服用中の薬について知っておこう~添付文書~
薬は一般的に,医師の処方箋に基づき病院や薬局でもらうものと,薬店やコンビニなどで手に入るものがあります。医師の処方箋に基づいて出してもらうものが医療用医薬品,薬店やコンビニなどで手に入るものが一般用医薬品です。
添付文書は,その薬の使い方,注意事項,特徴などをまとめたもので,薬を正しく使うために欠かせない情報を掲載しています。薬店やコンビニで購入した一般用医薬品の箱の中に入っている説明書が添付文書です。同じように,医療用医薬品も箱の中に添付文書が入っていますが,通常,医療用医薬品は箱ごともらうことはなく,必要な量だけを薬袋に入れてもらうので,その添付文書にお目にかかることはほとんどありません。しかし,薬を服用する人の中には,その薬がどのような特徴を持っているのか知りたい人もいるでしょう。私個人的には,薬の特徴をしっかり理解したうえで服用することをお勧めします。そのためには医療用医薬品の添付文書も読んでおいたほうが良いということになります。
さて,その医療用医薬品の添付文書ですが,実はパソコンやスマホで簡単に,もちろん無料で見ることができます。今回は,その添付文書の入手方法をお話しします。
まず,パソコンやスマホのウェブブラウザ(Microsoft Edge, Google, Safariなど)を起動して,「PMDA」または「医薬品医療機器総合機構」を検索し,そのホームページへ移動します。あるいは,検索せずに直接「https://www.pmda.go.jp」というURLを入力すれば,PMDAのホームページが開きます。そして,最上段に「PMDA独立行政法人 医薬品医療機器総合機構」と記載してある直ぐ下に「添付文書等検索」という表示があり,その右に「医療用医薬品」と記した紺色のボタンがあります。それをクリックすると,「医療用医薬品 情報検索」という画面に変わります。
その検索画面の左側にある「一般名・販売名(医薬品の名称)」の下の空欄に,調べたい薬の一般名または販売名を入力し,その下の「検索結果一覧で表示する文書を選ぶ」で「添付文書」にチェックマークを付けます。他にもチェックが付いていたら今回は必要ないので外しましょう。
次に上方部にある「検索」と記した紺色のボタンをクリックすると,その検索結果が表になって現れます。その左側から「一般名」「販売名」「製造販売業者等」「添付文書」の順に表示してあります。その薬を製造している製薬会社が複数あったり,錠剤や注射剤など剤形が複数ある場合は,それらがすべて載っています。その中から,知りたい薬の剤形に合わせて,錠剤なら「・・錠」を選びますが,その後に「・・mg」という表示が複数あるなら,手元の薬のシートで確認して,ミリグラム数が一致するものを選び,その添付文書をクリックしてください。また,異なる剤形のものが同じ添付文書にまとめて載っている場合もあります。添付文書はフォーマットによりPDF版の他に複数(HTML, XML, SGMLなど)用意されているので,お好みのものを選ぶと良いでしょう。それらのうちPDF版は実際の添付文書そのものを見ることができるので,個人的にはとても見やすくお勧めです。また,添付文書は製造販売業者(製薬会社)が複数あれば,それと同じ数だけ用意されていることもありますので,手元にある薬の製造または販売業者のものを選びましょう。あるいは「PDF」という表示の右に作成年月日が添えてあるので,一番新しいファイルを選ぶのも良いでしょう。もしかすると,記載してある情報が少し新しくなっているかもしれません。
さて,医療用医薬品の添付文書に記載してある情報は,医師・薬剤師向けですから,専門的な用語も多く,分かり難いところがあるかもしれません。そうすると,載っている情報をすべて理解するのは面倒ですし,また,服用する人にとって特に必要ではないものもあります。そこで,服用する人にとって大事な情報になる「効能又は効果」「用法及び用量」「特定の背景を有する患者に関する注意」および「相互作用」という項目に載っている情報を中心に読んでおくことをお勧めします。
次回は,添付文書に記載してある内容について,個々にお話しします。