にエッチしないとその小さなメスガキは飢え死にしますよね」
珍しく花奈が挙手をして発言した。
「そ、だからこいつに寄生された女性、少女は『常に男を誘惑したり、パパ活を始めたりする』ことになる、でもそれよりも重要なのはそれを繰り返すことにより彼女達の子宮内で自分達の子宮内に卵正確にはこれも一種の卵子と言って良いかどうかは決めかねるけど産み落とす、そこにその女性が付き合っている男性の精子が流れ込んでくるとどうなるのか?」
『かなえ』はそういうと再び画面を見つめながら続けた。
彼女ら寄生体は少女達の子宮内膜から前半身を出してその卵を抱き続けています、そこに流れ込んできた精子によって受精して胎芽となってやがて成長してもう一体の彼女達、寄生体が母親と言うべき寄生体の腕の中で育って成体の寄生体になるわけですよ」
「でもそれだとその少女の子宮内で無限に増えることになりませんか?」
『かなえ』の説に疑問を持った月輪が質問をした。
「だからこそ、彼女達は寄生主である少女を操ってまだ寄生体を植え込まれていない男や少年を探し出して誘惑して性行為を通してそれを寄生させます」
「どうやって?」
月海が口を挟んだ。
いくらハニートラップを仕掛けたとことで子供みたいな少年でも用心をして近寄らないんじゃないのか?」
その意見はもっともだとあたし、椎も考えていた。
「そうね、でも男の人を落とすことなんて意外と簡単かもしれないですね」
香織が話に参加してきた。
「そうやって少女の胎内に新たに増えた仲間を男性との性交の最中に相手の亀頭の先から潜り込ませて陰茎内に寄生させるということね、それで男性の体内では増殖できない、だから男性に寄生した寄生体は少々乱暴な手段を使ってでも少女を襲い強制性交を行ってさっき説明したとおりに相手少女の胎内に卵を植え付けて受精させると」
「例えば皮膚から特殊な汗を流したり、ちょっとした隙に彼の唇を奪い媚薬を含んだ唾液を流し込んだり、それで男性や少年の性欲を掻き立てて、そうやって自分達の支配下に置いた人間を増やすことが目的なのじゃないかしら?」
「何のために」
銀が問いかける。
「まあカルト宗教的な面もあるのかもね、それと自分達をさらに増やすためには人間達に子作りに励んでもらわないとね」と『あつこ』
「なるほどね、そのためには人間達のありとあらゆる性犯罪も誘発させる必要があると、一人一人がどんなに貧困であろうが意識をコントロールしているのだから彼ら、特に少女達は男を誘惑して子作りに励むと、しかしそれでも育てられなければ意味がないのではないんじゃないのか?」
「もしその子達一人一人の中に一体の寄生体が宿っているとしたら?それにより特殊な能力、例えば獣の肉、犬や猫、鳥を生で食べても生きて成長できるような機能が加えられたとしたら?いえそれどころか無機質なものでさえ栄養源とできるような人類が発生するとしたら?」
銀の問いに『かなえ』は答えた。
「自分達種族繁栄のために人間の性欲を利用しているということ?でもそれって単に自分達が増えるだけじゃ?」
加世は疑問を呈した」
「よく考えて?この世界は少子高齢化が進んでいる、でもそれを額面通りに受け取って良いのかな?それは戸籍などに存在している人間の数であって彼女達寄生体が生み出した若い世代はどんどん増えている、さっき獣の肉を食すると言ったけどもしその中に自分達が寄生している同族の少年少女の肉も含まれると言ったら?」
『かなえ』の問いに月輪は「それは単なる共食い」と答えた。
「それは後に置いておくとしてじつはあたし、『かなえ』と『あつこ』もそれに寄生されていて佐世保署に逮捕されるまでに数えきれないほどのミッションをこなされていたんだけどその大半が政治家の暗殺やハニートラップ関係だったんですが」
『かなえ』はそういうとノートパソコンに別のウインドウを開いて自分が関わってきた。
主に政治家や学者をはじめとする言論人だったが政治家に関しては7:3の割合で与党の政治家が多かった。
「特に与党の政治家を狙っていたというわけじゃなくて野党議員側の方がガードが固かったのと与党側の政治家に紹介してくれるツテが多かったというだけの話だったようですよ」
「まあ私にもハニートラップの話がなかったわけじゃないけど都合の悪い政治家のサバ〆(暗殺)が多かった、まあ私自身の性的な魅力に乏しかったというのがそういった仕事が回ってこなかった理由なんだけど」
『かなえ』に続いて『あつこ』が言った。
「それでコイツらはそんな政治とかに深く関係する大物達に寄生して何をする気だったのかな?」
銀が疑問を投げかけた。
「少なくともあたしは大臣クラスの男と両手では数えきれないほど寝たし、その身体の中に寄生体達の分身を植え込んできた」
『かなえ』が言うと『あつこ』は別のウインドウを開いて15人くらいのリストアップされた表を映し出した。
大物の野党議員だった人もいれば政治活動をしていた人物、民主主義を広めようとしていた学者や報道関係者もいた。
それらがなぜ『いた』と言うのはみんな全て過去に謎の不審死を遂げて今は亡き者達だったからだ。
「あーあ、今ここに拷問のスペシャリスト、葉類亜希がいればよかったのに、こんな小人の口から真の目的を吐かせることなんてわけもないよ」
あたし、椎が言うと『あつこ』も『かなえ』も驚いた顔をして言った。
「その人なら確かついさっきまで私たちと『さぬきがわ学園』で行動を共にしていたはず、どうして貴方達が知っている?」
その時シビリアンの観音開きのリアドアが開いて観萌が乗り込んできた。
用事は済んだのだろうか?髪の毛は肩までで毛根から毛先までレインボーに色がグラデーションに輝いていた。
もしかしたらまた何回か殺されかけたのかもしれない。
そして彼女の右手と左手にはそれぞれ干瓢で4体ずつ縛り上げられた25cmサイズの美少女、、もとい寄生体がぶら下げられていた。
「ただいま、あの人達の未来は後4ヶ月近く過ぎないと確認できないですけど、とりあえずその4人の女子中学生はこいつらから解放させてきたし、魔除けの胎芽も植えつけてきたから2度と寄生されるようなことはないと思いますよ」
「魔除け?」
『かなえ』は観萌に聞き返した。
そしてこっそり耳打ちをされて驚いた顔をする。
「そのアイデアは私の、私たちの親である『G』や『B』が考案したものですよ?」
まあ時系列的にはあたし、椎にはわからないことだらけだったのだが本題は何故彼ら達(彼女達)は人間に寄生してまで人類の政治などに人身共に操ろうとしていたか?だった。
観萌は言うとみんなを見回して続けた。
「例えばある災害で10万人の人がお亡くなりになったとします、当然『多重意識エネルギー体』に10万人分のエネルギーが帰って行くわけですがそれぞれがバラバラなエネルギーなので『多重意識エネルギー体』自体に偏った色(思想や概念)を与えることはない、だけどその人達全員に寄生体が憑いているとしたら、彼女達が互いにリンクしていて10万体が一つの意識として『多重意識エネルギー体』に戻ったとしたら?」
「1,000万人分かな?でもそれって『多重意識エネルギー体』からしたら大したことないんじゃ?」
あたしもそう思う、それよりも気になるのは。
「そうやっ少女達の胎の中でできた次の世代の寄生体は元の寄生体とはどう違うのかな?ってことなんだけど、なんか気味が悪いって言うかエイリアンに寄生されたみたいな」
「結論から言えば進化してそれまでの倍のエネルギーを『多重意識エネルギー体』から引っ張り出せるようになれる、5世代も経過すれば32倍、10世代目では1024倍となる、そうなればどうなるかなぁ?」
あたしの疑問に対して『あつこ』が疑問を返してきた。
「それらは当然全てリンクされているだろう、しかも『多重意識エネルギー体』から全ていつも同じ部位のエネルギーを引っ張って来るわけじゃない、そうなると『多重意識エネルギー体』の色も加速的に染め上げられる、つまり『多重意識エネルギー体』を『神』にすることも『悪魔』にする事も可能なのです」
それを受けて『かなえ』が続ける、いや、唐突に話を変えてきた。
「それと、その寄生体達の計画だったかもしれませんが数百年後の未来に『遺伝子組み換え』による異生物が生産されるようです、今はまだ実用化されていない技術です、しかし彼女達寄生体は元々が時間を遡る能力をここ数十年あたりに取得していたのでその異生物に自ら、第数十代の寄生体を寄生させることによってその異生物をはるか数千年前の過去に送り届けることが可能となったわけですが」
それに『あつこ』が続ける。
「その生物は当時の人間には『悪魔』や『サタン』と呼ばれ恐れられる存在となりました」
「でもそれは確かに人類に対する恐怖かもしれないけど人の心を操ったりするような存在にはなり得ないんじゃないのかな?」
月海が疑問を挟んだ。
「ひとつ大事なことを忘れているんじゃないかしら?」
香織が口を挟んだ。
「ひとつは彼ら、彼女らというべきかしら、人類に対する圧倒的に強い身体能力と生殖能力、そして各自一体一体に今の寄生体よりも遥かに進化した寄生体を孕んでいるということ、でもそれだとそれから数千年経った今現在にはその『悪魔』的な存在がこの地球にもっと繁殖していてもおかしくないんじゃないかしら?」
それを聞いた『あつこ』と『かなえ』はしばらく黙り込んだ。
「それならあたしたち8人の記憶の隅に残っていますよ」
珍しく花奈が口を挟んだ。
「結論から言えばその『悪魔』の中で育った超高規格な寄生体はごく一部の幼い少女の胎内に植え付ける事しか出来なかった、という事です」
「基本的にその『悪魔』と呼ばれていた種族のオスはその超高規格な寄生体を人間の女性の大半が受け入れられずに自身の身体を破壊されてしまったという事ですね」
「簡単にぶっちゃけちゃうとその『悪魔』って人造の異生物のアレがデカすぎたのと抱く力が強すぎて大半の女性が寄生体を着床させる前に殺されてしまうということなんだね」
花奈に続けて月海が説明を加えた。
「まあそのあたりは現代にもそこらじゅうにいるスペック馬鹿がやりそうな失敗ということですけど彼女達寄生体にも譲れない一線というのはあったんでしょうね、例えば人造生物の肉体をそこまで強化しないとその自ら遺伝子組み換えを行った超高規格な寄生体な寄生体に自分達がせっかく造った人造生物が耐えられなかったとか?」
「そういえば『B』が未来で調べた情報によるとその時の寄生体の大きさはスケール的に3倍以上、身長も80cm以上あったとか」と銀。
「そんなのが入るようなご立派さまを大事な穴に捻り込まれたら大抵の女性は壊されちゃうよ」とあたし。
「それはわかったけれどなんで一部の幼い少女だけは植え付けることが可能だったんだ?」
月海が疑問を挟んだ。
「それは簡単な事です、極一部の『悪魔』は幼女を前にして早々に自分の性器、陰茎を少女の体に直接挿入する事を物理的に無理と判断して諦めたからですよ」
観萌がいうとさらに続けた。
「先だけを軽く押しつけて少女の中に精液と一緒に卵を噴射したんでしょう、そしてそれを何度か根気よく繰り返して着床させてその少女の中に超高規格な寄生体を植え付けることに成功したと思われます」
「さしずめ『やさしい悪魔』ということかぁ、でもそれって成体に成長したら80cm超えちゃうんでしょ?どの道無理だと思うのだけど」
月輪が指摘した。
確かに大人の女性ならい知らず10代にさえ満たない幼い少女じゃまず命の保証はできないんじゃ、と思う。
「それはわかったけど男性に寄生させる可能性はどうなんだ?」
うかつに銀は尋ねた。
彼、いや彼女は女の子の穴と共にその前方にどんなAV男優も裸足で逃げ出すほどの立派なものを持っている特異体質の持ち主だ。
「それは素敵な質問ですね、ちなみに彼らは雌雄同体ですがそこは問題じゃなかったですね」
観萌は突然にクスクス笑いながら言った。
「そうねでもいくらあなたのそれが立派だと言っても身長80cm、肩幅が20cm近くある化け物に潜り込まれたら正気を保てるかしら?」
銀はしばらく考え込んでいたが肩をがっくり落としてつぶやいた。
「ごめんなさい、調子ぶっこいていました、マヂで簡単に死ねます」
「その後も試行錯誤は続けられましたがいずれも失敗をしました、それを大人の女性に行えばまだ可能性はあったのですがほとんどの『悪魔』は大人の女性を前にすると欲情を抑えきれずにねじ込んでしまうために死体の山を築き上げるだけでした」
それまで観萌の説明を黙って聞いていた加世が突然に口を開いた。
「でも『悪魔』どうしの交配は考えなかったのかよ?」
「確かにそれを検討したと思しき記録はありましたがどうやら重大な問題が発生したようです」
「どっちがイニシアチブを取るかで揉めて殺し合いを始めちゃうんでしょ?、あいつらを見ていたら簡単に想像がつくわ」
嫌悪感丸出しで『あつこ』が言い放った。
「それで一時は万策が尽きたというところまで行ったんだけど西暦2000年代に入って『こじろう学園』の中に天才が入学してきた、そんな彼も寄生体に取り憑かれて、まあたまたま研修しにきていた女性教師と恋人関係を結んで寄生体を植え付けられたんだけど」
「彼はとんでもない実験を始めた」
観萌に続けて聞き覚えがある声が聞こえた。
「ヤッホー葉類亜希ちゃんだよ」
自分でちゃん呼びするとは何事かとあたしは思ったがすぐに違和感を感じた。
「亜希、なんでそんなにお腹が大きいの?」
下界(パラレル) 4 終わり
下界(パラレル)に5に続く
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