汗とウンチとおじさんが出た話し
我ながら酷いタイトルである。
10年程前、柔道のお仕事に向けてジョギングをしていた。
深夜のラジオ生放送が終わってから、深夜2時から走り始める。
タフな男だ!
家の近くの土手を走るのだが夜の土手は非常に暗い。
お父さんに怒られた後のお兄ちゃんくらい暗い。
昼間は少年野球や少年サッカーの子ども達、ジョギングをする人や犬の散歩をする人で賑わっているがウソのように閑静としている。
ベロベロに酔っぱらって帰った次の日、財布の中の空っぽさを思い出させる。
自分の足音しかしない土手。草木の香りも独り占め出来る貴重な瞬間だ。
大嫌いである。
暗くて怖いし、ランニングも嫌いだ。人生で1度もランニングをして「気持ち良い」と思ったことがない。練習の一環としか思ってないからかもしれない。
「やらされてる感」は否めない。なぜなら遅刻しそうで、駅までダッシュすればギリ間に合うかもしれない時でも走らない。
それが私だ!歩きながら言い訳を考えてる方が好きだ。
それで良く浅草で観光案内の人力車のバイトを長くやっていたと思う。
理由は簡単、お金が貰えるからだ。「どうせ走るならお金を貰いたい」と言った方が良い。
もちろん人力車の魅力は沢山あり、1番は乗せたお客さんを「楽しませる」のが好きだからである。
話はそれたが、そんなこんなで深夜のランニングを続けていた。
もう1つランニングが嫌いな理由がある。
「トイレに行きたくなる」
ランニングをすると60%〜70%の確率で大に行きたくなる。
パチンコのスーパーリーチだったら激アツの信頼度だ。
もちろん近くにコンビニもない。
流石に「野外フェス」をする訳にはいかない。
野球のグランドの脇にトイレが1つだけポツンとある。
多目的トイレほどは大きくはないが、少し大きめの個室トイレだった。
しょうがない‥ここでするしかない。
ドアを開けると、中は更に真っ暗で見えない。
月明かりで何とか便器がある場所がわかるくらいだった。
用を足しドアを開けトイレから出た。
「もう少し走るか」とシャツをしまって準備をしていたその時、
私の入っていたトイレのドアが再び開き、中から人が出て来た。60代くらいの男性だった。
状況が理解出来なかった。
暗闇の中、私が用を出してる時に、このおじさんは同じ空間にいたのだ。
混沌の中、おじさんの顔を見るとスゴく臭そうな顔をしていた。
「やかましいわ!」とも言えず
恥ずかしさと恐怖で私は人生1番のダッシュで家に帰った。
「怖い話」をするつもりで、ラジオでWESTの桐山照史くんと日向坂46加藤史帆ちゃんに話してみたら、大笑いした話。
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