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”エンパイア・オブ・ライト”を観て

イギリス南東部の岬にあるマーゲイトが舞台であり、1980年代初頭に古い映画館で働くヒラリーを中心に織りなす人々の話である

この時代の映画館は何か古き懐かしさと温かみがあり、自分の街にかつてあった映画館を彷彿とさせた

現代のアトラクション型のシネマ館と違い何か場末めいた雰囲気があり、哀愁的でノスタルジーな感情を呼び起こす

ヒラリーは双極性障害がひどく、定期的に診療を受け、炭酸リチウムを服用している

映画館の仕事を終えれば、一人アパートに帰り、定期的に社交ダンスに通う慎ましい生活

一方で雇い主と職場で逢瀬を交わすも成り行きとして受け入れる生活

こうした中、黒人の青年スティーブンとの出会いがヒラリーの心を揺れ動かす

ヒラリーはスティーブンとも関係をもつが、これが雇い主を拒むきっかけをつくる

スティーブンは大学を目指したこともあり、知的で会話に長けた性格である

このスティーブンの個性は従業員の中では異彩を放ち、周りの関心も寄せる

普段、部屋に人を入れない映写技師も許可を与え、撮影の方法まで教える

ヒラリーの躁状態もスティーブンによって加速し突発行動が再発し病院送りとなる

スティーブンもまた人種間差別の暴動に巻き込まれ大怪我して病院送りとなる

この話はスティーブンが再び大学を目指して街を去ることで終幕を迎える

映写技師が息子と8歳から別れて22歳の今迄会ってないと話した場面が心に残った

息子が会いたくないから、会わずにいるという

ただ、部屋に飾っている写真は、心の片隅には絶えずいることを示していた

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