「アバター2」イルカショーと太地追い込み漁について<前編>

長いので2回に分けたいと思います。

昨年になりますが、ジェームズ・キャメロン監督のアバタープロモーションで一時期批判されていましたが、なぜ、こんな演出をしたのか理解に苦しみましたよね。

オリンピックの時も、外国選手から批判されていたのに…。なぜ、今こんなイルカの虐待ショーを利用したのか?しかも、アバターの映画の内容・テーマを理解していたら、相反するポリシーということは、誰にだってわかるはずですよね。

50年前から、情報が更新されていない、日本は鎖国しているのか?というくらい、この認識の遅れは、異常だなと驚愕しました。マスコミですらそれなのだから、もはや先進国とは到底言えないですよね。

そんな動物福祉後進国だからこそ、象牙の密輸や、アメリカ競馬にも利用されているとも言えますけど。(アメリカではサラブレッドのトサツが禁止されているので、船輸で日本に生きたまま運ばれている)←途中死ぬ馬も沢山いて、「移動の苦しみ」をもたらすとし、アニマルウェルフェアに反していると言われています。

そもそも、日本がやっている太地の追い込み漁についても、未だに、知らない人がいるんだなぁと驚きました。追い込み漁をリアルで見たことがないんですね。漁の時期は毎日配信していたのに。

群れごと絶滅に追い込んでいるのがこの太地追い込み漁ですが、そもそもこれは、伝統でも文化でもありません。イルカを絶滅に追い詰めている(既に回遊がなくなった種類も沢山いる)追い込み漁は、たった24人前後の漁師さんがされている。そのために、税金も沢山使われています。


ほんの50年くらい前に始まった、現在は太地だけがやっている生体販売のための残酷な漁です。肉のためでもありません。

JAZA所属の水族館では野生イルカの使用が禁止されているので、脱退している水族館では次々とイルカが死に、また仕入れて殺している。
そのことに批判の声が絶えません。
水族館が、種の絶滅に加担しているのです。
また、水族館自体で、イルカの飼育は向いていないため、常に大量の薬を飲まされ、自傷、自殺ともいえる行動をしているイルカも少なくないのです。



野生のイルカを使用禁止にしている国は多く、韓国でも昨年禁止になりました(つまり、太地からの輸入が禁止)
なのにこんな土地が狭く、環境が最悪なのに、日本はイルカを飼育している水族館がめちゃくちゃ多い!

「イルカは魚だ」という漁師。魚と同じとうそぶきながら、目的は生体販売なわけです。
犬や猫と同じとみなしているわけですね。イルカの情の深さや、仲間を大事にするところ、賢さや可愛さを認識した上で、捕獲してるわけです。
言ってることと、やってることが違う。

イルカのこういう習性を逆手にとって、大虐殺をしている。
綺麗なイルカだけを拉致して水族館に売っているわけです。

そして、激減し、絶滅に追い詰めている。
たった24人が大金を稼ぐために。それを国が許しているということ自体が、異常だと思います。

野生イルカの捕獲自体、禁止にしている国は沢山あります。
時代の流れにより、転職している人は沢山います。
静岡でも、イルカを乱獲しすぎて、ホエールウォッチングに切り替えています。

なぜ、乱獲し、絶滅に追い詰めてから禁止にするのでしょうか。
そうなってからの復活は無理と、トキや、ニホンカワウソなどの時に学ばなかったのでしょうか。

https://www.dolphinproject.jp/dolphin_hunting/

漁を見ていてもその恐ろしさは、常軌を逸していると思いました。
赤ちゃんの前で母親も殺し、激しいストレスにさらされ、家族を殺されたイルカが海に捨てられても生きられる保証はありません(子供のイルカは翌日死んでいることも多い)。

私も何度も、LIAの配信を見て、イルカの子供の死体が浮いているのを見ました。また、群れを分断され、捕獲された仲間を心配して戻ってきた同じ群れがまた殺されるということもありました。太地の一角に、イルカが大量に捕獲され、監禁されています。台風の時などにけがしたり、死ぬことも多いのです。

モリ一本で立ち向かっていた時代ならいざ知らず、浅瀬に追い詰めて、狭い水族館に絶滅に瀕しているイルカを拉致して虐待するというのはとても時代錯誤な行為ですよね。

昔は血に染まったイルカ漁でしたが、現在は残酷に見せないために、呼吸穴に差し込んで窒息死(イルカにとっては、長く苦しむ)をしているとのこと。血が以前より、沢山流れないようにされているそうです。

しかしその横では、「イルカと一緒に泳げる」湾があり、目の前で家族を皆殺しされたイルカが、食事と引き換えに人間を楽しませる。

ヒレを掴み、喜ぶ人間たち。「癒された」と口々に高評価を付けている。また、短時間餌をやるだけなのに、高い料金を取られています。
JAZA所属ではない私有地であり、見に行くことが難しいため、虐待されていても、殺されていても把握できる人はほぼいない。水族館のように責められることもなく、こっそり入れ替えればよいだけ。
水族館のショーも虐待です。プールサイドに落ちて死んだり、悲劇を何回も起こしています。
ただ、誰も知らないうちに虐待されている可能性のある、ドルフィンスイムだったり、生け簀にとらわれているイルカは、隠ぺいされやすいのではと思うのです。

犬猫の虐待には敏感な人たちでも、虐待されていても餓死寸前でも笑っているように見えるイルカの表情のため、客は、自分が虐待に加担している意識が低いのです。

でも彼らは日々孤独やストレスで苦しみ、我が子や家族や仲間が殺された心の傷を背負っています。目の前には海が広がっているけれど、逃げられない苦しみ。いつかその監獄から出たいからこそ、殺されないために、我慢しています。人間は恐ろしい生き物と彼らは身に染みています。
もし子供を噛めば、殺されることが分かっているのです。

イルカが人をかんだ、というニュースがありましたが、かまれて当たり前ではないでしょうか。どんな気持ちで、楽しそうに泳ぐ親子を見ているのでしょうね。

世界では、リハビリをして、海に返す試みを何度かしています。
韓国でも一頭だけでは失敗してしまったそうですが、つがいのイルカは、お互いを励まし合って、うまく自然の群れに戻すことに成功しています。

https://www.dolphinproject.jp/dolphinrelease/


捕鯨の歴史があると威張るなら、その知識を生かして、太地で、リハビリを率先してやってはどうかと思います。その方が、クラファンや、世界からの支援も得られやすいのではないでしょうか。


そもそも、30年くらい前から、水族館でのイルカ飼育自体が虐待にあたると世界中で飼育の終了(日本でも)が進んでいます。
品川水族館も、2027年度にリニューアルオープン後は、イルカショーを含むイルカの展示を終了します。イルカショー自体をやめ、ドルフィンウォッチングに切り替えている水族館や、VR水族館なども登場しています。

水族館では、イルカの寿命は野生で50年としたら、1,2年~5年程度と極端に短いと言われています。100kmも泳ぐこともある生き物を、狭い水槽に閉じ込めて死んだ魚を食べさせているのだから、虐待以外の何物でもないですよね。


私も漁を見ていましたが、何時間も、船から必死で逃げるイルカ達の群れを分断し、追い込み、赤ちゃんや子供だけ捨てる(捨てられても、親や群れがいないと死んでしまう)。母親のイルカが必死に子供を助けようと暴れ、それをイルカトレーナーも一緒にはがいじめにして殺している姿を、水族館に訪れる方々全員に知ってもらいたいです。
イルカのトレーナーにとってイルカは、利用するか殺すかだけで、愛情などないということが分かります。



日本を回遊しているイルカは、乱獲されすぎて激減しています。水産庁による捕獲枠が甘すぎたこと、それが伝わっていないこと、厳罰化されていないことなどからいつ絶滅してもおかしくないほどの数に減っています。
なのに、群れ事拉致して、数頭殺して戻すという漁をしています。
「数は殺していないからセーフ」とされていますが、実際は、群れの中核を担う若いイルカだったり、リーダーだったり、子供や赤ちゃんをも守る母イルカだったり、群れが消滅していくような漁なのです。

そもそも、イルカは3年に1度しか子供を産みません。さらにその子供が大きくなり、群れを形成するのに10年以上はかかります。なのに毎年太地で9月から2月末まで群れごと分断されたり、ぐちゃぐちゃに殺されています。

決して、食べるものがほかにないとかではありません。
伝統や文化でもありません。
殺されたら1頭1万程度。生体販売は100万以上。彼らが大量に殺戮し、激減したハンドウイルカなら、もっと高く売れる場合もあります。
漁師の方がたを邪魔している人などいないのに、大がかりな警戒警備をして、税金を大量につかい、水上警察まで出動しています。
そのくせ「親子は殺さない」「子供のいる群れは逃がす」約束は平気で破り、動物虐待は取り締まらず、「鯨に感謝」と口だけのピーアール活動を繰り返したり、太地のトイレを立派にしたりしています。
世界中でサーカスの動物利用も禁止されている時代に、残虐非道な生体販売は、日本の恥ですね。


イルカが魚を食べるから魚がとれない、というのも大嘘です。
国外の捕鯨をしていない国の方が、はるかに漁獲量が高いのは、それだけ徹底的に制限され、子供の魚を捕らないなど、安定した水産資源を管理されているからです。日本は、鮭のイクラだけ奪って殺すような密漁も後を絶ちません。そのせいで、熊の食糧を奪ったり、町に出没させてしまうことにもつながっています。



後編へ続く


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