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ゴダール

 どうも、暑いですね。

 ゴダールの映画にハマりまして、王道の「勝手にしやがれ」「気狂いピエロ」の2本と「イメージの本」も見ました。「軽蔑」とか「女と男のいる鋪道」も見たかったのだけれど、U-nextの無料お試し期間が終わってしまって、、、

 残念だけれど、なにせ金がない大学生という身分。断念。また今度。

 さて、ゴダールの作品、パンチラインが多め。頭に残る、反芻したくなる。そんなセリフが多い。まあ、所詮は翻訳されたものなのだけれど。だから語学って、文化に生きるなら、大事だね。微妙で繊細な感覚まで拾いたい、フランス語も勉強したくなってきてます。ああやることが多い。

「女は8秒後には寝ない、8日後ならいいと言う、8世紀にしちまえ」
ーーームッシュ・ベベルが一度寝た女に再度迫るも、断られすぎてベッドの上でいうセリフ。いいよなあーーー、愚痴にセンスがある人って好きなんだよね。

"Between grief and nothing, i will take grief."
ーーーその短髪女がウィリアム・フォークナーの「野生の棕櫚」から引用するセリフ。ベベルは考えが違って、nothingの方を取るらしい。俺はgriefです。ベベルの方が正しいと思うけど、弱いから悲しみを何にもないよりはいいかと思ってしまう。弱いね。センチメンタリズムに自惚れてるだけかも知れない、女はだいたいそう。
ちなみにこのフォークナーの「野生の棕櫚」だけど、役所広司がどっかの映画のなかで読んでるらしい、なんの映画か忘れたけど。ーー追記Perfect deysらしい。
訳は大久保康雄のやつがいいらしいですよ、英語なので原文でも読めるでしょう。

「人生最大の野心は?ーーーー不老不死になって死ぬこと」
ーーーライター?(うろ覚え)志望の女が、なんか有名らしいおじさんに質問するシーン。めっちゃいいです、このおっさんの答え。すごく気が利いてるから。

以上がBreathless(邦題:勝手にしやがれ)の方

「目は景色」
「口は言葉と化す擬音語」
ーーーいやあ、痛烈ですな。結局言葉なんてオノマトペだって。でも比較的正しいのでは。皆さんも思っていることを鮮明に明確に表現できることの方が少ないでしょ。

「観光客は現代の奴隷」
ーーーすみませんでした。隷属してます。現代の下僕。

「君のヒザに手を置く、僕は幸せになる、人生とはそうあるべきだ」
ーーーこの記事を通して一番好きなセリフ。言葉以上のものが感じられます。

「見つかった
 何が?
 永遠が
 海が
 太陽にとけこむ」 
これは有名。ランボーの詩。翻訳が色々と出ているみたい。ここで書いたのは柴田駿訳。これで映画が終わる。フランスが文化の最高峰といわれている理由が、なんとなくわかる。ただただ美しい。

以上がPierrot le fou(邦題:気狂いピエロ)の方。
 
 ここで俳優の話に移りたい。ゴダールの映画によく出てくる、”ベベル”ことJean-Paul Belmondoです。彼、演劇学校一回落ちて、バイトで食い繋いで、もっかい受けて、受かったらしいです。適当にWikipediaみました。彼いいですよね、ペラペラとプロット的にはなんの意味もない、しかし示唆に富むセリフを言うのが抜群に上手い。”それ”として成立している感じ。まさに俳優。
 続いてアンナ・カリーナ。ゴダールの奥さん。彼女もまさに女優。女心は秋の空模様とはよくいうけど、その演技(もしかしたら彼女の性質そのものかも)が最高。女をよく表してる。セックスシンボルはマドンナだけど、”気まぐれシンボル”なるものがあれば、アンナ・カリーナに一票。

 
「戦争は神聖である」
「革命はまさしくその根本において愚の骨頂」
ーーーとりあえず1984年読んでください。

「そんな愛でも、君はあの男と寝たんだからね」
ーーーこの一文だけで物語が浮かび上がってくる。

「エジプト人は皆、王の末裔だと思っている」
ーーーこれはジョークですか?

「悲しみ方が足りない、悲しみ方が足りないから世界は良くならない」
ーーーあえていうが、これは深い。

「表象する行為の暴力性と表象そのものの内部に宿る静けさ」
ーーー極めて恣意的主観的なものが、客観性をはらむ。。

「偏見が生じるのは、物事を知らぬからでなく、自分を知らぬからだ」
ーーーあらゆる一切は、全てお前の内にある。梵我一如、tattvamasi

「希望は過去と同じく不変」
ーーーそうあって欲しいと思いますが、しかしこれは理想ではなく現実でしょうね。およそ人は絶望の淵にあっても、光を見出すものです。太宰もなんかそんなこと言っていたような。

以上、The image  book(邦題:イメージの本)


 よく芸術一般(本、映画、音楽)で「良い作品は歳を取らない」っていうけど、それってつまり、現代性を失わないということなんですよね。いつだって現代の人の感覚に刺さるものがある、意味との戦いに勝つ、時代を超越した普遍性を持ってるわけです。もちろんゴダールの作品もそれに当てはまるでしょう。僕もいつかそんな作品を残したいね。今度Unext入り直して、ゴダール研究したいと思います。





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