机上の空論

 こんにちは、魚木まるです。

 長文のほうの更新がだいぶご無沙汰になっておりました。いろいろあったんですよ、いろいろ、ね……。

 炊飯器のコードが無くなったり、電気ケトルが壊れたり、液体洗剤入れの計量カップが外れなくなったり、文芸部の部誌の締め切りがあったり、メニエール病になったり、風邪ひいて喉をやられたりまあざっとこんな感じ。

 結論から言うと、コードは冷蔵庫の裏から見つかったし、電気ケトルは沸騰した時に自動停止しなくなっただけでまだまだ使えるし、計量カップだって工夫すれば全然使えるし、締め切りには間に合ったし、メニエール病は再受診しなくちゃならないけど、喉はもうよくなりました。

 なんだよ下らねえな、って思いましたか。そうですね下らないですよね。でも、これが一気に自分の身に降りかかるとなると、結構しんどいですよ。まあ私は天才なのでどうってことなかったのですが……。


 最近寒いでしょ。寒いと余計にね、HPをがんがん削られますからね。ここ数日は少しあったかいからましになったという感じです。おかげでブログの更新ができそうです。


 もうやだーってなって、もう知らねーってなって、休日は布団をひっかむって一日中寝たりスマホでショート動画を見るともなく見ていました。長い人生、そういう日も必要ですよね。

 こういうどうでもいいことってなかなか人に言いづらいじゃんか。だから余計にさ、疲れちゃうのよ。

 部誌に寄稿した作品の中に、『哀しみだけでひとは死ねない。もっと深刻な何かが必要なんだ。』という文があるのですが、まさにそれですよ、私が言わんとしているのは。
 もちろん超絶ハッピー人生を歩みたいですよ。でも、そんなの無理じゃないですか。それならいっそのこと、はちゃめちゃ不幸人生のほうが楽なんじゃねえのって話よ。

 だってそのことしか考えなくていいんだもの。そのことだけが生と死に直結するんだもん。それだけが人生の全てなんだ。

 キルケゴールという哲学者が、「それのために生き、死にたいと思うようなイデーを発見せよ」的な名言を残していたと思うのですが、私に欠乏しているのは、それだ。

 特に大きな幸せもなく不幸もなく、毎日プチ嬉しいとプチ悲しいがあって、その両方と、それ以外のことも細々と考えなくちゃならない。電車の乗り換えがうまくいけば嬉しいし、お腹が痛くなったら悲しいです。でも、締め切りは必ずやって来る。

 そういうことをうじうじ考えていたら、ちょうどいま受けている大学の講義で、私の考えていることをドンピシャで取り扱ってくれているものがあって、なんだか感動した。

 もうね、この恵まれた世界じゃ、「デッドオアアライブ」的な大層な悩みなんてなくて、傍から見たらどうでもいいような悩みしか生まれてこないんだよ。それに悩めるのって本当は生活に余裕があって時間にもお金にも余裕があって、ある意味幸福なことなんだけど、本人にとってはそれなりに深刻な問題、でも客観的にみたらくだらないことに思えて、誰にも相談できない。

 古代ギリシャとかローマの哲学者はみんな金持ちだからね。生活のことはぜ~んぶ奴隷がやってくれるから、暇で暇で仕方なく哲学をやってんのよ(大語弊) ちゃんと後世に残るような思想を残せたらいいでしょうけど、その他有象無象は、多分苦しかったと思うぜ。私全然哲学のこと知らないですけど、言ってしまえば、人生とは、世界とは、ってでっかい課題をひたすら小さくしてまた問いを立てて一個一個潰していってまた分からなくなったら小さくして……の繰り返しだよきっと。我々でいうところの深夜の一人反省会と変わんねえですよ。堂々巡りほど苦しいものはないでしょ。

 そこから抜け出すには、動くしかないんだよ。掃除洗濯家事労働、憂鬱な時はこれが一番。でもさ、彼らはそれが「できなかった」んだよ。だって立派な市民が奴隷と同じことするわけにいかないでしょ。


 どっちが奴隷なんだっつう話ですけど。我々は奴隷なんだよ。自分の思想の奴隷なんだ……嘆かわしや。


 私はそこからどうにか抜け出そうとして、文章を書いているのかもしれない。文章を書いているときだけは、思想を「使って」生産していられるからね。

 多分、私の性格的に何かを生み出す行為をしていないとダメなんだと思う。私は何かに飲み込まれがちで、それは自他の感情だったりその日の出来事だったり人間関係だったり……でも何か書いたり作ったりしていれば、私は全ての物事の上に立っているような気持になれるんだな。


 私平安時代に生まれていたら、日記文学で有名になれたかしら。あの時代は全部文章から始まるでしょう。人の出会いも結婚も……結構いい線狙えたと思うんだけど。
 まあどうせド庶民の家に生まれるだろうから関係ないけどね。

 何はともあれこのブログはやれるところまでやってみたいと思います。是非お付き合いくださいませ。

 それでは、この辺で、さようなら。


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