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「夜中のキャバクラ嬢からの電話」の巻
まだLINE電話もない、ガラケー全盛の時代、いや、ポケベルだったかな〜?もしかしたら伝書鳩を使っていた時代だったかも?ってくらい、むか~し、むかしのお話です。
当然、私が奥さんと結婚する前、いや、お付き合いをする、ずっとずっと前のお話しです。きっと‥
夜中の3時にキャバクラの女性から電話がかかってきた。
夜中にいきなりさ〜♪「瑛人」の「香水」状態。
こんな夜中に一体!?
いや、なぜキャバクラ嬢のお姉さんが私の連絡先を?
ん〜行ったような気もするし、スゴく楽しかったような気もするし、スゴくお金を使った気もするが、思い出せないな〜。
不思議なことがあるものだ。
女性「のり君ごめんね、寝てた?」
私「いや、起きてたけど‥〇〇ちゃんどうしたの?」
なぜ、人は寝ていたのに「起きてた」と言うのだろう。
それより、なぜ私の名前を?
私もなぜ女性の名前を知っていたのか?ん〜不思議だ。
女性「この前はお店に来てくれてありがとうね。」
私「いえいえ、とんでもないこちらこそ楽しかったです♪」
おやおや?これでは私がキャバクラに行って、スゴく盛り上がっていたような言い方をしている。
きっと、向こうが何か勘違いしているかもしれないし、こっちも記憶がないからしょうがない。
きっと私は良い政治家になれる気がする。
女性「ちょっと、のり君に相談があるんだけど‥」
待ってました!!!
私は相談され好き!いや、私だけではない、男はみんな相談されたいのだ!特に女性に。
その相談の答えで、「スゴい〜」と思われたい!「そんな考え方あったんだ〜」とか、「のり君に相談して良かった〜」とか思われたい生き物だ。
特に「お笑い芸人」なんて生き方をしている者は、そこでサラリーマンと差をつけなくてはいけない。大事なプレゼンの場である。
「どうしたの?」
私は寝起きの夜中3時に出せる1番優しい「どうしたの?」を言った。
女性「のり君お笑いやってるじゃん、スゴい頑張ってるでしょ?」
私「うん、まぁ一応」
どっちの相談だ?仕事系か?恋愛系か?将来どうしょう系か?
何にせよ、褒めて、何事も肯定すれば大体、大丈夫だ。
女性「実は私の友達の男の子で、お笑いやりたい子がいて。今、隣にいるんだけど‥」
私「えっ?」
女性は、受話器を外して隣りの男の人と喋り始めた。
女性「ほら、相談して良いってよ!ほら、代わって。」
男性「やっぱいいよ」
女性「アンタが相談したいって言ったんでしょ!ほら、待ってるから、代わんなよ。」
男性「いいってば」
女性「なんで、また逃げるの?本当に口だけだよね」
世の中にこんな地獄があるのでしょうか?
女性「ごめん、のり君、代わりたくないって」
私「……あぁ、じゃ‥」
明かりの消えた真っ暗な部屋。時計の秒針だけが聞こえる。
これはきっと夢だ。
私は電話にも出ていない。
いや、夜中に目も覚めていない。
もちろんキャバクラにも行ってない。
変な夢を見たもんだ。