見出し画像

”ザ・バイクライダーズ”を観て

オースティン・バトラーが演じるベニーには、ジェームス・ディーンの理由なき反抗の雰囲気が出ていた。
脆くて危うげながらも真っ直ぐな感じのベニーにキャシーは惹かれていくが、思春期の女性特有の心理なのだろうか。
しかし、一旦夫婦となると、安定を求めてぶつかりあい、キャシーの感情はリーダーのジョニーに矛先が向けられ、ベニーは放浪へと旅立つ。
やがて、ジョニーが亡くなったことをきっかけに戻り、整備工として落ち着くところで話は終わる。

ヴァンダルズのメンバーの大半は、付和雷同で群れにいることで安心を求めている感じだった。
こうした中、ある時、ジョニーは若手のキッドから入会を申込まれるが、年端も行かない風貌と仲間意識も足りない様をみて断わる。
それに腹を立てたキッドは、不意にナイフを持ち出し、切りかかるが、ジョニーは老獪な手付きで傷つきながらも上手に嗜める。
しかしながら、時を経て台頭してきたキッドに、今度はナイフで決闘を申し込まれ、銃で闇討ちされてしまう。

ジョニーは家庭ではよき夫であったが、キッドは母親へDVをしていた父親を半殺しにする点で両者は対極的である。
ゴキブリの家に、ベニーに銃を持たせ、自身はショットガンを持って侵入したのは、襲撃に見せかけて、ヴァンダルズを抜ける理由を与えたのだった。
ヴァンダルズとはジョニーの家族愛が原点であり、亡くなった時に家族の絆も消えたのだろう。

いいなと思ったら応援しよう!