新刊ネタバレ解説と姫の考察
ISF09にて頒布した新刊「おしえてよ永遠」についての解説です。
ネタバレや裏話を多く含みますので、既に読んだ方のみご覧ください。
(解説というよりISFと新刊についての日記みたいなものですが)
はじめに
まずは読んで頂きありがとうございました。
かなり短い期間での原稿だったのではじめは「間に合うわけ、ね~~!」と友人に泣きついていたのですが、自分でもびっくりするくらいのスピードで書き上げることができました。通話等に付き合ってくださった方々には感謝の念が堪えません。
このことを言うと
「3週間で46ページなら2か月あれば100ページ描けるね!」とか原稿戦士から次の原稿をせっつかれるのですが、
一言申し上げてよろしいでしょうか?
「バカタレ」
もう二度とこんなスケジュールやりません。
2日に1回徹夜してたので、イベントで一番不安だったのは当日までに死なないかということでした。
生きてて、よかった~~~
テーマ設定+表紙について
そもそも新刊を出すつもりがなかったので、公式から二次創作同人応援ソングが発表され「何が何でも新刊を出さねば」と覚悟を決めたあとだいぶ悩みました。
解釈本にするのは前提として、まつり姫の何について語ろうか?
前回は「アイドルへの憧れ」「姫の語る”お姫様”」とは、について語っていたので、う~~~~んどうしよ~~~
う~~~~ん………
う~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ん
あっ!アイドルの永遠性について語ろう!!
ミリオンライブ!は永遠だけど
アイドル個人はいつか舞台から消えてしまうことを自覚するの描こう!!
最悪な本になることが決まった瞬間です
ということで「アイドルの永遠」「まつり姫の愛」について描くことが
決まりました。ちょうど2022BDの追加コミュで爆撃を食らっていたので、
まつり姫は永遠を望むんだね~と号泣していたPの魂を救ってあげようプロジェクトの開始です。
サブタイトルはDIAMONDJOKERからもじりました。
元々「Gives eternal brilliance to you(あなたに永遠の輝きをあげる)」の部分から「Give me eternal brilliance(永遠の輝きをちょうだい)」に変えて、元の歌詞に近くなるように「Give eternal brilliance to me」に変更しました。
*間違ってたら笑ってください
表紙に散りばめている文字についてもちょっと言及しようかと思います。
かなり雑英語なのはご容赦ください。
【表表紙】
・What is (eternal)? …「永遠」とは何か?
・FOREVER NEVERMORE …永遠なんてものはない
・Swear eternity swear memory swear ××××
…永遠を誓って、記憶を誓って、××××を誓って
【裏表紙】
・I wish you were eternal …あなたが永遠だったらよかった
・NEVERMORE …二度とない、決してない
(エドガー・アラン・ポーの詩「The Raven(大鴉)」からもじりました。要約すると恋人を失った男の下に大鴉が来て「NEVERMORE(二度とない)」と繰り返して喪失と狂気を”わからせ”る話)
鴉が好きなのでよくモチーフとして使います。
今では死や不吉の象徴ですが、昔は太陽神や信仰の鳥として扱われていたりして、案外「生きる力強いもの」としてのメタファーが含まれるのが好きです。あと灰羽連盟がバイブルなので。
灰羽連盟を見よう!!!!!!みんな!!!!
あと表紙のまつりちゃんは笑顔でPを見ていて、裏表紙は涙を浮かべています。いろんな感情が彼女にもあるはずなので。
ついでに表紙のまつりちゃんは左手薬指に緑のリングをはめています。
狂っちまったからよお……
このセリフでよお…………!
表紙は二人が話し合ったあとのシーンを想定しているので、永遠の約束、という象徴で描き足しました。
たぶん誰も気づいてない。
衣装はオリジナルです。かわいい服を着てほしかったので。特に意味はありません。まつり姫は最高かわいい衣装を着てないとおかしいから…
本編
演出について
読んでくださった方ならわかるように、今回はミリオンライブ!シアターデイズというゲームをするプレイヤー(P)へのメタ的な演出をところどころに入れてます。
後半はもちろんなんですが、ちょいちょいこういった
Now Loadingの挿入を行いました。
この本の内容全てが繰り返されるゲームの中である、という感じにしたかったです。
また繰り返しの象徴としては「星」を用いました。
これはつまりちいかわの黒い星ですね。そういやそうじゃんと後から気づきました。ヤーッ!
あと自己満な部分でいうと
35号室はパソコンのエンドキー?のキーコード35から、つまり「終わり」の場所の暗喩を託しました。
このあたりから原稿中「ほんとにはやく終わってくれ」とぶつぶつ言ってたので描き手の暗喩でもありますね。
ちなみにウミウシのキーホルダーはまつりちゃんとおそろいの設定です。
LINE画面はPがうだうだ言い訳やら謝罪のメッセージやらを連投した記録が残ってますね。既読無視なあたり姫もたくさん悩んだみたいです。
これはたぶんわかりやすいですね。
SR「姫の宝物」からの引用というかもじりです。
本来は姫がPに向けて言っている台詞なんですが、このときより強く永遠を望んでいるのはPなのでPの台詞にしました。
のちほどPの心境については別で記述します。
背景をチューリップにしたのは花言葉が好きだからです。
チューリップは本数とか色によって花言葉が変わるのですが、ここでは白いチューリップを想定してます。
「失われた愛、新しい愛(再生)、許してください」だったと思います。確か。Pの繰り返しの最中なので、何度も新しい姫と愛を育み、それを捨て、失い、また培う。私をあなたは許してくれるよね?という感じです。
もーだいたいニュアンスです。ニュアンス以外で漫画描けないです。
姫が引退を匂わせる?(ほんとに匂わせなだけで別に姫はこのとき引退を決めたりはしてないつもりです)シーンで「忘れないで」って言葉を選んだのはグリのイベントコミュからの影響です。
ま、まつり姫~~~~~~
哲学のお城がすごいよ~~~~~~~~~~
そして、問題のシーンです。
(本気のネタバレになるのでもしまだ読まれてない方は「本読むつもりないよ」くらいの方以外は目を止めてください。面白さが0になっちゃうので)
こんなに頑張って描いたのに…お前!!!
粉々にしおって!!!!!!!!………お前!!!!!!!!
このページが一番描きたかったとこです。
リスタートミッション、運命の再会ガシャ、ヤリオナシボタン、エンドレスコミュ、などなど越境もありつつ色々描きました。
そして粉々にしました。あ~~~……
このシーンが表紙のホログラムの種類をクラックドアイスにする決定打でした。ホログラムPPずっとやりたかったので嬉しい~~
次はミランダスノーホワイトかニス盛がやりたいです。
(特殊加工大好きで〜〜〜〜す)
オリPと姫の感情進行について
なるべく「ふつうの」Pにしようと心がけました。
まつり姫のことが好きで、徳川まつりちゃんのことが好きで、彼女が永遠たれと望む、ふつうのPにしようと思って特に特殊設定はありません。
名前もありません。
徳川まつり姫のPをしていると、時々無力感に襲われます。
彼女はとても19歳とは信じられないくらい賢くて、美しくて、芯があり、望みがあり、野心があり、彼女のプロデュースをするのに、自分なんて足りないものだらけではないのか。彼女のセルフプロデュースで全ては完結しているのではないだろうか。
まつり姫のプロデューサーという立場は、本当に自分にふさわしいのだろうか。
でもきっと、まつりちゃんがPに求めているものは他の子とは少し違うんですよね。築き上げたまつり姫の世界を「守ってくれるひと」、まつり姫をまっすぐ愛して、彼女のワガママを許してくれる、そんな騎士様。
それが徳川まつり姫のプロデューサーなんだと思います。
だからこの本のPはすこしおバカさんです。
まつりちゃんの決めたことに異を唱えられないし、いつか終わりが来ると言う現実から目を逸らすし、まつりちゃんの隣ではなく、後ろをずっと追いかけているように感じてる人です。
だからまつりちゃんがループに気づいたとき、自分のやっていることが正しいと信じられなくて泣きわめきます。「正しく美しい」姫の目を見られなくて目を逸らします。泣き縋ります、まるで神様に断罪されたくない信徒みたいです。
あわれだね~~~
でも姫としては、「言ってほしかった」という怒りと悲しみの気持ちが強いです。終わりたくないと望むのは姫も同じだけど、それは話し合うしかない。今をまっすぐ生きるために、美しく終わりを迎えるために。ただPが姫から目を逸らして逃げているのが苛立つんですね。
ずっとPはまつり姫の虚像を追いかけていたようですけど、"わたし"はずっとあなたの隣にいるのに。
私を見てよ。そういうことでした。
逃げるな卑怯者‼
逃げるな‼‼‼
そういうことですな。
基本的に私はPとかいう立場に甘えて姫という最高のアイドルの愛をただ享受してるやつのことが嫌いなので、終わりでは姫にたくさん叱ってもらいました。
シャルシャロドラマCDにあるように、姫は少女性を脱して「大人になる」ということを肯定的に受けとめる子なので姫から何かを教わる、という構図にしがちなのはそろそろどうにかしたいです。
だって姫がすごすぎるんだもん……
Pとアイドルという関係性の間に「愛」という名前のつながりがあるならば、それは互いに「不可逆な刹那のきらめきを愛する」ということがわかっていないと成り立たないよね、というポエムでした。
桜なのは姫の永遠を誓う台詞として「私を忘れないで」という言葉を選んでいたので、花言葉が一緒なやつにしました。
余談ですが原稿中「姫のさよならの言葉というか、引退を匂わせるセリフって何?」と同担Pたちに相談させて貰った時、色々出して貰ったのに結局最初に自分が考えたやつを使ったことをここに謝罪致します。申し訳ありませんでした。ヘケッ!
総括
2人はどこかのタイミングで「永遠の約束」をしていたよ~、エンディングはあなたがきめられるよ~というオチなのですが、びっくりしてくれたら嬉しいです。
きっと何度繰り返しても、徳川まつりさんはPを許します。それが彼女の愛の解答だから。
アイドル(偶像)を永遠にするために、終わりを美しく迎えよう。
私たちはゲームのプレイヤー、でもプロデューサー。
彼女たちを愛そう。彼女たちをリアルに考えよう。彼女たちの一生に、花を手向けよう。
そんな本でした、ありがとうございます。
つまりほぼレヴュースタァライト劇場版です。
劇場版を見ればこの本を読む意味はありません。ありがとうございました。
そういえばあとがきに書いているのですが、
この詩は友人に頼んで書いてもらいました。天才じゃんね♪
あとがきに記載するために詩にタイトルをつけて~とお願いしたら、
友人『「それはきらめき」でお願いします』
私「すごい!エモい!ありがとう!」
友人『「おしえてよ永遠」への私なりのアンサーです」
と送られてきて、
私よりこの本を理解するな!!!!!!!!!????
めっちゃキレてしまいました。ごめん、友人。
殺傷力の強い本にしたかったので、当日売り子さんに読ませたら泣いてくれて嬉しかったです。やった~~~~
たくさん同担を殺したいな♪
よければ感想等マシュマロに貰えたら嬉しい!です!よろしくね!モチベだからね!一言でもいいからね!
よろしくね!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
https://marshmallow-qa.com/taigainise_ya?utm_medium=url_text&utm_source=promotion7u
ISFというイベントについての日記
すんごいおまつり!
シンプルな感想はこれです。
Pになってから1年と半?が経ちましたが、なんだかまだまだ新人Pな気分で過ごしています。周りの方々がすごすきるので…
インターネットお絵描きマンとして細々とやってた頃から考えると、アイドルマスターというジャンルは本当にすごいです。何年も(下手したら10年以上)このジャンルを愛してる人たちがいて、ものすごい規模で、どんどん新しいことがあって……
今回はそのジャンルの”凄さ”を体感したようなイベントでした。
一応去年の歌姫28には参加しており、ミリオンライブの同人イベント、というものには参加経験があったのですが、その時は567の影響もあり欠席の方がほんとうに多かったりして、落ち着いた雰囲気でした。
なので今回どんなに「ISFは違うぞ!」と言われてもあまり実感がわかず、一応気合を入れて準備はしたものの、当日……
や~~~~~……
ね………
その…………
かよわいオタク、気を失っちゃった……
何度か友人の有名ジャンルで売り子をしたこともありますが、こんなにたくさん人がいるイベントは正直初めてです。コミケやん。
たくさんの人が本を読んでくださったり、人のすごい本を得られたり、初めて対面でご挨拶ができたりと嬉しいことばかりでした。
また絶対出たい!と思うのですが、ちょっと個人の事情で来年のイベントは参加が難しそうでして…今回参加できて本当に良かったな~と思いました。
【イベント中の思い出】
・開場後30分でサークル「虚無」になっちゃって己を恥じた
・当たり前だけど男性が多くてびっくりした(シャニとかは女性が多いのかと思ってたから)
・BGMがずっと繋がっててずっと楽しかった
・喫煙所が「特異点」みたいな雰囲気だった。
・生「チャーハンを作るぜ!」を聞けて楽しかった
・初めて会うサークルさんにキモオタ挨拶かましてしまい死のうかと思った
・なんか気が付いたらコインが減ってすてきな本が増えてて嬉しかった
隣で参加してくださったサークルさんにも売り子さんにも大感謝です。今年度中にもう一冊くらいは描きたいと思っております!
長文読んでくださったそこの貴方!
マジでありがとな!!!!!!!!!!!
羽落(うらく)