赫怒
何がファジーネーブルだ!!
テメーぶっ殺してやる!!
誰か俺にガソリンよこせ!
そうだ、俺は昇火士だ。
俺は音楽に火をつけたいんだ。
誰が俺をこんなにしたんだ!
なんでこんなに、たまらなくイライラしなきゃなんねえんだ!
殺すか殺されるか、燃やすか燃やされるか、どっちだ!?
意味がわからねえ。
とうとういかれちまったのか?
この「ファジーネーブル」とかいう曲を聴いてるとよお、頭がはち切れそうな程、怒髪天に衝く程、怒りが止まらねえんだよ。
いつからだ?
俺はなあ、小学生の頃まで西野カナでもなんでも聴いてたんだよ!
それがなんだ?
今やファジーネーブルなんて曲を聴いただけでよお、血管の堰がキレそうなんだ。
その甘ったるい声をやめろ!
俺は創るぞ!
俺が俺の怒りを鎮められるような、そんな音楽を。
何がぼっちざろっくだ!
何が結束バンドだ!
俺たちの怒りも知らないくせに!
殺してやりたいよ。
てめえらの音楽諸共ズタズタに引き裂いてしまいたい。
何が許せないかって?
俺はこのファジーネーブルとかいう曲をちっとばかし「いい」と思っちまってる事だ!
許されないだろ?
なあ、俺の中の怪物よ。
お前はこんなもの認めないはずだ。
認められないんだ。
ああ、こんな事は間違ってる。
間違ってんのが俺かファジーネーブルか、今はそんなことどうでも良いだろ?
誰が俺を慰める?
モリッシー、今夜は、いや、今夜も俺と共にいてくれないか?
「The Queen is dead」でも聴きながら、ちと夜風に浴びてくるよ。