岩合光昭写真展「PANTANAL パンタナール」を観て
私は岩合光昭さんのファンである。
元々は「猫の写真の人」という認識であったが、数年前から写真を趣味にするようになって、岩合さんの撮る生き物のありのままを切り取った一瞬の写真が大好きになった。
数年前に地元で行われた「こねこ」展のトークショーに参加し、購入した写真集にサインをしてもらった。
ファンといってもいいと思う。
今回は、地元静岡県にある「佐野美術館」で岩合光昭さんの動物写真展が行われているということで、行ってきた。
佐野美術館のある三島市までは、車で1時間くらい。
車の運転が得意ではないが、練習がてら高速を使って行くにはちょうど良い距離である。
佐野美術館は三島市の実業家だった佐野隆一氏のコレクションを収蔵する美術館のよう。あまり大きくはないけれど、私好みの特別展をしてくれることが多く、毎年のように訪れている。
ちなみに、10月からは大好きな動物彫刻家「はしもとみお」さんの展覧会が行われる。
大好きなのに、まだ実物の彫刻を一度も見たことがないので、すごく楽しみにしている。
さて、写真展「PANTANAL パンタナール」である。
パンタナールは名前の漢字から、なんとなく東南アジアが中央アジアに位置していると思ったが、南アメリカ大陸のブラジルとか、あのあたりだった。
世界最大の湿原地帯らしく、近年はスポーツフィッシングや野生のジャガーを見るための観光地として有名らしい。
かなりの作品数で、どれも迫力があってすごく良かった。
岩合さんの写真の好きなところで、彼の動物たちへの畏敬の念を感じるところにある。
生き物が好きで、野生の生き物たちへの憧れに近い気持ちが、写真に滲み出ている。
朝焼けを見つめるパラグアイカイマン(あまりに近すぎて、びっくりする)
自分より大きな獲物を捕らえるジャガー。
カピバラの命を懸けた俊敏さがわかる一瞬。
切り立った崖を舞うコンゴウインコの鮮やかな美しさ・・・。
自然の、ありのままの、野生の動物たちの完璧な美しさが溢れていた。
動物園を否定するわけではなく、ああいう施設はこういった野生の動物たちを保護する上でも、必要な場所ではあると思う。
でも、この写真の中にいる神々しい美しさには敵わない。
野生の動物たちは日々生きるために狩りをし、また身を守るために生きている。
あるべきものがあるべき場所にいる美しさ。
私は断然、こっちの方が好きだなと思った。同時に、この美しさを奪っているのが人類であることに、やるせなさを感じる。
この美しさを理解できるのは人間だけなのに、それを奪うのもまた人間なんだから。
アメリカバクやオオアリクイの野生の姿は初めて見たし、パラグアイカイマンが群れをなしている写真や、カピバラの群れの写真も良かった。
カピバラは、なんなら動物園のカピバラより野生の方が綺麗な気がする。
オオアリクイも、野生なのに毛並みがすごく綺麗。
パネルの説明を読んでいると、よくわからない虫に刺されまくりながらの撮影で大変そう。
虫が大嫌いな私には、到底現地に行くなんて難しそう。
そういう意味でも、好きな写真を撮ってくれる方が、こうして現地で撮ったものを見せていただけるのは大変ありがたい。
写真を見ているだけで、岩合さんのその時の興奮が伝わってくるような写真ばかりで、本当に観に行って良かった!と心から思えた。
美術館から日本庭園を挟んだところに食事処があり、そこでランチにする。
日本庭園を眺められる席に案内してもらった。
前にきた時はもっと混んでいた印象だが、平日だからかお昼時でも空いていて、給仕をする店員さんも一人しかいなかった。
お茶のいっぱい入った急須を最後に出してくれたし、のんびりお庭を眺めながら食事ができて良かった。
タイカレーを食べたが、ココナッツの風味がある本格的な味だった。
辛かったけれど、すごく美味しかった!
三島大社に寄ろうと思ったけれど、駐車場が混んでいたので諦めて、大社の近くにあるお肉屋さんで「三島コロッケ」を夕食に買う。
三島コロッケは、じゃがいもがほっこりして粘り気があって、私はかなり好きな感じ。また機会があったら買おう。
帰りの道中で、富士川SAに寄る。上りの方が大きくてお店も多いんだけど、上りに寄ったことがない。
ソフトクリームがどうしても食べたくて、「富士山ソフト」を買って食べる。
下の方がラムネ味と書いてあったが、ラムネ感が全然わからなかった。
でも、美味しくはあったので良し!
久しぶりのドライブで、楽しかった。
少しずつ、車で行ける距離も伸ばして行きたいと思っている。
佐野美術館には、また10月の展示で!すごく楽しみだ。