日記:チューリッヒの物価は日本の3倍
昨日は諦めから始まった。
寝ぼけ頭でアラームを止め、眩しく光るスマートフォンの時計を見ると8:37を示しており、乗る予定の電車は8:50発。フランクフルト中央駅まで徒歩10分のドミトリーに泊まっているとはいえ、シャワーを浴びで着替えて、エレベーターのない建物の3階から下ること考えると間に合う可能性は極めて低かった。
アラームは8:00に設定したはずなのになぜ、と疑問に思ったが考えている暇などない。乗りたかった電車は逃したが、早く駅に向かわないと次の目的での滞在時間が極端に減ってしまう。そうスイスのチューリッヒに行くのだ。フランクフルトからチューリッヒまでは電車で四時間、一見長く感じるが、僕は車窓からの景色も楽しみで仕方ない。大急ぎで用意を済ませ駅へ向かった。
なんとか9:06の電車に乗ることができたが、車窓の景色はほぼ見ることなく車内では爆睡し目的地に着いた。物価が日本の約3倍するチューリッヒでは何も買うことが出来ず、僕が幼稚園年長の頃くらいだろうか、母親のデパートでの買い物に同行させられた退屈な外出を思い出した。今でも一階化粧品売り場の匂いを嗅ぐとその日々を思い出す。帰り千里中央駅の洋食屋さんでオムライスを食べることだけが楽しみだった。
話は逸れたが、チューリッヒではオペラを観た。オペラ座に着くと皆さん正装をしていた、おそらくドレスコードがある気はしていたがそんなもの持っていなく、僕が着ていた服は、汗をかいてしまった日に新宿のBEAMSで着替える用に買った、胸に「CRUNKY」と書かれたLOTTEとのコラボTシャツで、流石にこれはまずいと思ったので、防寒用にカバンにしまっていた、くしゃくしゃの襟付き黒長袖シャツを羽織って入場した。演目は『Der Freischütz(魔弾の射手 )』、オペラを観るのは初めてで、この演目の知識もゼロで挑んだが、素晴らしかった。一番安い席を買った為、目の前に巨大な柱があったがそんなの気にならなかった。ステージから遠かっだが隣で歌われてるかのように声が近く聞こえた。途中静かなシーンで僕の痰がからみ、大きな咳が出そうになったが必死で堪え、歌が終わり客席のおじさんの「ブラボー!!」の声に合わせて咳払いをした。
日記が長くなってるのはドミトリーの廊下で充電をしているからだ。また今回のベッドにコンセントはなかった。あと、向田邦子さんの短編集を読んで、文章アドレナリンが出ているのもある。
そんなマルタ島留学62日目の夜。
お賽銭箱でございます🙇 毎週、うな重食べたい…