カレンダーガール18 帰る場所
カレンダーガール18 帰る場所
毎回とは限りませんが今作はエログロ描写や官能描写を多大に含みますので20才未満の閲覧はご遠慮してくださいね♪
なお現実と烈しく乖離した描写がめちゃくちゃ多数ありますことをお断りしておきます。
本当はこんな事はやっちゃいけないんだろうけど・・・
ボクは草むらの中に手頃な大きさの長細い石ころを見つけるとなるべく墓地に近い場所に縦にして深く差し込んだ。
そして近くに紫色の小さな草花を見つけるとそれを石の前に備えて両手を合わせて祈った。
『どうかつぎの人生は幸せに満ち溢れますように』
そして母の名前、姉貴の名前、最後に父の名前をフルネームでつぶやいた。
振り返ると有希が驚いた表情でボクを見ていた。
『どうしてあたしの名前を知っているの?』
そのあとは言ったファミレスでパンケーキを食べている最中も、その後で追加注文をしたピリ辛ウインナーソーセージを注文してそれをみんなが食べている間も有希はそれらに手をつけることもなく始終無言だった。
君は用があると言って席を立つと青ざめた顔をして一目散に店を出て行った。
ボクが慌てて追っていくとさっきボクが即席で作った墓に手を合わせて咽び泣く有希を遠くから見つめていることしか出来なかった。
亜希の胎に戻ると戻ると支払いを済ませて店から出て来たみんなが車に乗り込もうとしていた。
しかし有希は戻っては来なかった。
『何があったかは知らないけど有希なら『G』のお腹の中に入ったから安心して』
と亜希が直接語りかけて来た。
『G』がこの先の人目がつかないところに遠隔操作により停止させられているミミズメカがあると言ったらしい。
しかも誰から聞いたかは知らないけどそれは本来ならこの世界、時間戦にはあってはならないものらしい。
らしいと言うのは『G』から直接聞いた話ではなくて、亜希伝いに聞いた話なのでどこまで正しいかは判断しにくかったのもある。
もちろん伝言ゲームあるあるなのだが。
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『G』の胎の中の片隅であたしはたった1人で閉じこもって膝を抱えて泣いていた。
その名前を聞いただけで頭の中に自分の腹から血まみれの包丁が抜かれた様子が再現される。
太い動脈を切ったのか勢いよく吹き出している血を見ながら、あたしの人生はそこで終わっているはずだった。
目の前にいたのは弟の裕貴、フルネームは樋口裕貴だった。
そしてあたしの名前は樋口由紀恵、それが起きたのはまだあたしが17になったばかりの夏の終わりだった。
あたしと裕貴は仲の良い姉弟だった。
いつも一緒に出かけて、まるで恋人同士のように振る舞っていた。
アイスはいつも安いカップアイスやモナカアイスをいつも半分っこして食べていた。
プリッツもふたりで両端から食べて唇と唇が触れ合うと思わず赤面してしまったのが自分でもわかってはいたが3歳年下の弟もあたし以上に赤面していた。
家族のお財布事情は裕福とは言えなかったがそれでもなんとかあたしは地元の農業県立高校に通わせてもらえていた。
授業料だって教科書代を除けば無料だと聞いていた。
恥ずかしいことに全てを母と父に任せっきりだった。
弟は中学だからもちろん授業料は必要なかった。
父は小さな町工場を経営していた。
和也だったか達也だったか、割と平凡な名前だっらと記憶している。
母は近所のスーパーでレジ打ちのバイトをしていた。
決して時給は良い方とは言えなかったけれど家のローンを払ってもなんとか生活を切り詰めてならやっていた気がする。
そう、あの国民投票法が執行されてすぐに憲法改正に関する国民投票が実施されてその結果次のうちの3、が選出されるまでは。
1、〇〇党の憲法改正草案に賛成します。
2、野党と協議して作成した憲法草案に賛成します。
3、9条を除く2、項目による憲法改正草案に賛成します。
4、いずれの草案にも反対します。
あたしはもちろん4、に投票したが弟の裕貴は無駄表になるのを恐れてか3、に入れたようだった。
いきなり消費税が30%に引き上げられて高校、の学費補助金が打ち切られた。
と弟は思っていたようだったが実態はもっと悲惨だった。
公立高校も授業料が有料になってしまった。
弟が通う中学だって同じだ。
選択科目制度が導入されて国語、歴史、英語、現代社会は無料だったが理科や音楽、など他の教科は個別有料になり新たに選別労働という科目が導入された。
これの実態は教育という名を借りた防衛軍への派遣という実質労働だった。
もちろん戦闘訓練に駆り出されるわけじゃない。
雑用の手伝いをさせられるわけだが仕事内容はブラックそのものだった、ただそれなりに手当が支払われたので選択をした子も多いと聞く。
もちろん中学を卒業した後もほぼエスカレーター式に進学が可能な防衛大学附属高校へ行くという選択もできる。
医療費に関しても保険料が倍増して、それでもなお医療費は五割負担となった、しかも5,000えんまでは全額負担というおまけつきだ。
円安は限りなく進み1ドル二百円を超えた。それを政府と日銀はおろか経済評論家まで「この円安は喜ぶべきだと大評価した。
輸出業にとっては良いことだとマスコミは評価してみんなはそれを信じた。
父の経営していた工場では原料費が以前の円安レベルでは考えられないくらい暴騰し、かといって取引先の親企業や大企業が取引価格を引き上げてくれるはずがなかった。
むしろ逆により一層の経営努力、速い話がコストダウンを迫って来る有様だった。
かくして父の経営していた工場はかつてのリーマンショックの時でもありえないほどの大赤字を出して破綻して、倒産した。
そして数日後、父は誰もいなくなった工場の中で首を吊る自死を選んだ。
わずかばかりの生命保険料を残して。
もちろんそれがあっという間に消えてしまったのは当然だ。
呆れたことに政府はその生命保険にさえ税金をかけて来た。
そしてあたしは富裕層相手に客商売をすることになってしまった。
要はお金持ちのおぼっちゃんやおじさまを相手に性を売ることになった。
一応派遣会社の客との規約には禁止事項がたくさん書かれたあった。
中出しはもちろんダメ、素股とかいうもの禁止というなかなか厳格なものだったが、実際にはそんなものを守ろうとする客など誰ひとりも存在しなかった。
平気で何発も中出しするのはもちろんのこと先っちょに真珠をいっぱい埋め込んだやつを突っ込んできたり、後ろの穴でで行った後、そのまま再び前の穴に入れて来る外道もいた。
口では話さなかったが見た目が若かった母も同様なことをされていたのだろう。
母の胎内に大量な膿が生じているのはわかってはいた。
母も実は働いていたスーパーでレジの金を何者かに抜き取られてその責任を取らされて退社させられていた。
それからすぐに私は自分に仕事を振ってくれている会社に掛け合ってみた。
答えはあの『契約はあくまでも建前だ、言われた通りにしろ』というものだった。
要は大富豪様から多額な別料金をいただいているから黙認しているということだ。
しばらくしてあたしは自分の体に月ものがきていないことに気がついた。
母にも相談してみたが彼女も同様な状態にあるらしい、しかも匂いからしてまともな妊娠ではいことぐらい高校生の自分でもわかった。
あたしの体に生じた変化も妊娠そのものを示す兆候そのものだ。
あたしは雇い主に直訴してみた。
答えは昔から聞き慣れた『自己責任』だった。
もちろん身に覚えのある、といっても両手でも数えきれないほどいたが。
ほとんどは数枚の札切れを顔に投げつけられておしまいだった。
あたしはその頃からどうかしていたかもしれない。
弟の裕貴を何度も誘惑して何度も激しくやらせた。
実は彼が選んだ防衛軍派遣の仕事の中には戦闘訓練用シミュレーションプログラムのバグ探しというのがあってそのシミュレーションプログラムを何度もプレイさせられたらしかったがそれは明らかに無人機を使った実践訓練だった。
そのせいで弟も少しおかしくなっていたかもしれない。
しかしその時のあたしは彼以上におかしくなっていたかもしれない。
あたしは何度も彼にセックスを迫り、実の弟に何度も胎の中に出させた。
あたしも母も最悪な体調のまま朝食をなんとか作り気がつくと母は台所のインクに捕まるようにしてしゃがみ込んでいた。
あたしは気がつくと出刃包丁を手に握りしめて弟に向かっていた。
包丁を取り上げようとあたしの両手を握る弟。
「このまま突進して自分を孕ませた弟を差し殺しちゃいなよ」
と悪魔の声が囁く。
「ダメェ!」と叫んだあたしは手首を回して自分の腹を切るようにして刺していた。
パニックになった弟はあたしから包丁を抜くとそのまま階段を駆け上り2階に走り去って行った。
しばらくして裕貴の部屋で物を投げつける音がしたかとおもたら窓が開き『ドスン』という音がしてすぐに『誰か落ちて車に轢かれたぞ』と誰かの声が薄れゆく意識の中、聞こえた。
『つらかったね』
と後ろから突然に強く抱きしめられる。
聞き覚えのある優しい声。
『これからふたりにみせなければいけないものがあるんだ』
その声はそう言うとあたしと彼を実体化させた。
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ボクは気がつくと地上で横になっている巨大なミミズメカの最後尾前に立っていた。
そしてボクのすぐ隣、右には由紀恵が立っていた。
「裕貴、辛い思いをさせてしまってごめんね」
由紀恵、いやそれはよく見ると有希だった。
彼女は泣きながら膝をついてボクにしがみついて来た。
ボクの太ももに彼女の豊満な乳房がおしつけられる。
あぶない、あぶない、もしもボクが男だったら股間の膨らんだそれから耐えきれずに出してしまうだろう。
「さっさと中に入るよ」と言って亜希が手招きをしている。
「先頭から入るんじゃないのですか?」
とボク。
「動いている時はあそこからじゃないと無理なんだけどさ、止まっている時は最後尾からでも入れるのよ」
と亜希。
「おふたりは姉弟だったんですね」
後ろから声をかけられて振り返ると『G』が立っていた。
そしてその横にはポンコツアンドロイド椎名が立っていた。
彼女はゆっくりと前に歩き出すと亜希の隣に立ちに立ちそのキャタビラーとキャタビラーの間にある扉らしき物に触れながら呪文のような言葉を唱えると『オープン』と言った。
縦に長い湾曲した鋼板が前に飛び出したと思うとそれは左方向にスライドした。
その1メートルほど先には左右に開くセンターオープンのスライドドアがあった。
それに近づくだけでそのドアは開いた。
中にはガラスの円筒形シリンダーのガラスの中に液体で浸されて裸で抱き合っているふたりの少年少女の姿があった。
「姉貴」
ボクは思わず口にしてしまっていた。
お腹の縦の傷には縫合した後が残っていた。
ボクといえば、頭髪が丸刈りにされてその頭皮には何箇所もの縫い目があった。
合体後そはしてはいなかったけれどその姿はあの北陸地方の原発を壊しまくった寄生体を植え付けられたカップルを思い出させた。
「さとみはこれを探していたのね」
亜希が呟くと有希は訊いた。
「この中にいるあたしと弟は何なのですか?」
ボクもそれを聞きたかった。
「待っていたわ、私もまさかこんな所にあるとは思ってもみなかった」
背後からさとみの声はしたが姿は見えなかった。
「そう、話せば長くはなるけどあの世界でのあなた達も『防衛軍に目をつけられていた」
「あるとき、ここで言う去年の8月ごろかしら、ここにこの異形な機械が発見された」
「さっそく目をつけたのが例の天使もどき、機械を解析、どころかまるまるコピーをして完成した、けれどその制御方法がまったくわからなかった」
「最大の理由は搭載されていた制御用頭脳に使っていたと思われた2体の生物が既に機能を停止していたから」
「そこで彼女達は考案した」
「自分達の寄生体を植え込んだ男女ペアにこの機械を操縦させようと」
「そしてあのミミズメカは開発に成功して用済みになったこのミミズ私がメカは放置させられた」
「それで聞きたいことがあるんですが」
いつの間にか来ていたのか風間志乃さんが挙手をして質問をした。
「暴れ回ったミミズメカとこのミミズメカに仕様の違いはあるのですか?」
「まずは制御法ね、私が解析した範囲ではここで暴れ回ったアレは2人の脳波を何らかの方法で本体のメインプロセッサとリンクさせているんじゃないかと」
さとみの説明に志乃さんは納得がいかない顔をしていた。
「強い放射線って確か通信を妨害したり演算を狂わせたりしますよね?それなのに何故ワザワザそんな方法を採用するのでしょうか?」
「それはちょっと」
さとみは少し困惑したけれどそれをとりあえず無視して続けた。
「確かにこっちの方にも謎は多いけど・・・、スペック的にはこれよりも北陸で暴れ回っていたやつの方がスペックは上ですね、これは速度が半分以下じゃないかと」
さとみがそう言っている間にも志乃さんは勝手に円柱シリンダーの近くにあるコンソール卓の端末を操作していた。
「ここに過去の運用履歴がありますね、ちなみに通った後に核爆弾を植え込む機能もあるみたいですよ」
志乃さんがそう言った途端さとみは自分の身体を実体化させてコンソール卓を覗き込んでいた。
「この移動距離グラフを見てもらいたいのですが毎時80km/hが良いとこでしょうね、これで隣国の都市を攻撃って話なら笑っちゃいますよね」
志乃さんはそう言ってからさとみに微笑みかけた。
「あなたは私が知っているさとみさんじゃない、ここに来たのはこのメカのカラクリを知りたいためですね?」
志乃さんがそう言った途端さとみは凄い形相になった。
「それは教えるわけにはいきませんね、あなた達はこれを完全な物にしたいんでしょ?」
志乃さんは怯むことなく相手の目的を指摘した。
「ひとりでは何も出来ないくせにふたりが力を合わせるととんでもない能力を発揮することが判った」
志乃さんがコンソール卓の端末を操作するとこのミミズメカの起動する音が聞こえ出した。
「確かにこれは移動速度も掘り進む速度もあなた達が仕上げたそれに比べたら圧倒的に遅いです、でもこんな事も出来るんですよ」
突然に円柱シリンダーのガラス面内に周囲の風景が映し出された円筒状の上面は球状に閉じている。
歪んではいるが2人の視界ではほぼ全周が見渡せられるだろう。
「さて問題です、この場合はどちらがこの船をコントロールしているのでしょうか?」
志乃さんはとんでもないことを言いだしたと思った。
中のふたりは明らかに息をしていない。
「細胞そのものは生きているんですよ、でも意識体そのものがここにはなかった、由紀さん、有希さん覚えていますか?北陸で有希さんが突然に大声で泣き出したことを」
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「こんなのやってられないよ、あたしなら気が狂う、こんな事をさせる日本自体を恨むよ」
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「確か彼女はそう言ってましたよね、これは私の憶測でしかないのですがその時にフラッシュバックしたのでしょう、前世ではなく別世界の記憶を」
志乃さんはそう言いながらコンソール卓の端末を操作した。
この機械が実稼働を始めてからの映像です。
「実はこの機械はふたりの頭脳によって操作されていたわけじゃないんです、この国の科学者は恐らくは気が付きもしなかったでしょう」
円柱シリンダー内に表示された映像がごとごとと動きだしたと思ったら一瞬にして見慣れない都市の映像に切り替わっていた。
しかしそれは日本ではないどこか違う国の都市だったと言うことくらいはすぐに判った。
画面は目の前の建物や乗り物を粉砕しながら突き進んでいくと逃げ惑う人々の身体をシュレッダーにかけるように粉砕しながら進んでいた。
その中には明らかに10才前後の少年少女や就学前前後と思われる男児や女児も含まれていた。
「やめてぇ!」
ボクたちがいる制御室全体が激しく、揺れたかと思うと有希は両手で顔を覆い隠しながらしゃがみ込んで泣き叫んでいた。
「どうやら有希さんには刺激が強くて暴走させてしまったようです、すみません」
志乃さんは悲しそうな目をして有希を見ていた。
と同時にさとみがうろたえ出す。
「ここはどこなの?少なくとも北海道じゃないよね?」
それを見て志乃さんは『クスッ』っと笑った。
「彼女達にあんなことをしておいて気が付かないなんて随分なお間抜けさまね」
と志乃さんは言った。
さとみは信じられないと言いたげな顔をして志乃さんを見ていた。
「いいえ、少なくともあなた達の上層部はそれに気づいていたからあのゲスな大手芸能事務所の社長達を操って暴走させようとしたのかしら?」
あれ?ボクは一瞬自分の目を疑った。
志乃の後ろに腕組みをしている最初からいたさとみを睨みつけているもうひとりのさとみが立っていたからだ。
「ったくここがどこか判って言っているのかしら?」
さとみはそう言うと志乃さんの後ろから手を伸ばしてコンソール卓の端末を操作した。
瓦礫の山がそこら中に積み重なって小さな山がたくさん出来ている廃墟が写しだされていた。
「ここは?」
もはやさとみではない事を隠そうともしなくなり、彼女とは似ても似つかない顔立ちになった、そして本当にここがどこか判らないようだ。
「ここは、多分小田井・・・」
ボクはつぶやいた、瓦礫の山の中に見覚えのある看板をいくつか見つけたから。
そしてここは拉致された場所。
ただそこには人っ子ひとりいる様子が見られなかった。
「数時間で死に至る致死量の放射線量だからね、このミミズメカに潰されて死ぬ人なんてここにはもう1人もいないよ」
聞き覚えのある声が聞こえた。
「さて、まさか私たちまで忘れたとは言わないよね!」
そんな彼女の後ろに2人の少女、『あつこ』と『かなえ』が突然出現して回し蹴りでそいつの頭部を挟み込むようにして潰すと細かいサラサラの灰になって消えた。
「この機械はふたりを操って能力を暴走させる物だったっんです」
志乃さんはそう言って円柱シリンダーに文字列を表示させた。
「思い出してください
少女E(実は楓山由紀)←追記
(社長と2回以上の性的関係)→葉類亜希に擬態能力で扮装させて一般市民を大虐殺させる予定だったが行方不明になる→ 寄生体の存在も不明。
楓山有希(由紀)←実は少女E 社長達に誤認識させていた
(社長と2回以上の性的関係)→少女C、Dに罠に嵌められて社長の部下(楓山有希の通っていた中学の先生達の陵辱を受け逆上して反撃に出るも事故死する→生きているはずの寄生体も死亡→年が明けたゴールデンウィーク明けに何事もなかったかのように楓山由紀と名乗り通学、有希自身も由紀の身体を使い芸能活動を続行→エロ教師達に目をつけられる。
「楓山有希(実は少女E)はもともとわざと自害することにより自分の能力をタイマー設定して高いビルから転落させられた後に地震の遺体を消失させて疑似的に由紀と身体を重ね合わせて同一人物化していた、彼女達の能力は念動力はもちろんの事、瞬間転移能力、場所だけでなくて並行時間世界への移動も可能」
志乃さんはそう言うと無意識に有希を抱きしめていたボクを見た。
「先程の映像の後この機械は北海道のあの場所に転移していました、ただし並行世界への移動は彼らにとっては想定外だったでしょね」
志乃がそう言うと『G』がその後を引き継いだ。
「要はこの機械は彼女達を頭脳にして動いていたわけじゃなくてむしろふたりをコントロールしてその能力であのミミズもどきを動かしていたってことなんでしょうか?」
「まあ原理を曲解してたとしても基本的な構造は同じですけど」
と志乃さん。
となると僕たちがこの世界にもし転移して来なかったらどうなるのだろうか?
ボクはまだ泣いている有希を後ろから強く抱きしめながら考えていた。
「南海トラフ大地震に関してもあの北陸のミミズメカがやったと言う記録が残っていた」
志乃さんの後ろのさとみが複雑な表情で言った。
「富士山などに関してもアレがやった確率が高い、でもそれに関しては気に止む必要はないと思いますよ?」
志乃さん入ってくれた。
だけど僕たちはもう知ってしまっている。
ボクと有希がこの世界に来てしまったのがことの始まりだったと。
「お願いします、『さとみ』さん、『ゴキちゃん』、時間を巻き戻してボクたちがこっちの世界に転移した直後に時間を巻き戻してくれませんか?」
ボクは真剣だった。有希もうなづいてくれている。
「バカなの?死ぬ気なの?」
急に亜希が怒り出した。
「おふたりにお願いするのには訳があります、万が一失敗した時のことを・・・」
言いかけたボクの口を亜希が塞いだ。
「心配しないで私たちも巻き込みなさい、それが国民の一致した合意よ」
亜希は言った。
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そう言った時ボクと有希はこの世界に転移してきたばかりのあの忌まわしき機械の中にいた。ボクは志乃さんに教えられた通りにコンソール卓の端末を操作して自爆コードを打ち込んだ。
退避警告のカウントダウンが始まる。
もう10秒を切っている。
「ボクたちふたりで死ぬのも悪くないよね」
と言ったら有希は僕に抱きついてきた。
「いちゃいちゃしてないでさっさと行くよ」
え?なんで『ゴキちゃん』の声?
アレほど来ないでって言ったよね?
「なんでって顔されちゃこっちが困るのよね、私が焼いたパンケーキ腹いっぱい食べてくれる約束でしょ?」
なんでさとみまでいるの?もう2秒もないよ?
気がつくと僕たちは空を飛んでいて遥か下でアレが大爆発をしたのを4人で見届けていた。
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小田井の街はいつも通りだった。
ボク達は葉類智恵警部の大豪邸でさとみが焼いてくれたパンケーキを腹一杯になるまで食べさせられると亜希に誘われるまま移動を始めていた。
ボクが「どこに行くの?」と訊いても亜希は「良いとこ、良いとこ」と言って教えてくれない。
気がつくとボクたちは見覚えがある二階建て一軒家の前に立っていた。
「まあ愛と秋子に感謝してやってよ、色々影でうごいてくれたから」
それは今回関わったみんなに感謝したかった。
表札を見ると大きく『樋口』と掘ってあった。
その下に父の名前と母の名前が彫ってある続いて『有希』
その下には『由紀』と彫ってあった。
意地でも名前はこっちに合わせたいらしい。
だけど葉類邸を出る前にボクはセーラー服を、有希はブレザーを着せられていた。
「なんでボクも女の子設定?」
と亜希にこっそり耳打ちをしたら亜希は『ニター』と笑ってから言った。
「だって、あんたたち仲が良すぎるから2人とも女の子にしないとお親の目を盗んで『バッコンバッコン』しかねないんだもん」
亜希はそう言いってから『プププ』と含み笑いをした。
その途端玄関の扉がが開いて父と母が顔を出した。
「ゆうきもゆきも帰ってきたならただいまくらい」
と言いかけた途端ボクたちの隣で敬礼をしている亜希に気がつくとつられてかふたりとも敬礼をして言った。
「名古屋の栄程度で迷子になったバカ娘達を送って頂きありがとうございます」
「いいえ警察官として当然の任務ですので」
そう言ってからボクに小さな声で耳打ちをした。
「女の子同士ならどんなにエッチしても出来ちゃう心配ないよ」
ってこの女刑事みならい、、やっぱりやだ!
カレンダーガール 完
おまけ
父「で、どうしたら栄如きで迷子になれるのかな?
母「どうせイケメンに見惚れていたんでしょうよ」
散々言われてボクと有希は各自、自分の部屋に入った、不思議とあまり違和感がない。
ずっと昔から一緒に住んでいたって感じだ。
ボクはピンクのパジャマ派、そして有希は薄い水色のネグリジェ派だと言うことが既に頭の中にインプットされていた。
ボクはセーラー服を脱いで下着を脱いでいた。
なんか前よりもかなり胸が大きく膨らんでいる気がする。
自分で鏡を見て自分でも惚れ惚れしてしまった。
そしてキュッとしまった腹回りと軽く突き上げたおしり、そしてその前方には・・・・・『え“!』
あたしはブレザーの上着を脱いでから丁寧に長い髪をブラッシングしてカッターシャツとスカート、そしてシミーズを脱いで鏡と向かい合った、なんか以前の大きかっただけの胸の形が整っているような気がする、おへそも小ぶりに深そうな縦長でとてもいい感じだ。
続いてパンツも脱いだ、アイドル時代から丁寧に淫毛を剃っているので今日のツルツルのマ〇〇が眩しい?・・・『え“!』
『え“ーーーー!!』
ふたり大声で叫んでしまった。なぜこんなところに殿方のご立派様が?
「そこにふたりのスマホ宛に亜希からのメッセージがとどいた。
「ごめん、君達の実体化を孫の可奈野椎に任せたらとんでもない機能を付け足してくれちゃってさ、でも安心して!その立派なものの裏にはちゃんと女の子の穴もあるから!」
ボクは思わず問い詰めた。
「でもそれって単に棒があるってだけでしょ?」
すると速攻で返事が返ってきた
「小さくても高性能で放熱もいい精巣が内蔵されているから問題ないよ」
「ってことはさっきの出来ないというのは」
「ごめーん嘘だったわ、だからくれぐれも誘惑に負けてやっちゃわないように気をつけてね💖」
ちょ、待て、それってすごい拷問じゃ。
その時、有希からボク宛にショットメッセージが届いた。行くべきか?行かざるべきか?
ちょ、これってノーマルも含めてLGBTどれもありってことだよな?
そう考えている間にボクの頭は真っ白になってボクは有希の部屋で彼女と抱き合って眠っていたようだった。
「えっ?ボクってやっちゃいましたか?」
思わずそう言ってしまったボクに有希は囁いた『代わる代わる何回も互いに出したよ?ふたりとも出来ちゃっていたら2人で育てようね』
ボクは思わず頭を抱え込んでしまった。
でも少なくとのあの絶望しかなかった世界よりは遥かに良いかもしれない。
問題は両親が認めてくれるかだけど。
その時『夏乃花奈』を名乗るのものから亜希のグループを通じてメッセージが入って来た。
「その時はあたしたちの学校に転校してきたら?冬河銀ってあなたたちとそっくりな子もいるし」
「そうと決まれば今日は両親共にお出かけみたいしだし」
勇気がそう言ったらボクも思わず言ってしまった。
「じゃあもう一ラウンド行きますか」
その言葉に有希はすかさず答えた。
2ラウンドでも10ラウンドでも気の済むように
つづく?
わけがない。
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