AC6感想 少しネタバレあり

見て楽しみが減る程度のネタバレは避けたつもりですが、ひとによって受け取り方が違うと思うので一応プレイ済み推奨です。
なお、シリーズ未経験です。





総合的な評価として凄く面白かった。

 普段ロボゲー全然やらないから、ロボゲーとしての評価は下せないけど普段ロボゲーやらない人間でも楽しめる出来だった。
難易度はかなり高いけど、後半になるにつれ性能よすぎるパーツがどんどん解禁されていくから強いパーツを使って行けば
ロボゲーやらないそれほどアクションゲーム上手くない人間でもなんとかなるようになってるのは良い。

今一な所

 駄目な所は序盤の大ボスであるバルテウスがシリーズ経験者やソウルシリーズ愛好者前提みたいな難易度で、レベルデザインとして明らかに間違っていた所くらい。一定以下のゲームスキルやゲームシステムの理解だと、全く敵のAPを削れないようになっていて繰り返しても進歩を感じることすらできない。攻略を見てゴリ押す事でなんとか突破できたが、このボスだけは攻略をみないと絶対にクリアできなかったと思う。そんな、バルテウス戦だけは擁護できなかったけど早々に修正されたようなので人にお勧めしやすくなった。
 バルテウス以降はシースパイダーは結構難しかったけど、繰り返すたびに進歩が見えたので楽しく繰り返しやすく。他の高難易度ボスも強武器使って短期決戦すれば敵の攻撃パターン覚えず全部同じ戦い方でもごり押せるから良くできてる。

ストーリーが凄く良い

 ただロボット操作して戦うゲームとしても洗練されてて十分に満足できる面白さだけど、始める前は全然期待していなかったストーリー要素がすこぶる良かった。

上質なロールプレイ体験

 アクションゲームなんだけど、主人公が所謂ドラクエタイプの寡黙さで感情移入しやすくロールプレイングゲームのような感覚で遊べる。敵味方問わずめっちゃ強さを認めてくれるから実際操作はおぼつかず無双系ゲームみたいに無双できなくても、自分はこの世界での強者であるという錯覚を得られやすく楽しい。進行するにつれストーリー上の立場も、人を選ばない依頼を受ける傭兵から、名指しで仕事受けるようになり、自分にしか任せられない仕事を請け負うようになっていく傭兵としての評価の変化がわかりやすく表現されている。それにあわせて、他のキャラクターとの関係も親密になったりライバル視されたりと、人間性ではなく戦闘の技量だけで変わっていく所が面白い。まさに実力社会の傭兵ならではのロールプレイ体験ができる。
 この作品は、そういった傭兵をロールプレイングするだけじゃなく、奴隷市場で廃棄寸前だったものが暗殺者として育てられたみたいな立場のロールプレイ体験まで出来る。こういった立場の主人公のロールプレイってのは中々貴重でそうないものだと思う。基本的にストーリーは決められた流れを見て行くだけだけど、物語の終わりに、最後まで主人のために尽くすか傭兵稼業を続ける内に出会った者との道を取るかって二択を迫るのがニクイ。そこでの展開が兎に角心をえぐるもので、客観的に見ると良く出来た流れの理想的な話だけど感情移入したものにとっては辛すぎる展開があって実に情緒に良くない。見るんじゃなかった…でも見てよかった。みたいな自分の中で自分の感情を制御できなくなるえげつないものだった。劇薬を味わいたい人には是非。

魅力的なキャラクター

 このようなストーリーの根幹にかかわるキャラが物凄くいいキャラなんだけど、それ以外のキャラも魅力的なキャラが多い。そういうキャラ達と色々な因縁を抱えることになるので、オタクがみんな好きな因縁の相手との一対一の戦いみたいなのを何度でもお代わりさせてくれる。贅沢。相手によっては一体多数になったりするけど、一体多数にしたほうが一対一の戦いにするよりかえって盛り上がる。という展開もつくってみせてくるのが凄い。相手側が正義側で、此方側がボスとなって数で押し切られるみたいな体験も中々他のゲームで味わえないものがあって凄く新鮮な体験ができる。
 魅力的なキャラクターが多いが、何より声のチョイスが凄く良い。ウォルターやエアなどの最も近い位置にいるキャラは、敵か味方なのかわからないような色々解釈できる声質や演技の仕方だけど、鬼軍曹キャラ。さわやかイケメン。姉御肌。計算高い悪。などサブキャラ達はちょっと声を聴くだけですぐキャラクター性を理解できる分かりやすさが良い。キャラクターの絵がない所をわかりやすいテンプレ的な声質、演技で補ってイメージしやすくなってるというのはよく考えられてる。

皆も情緒を破壊されよう

 こういう感じで、ロボットアクションゲームとしての楽しさがありつつも、それ以上にストーリー性とロールプレイ体験の質の高さが秀でているので凄く面白いといえる。
なので、あんまりロボットゲー好きじゃないなーって人にも是非遊んでみて欲しい。そして情緒を破壊されてもだえる姿を俺に見せてくれ。

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