iPad ProとiPad miniは、どちらが優れたデバイスなのか?
iPad Pro 12.9(第5世代)とiPad mini 6は、同じiPadではありますが、実際に使ってみると、「まるで別もん」と言いたくなるほど、大きく異なるデバイスだと感じます。筐体の大きさを、チップ性能、ディスプレイやスピーカーの性能など、さまざまな点で大きな違いがあるからです。
ザックリ言うと、iPad miniはiPad Proを半分にしたデバイスだと言えます。サイズ的に半分強ですし、性能的にもそんなものだからです。ディスプレイのリフレッシュレートなんかは、キレイに2倍になっています。これでいくと、iPad ProがiPad miniより優れているのは明らかです。
ただ、ここで注意すべき点があります。それは価格です。iPad Proは、価格もiPad miniの2倍以上します。価格が2倍以上するデバイスが、スペック的に優れているのは、ある意味当然のことだからです。
あと、据え置きメインで使うか、手持ちメインで使うかという使用用途も見過ごせない点です。ただ、これについては、使い方などによって、話がコロコロ変わり得るので、ここではあえて考慮しないことにします。
その上で、iPad ProとiPad miniどちらが優れているかをジャッジするためには、性能差だけでなく、価格差も考慮するのが、フェアだと思われます。ただ、一口に性能差と価格差を考慮して比較すると言っても、一筋縄ではいきません。少なくとも、私の手には余ります。
なので、このでは、iPad ProがiPad miniよりどの程度優れているのかというところに着目して、両デバイスを比べるということをしたいと思います。つまり、価格差に見合う程度に優れている言えるかチェックするということです。
まずディスプレイを比べるとブッチギリで優れていると思います。大きさもさることながら、操作性を含めたクオリティがダンチです。iPad Proのディスプレイは、Appleデバイスの中でもほぼ最高クラスですが、iPad miniはほぼ最低クラスなので、倍以上の差があると言って差し支えないでしょう。
次にチップ性能ですが、コア数やメモリ数、ベンチマークの違いを見る限り、性能差はかなえい大きいと思います。ベンチマーク結果によっては、倍近いスコア差が出ているものもあります。Appleには、チップのコア数を増やすと、価格も跳ね上げる傾向があるので、倍程度、あるいは倍以上の差があると言えると思います。
スピーカー性能は、iPad Proは4スピーカー、iPad miniはステレオスピーカーなので、キレイに倍です。マイク性能も、iPad Proが5マイク、iPad miniがデュアルマイクなので、倍以上です。マイク性能はともかく、スピーカー性能に関しては、音質、音量ともに、明らかに優れていると思います。倍程度の差があると言えなくもないです。
カメラ性能も、明らかにiPad Proが優れています。iPad ProにはLiDARもついています。「LiDARなんか誰が使うんだ」という疑問はありますが、iPad miniにない機能があることを考えると、倍以上の差があると評価せざるを得ません。
ポートの転送速度は、ダンチでiPad Proが優れています。ザックリ言うと、最大8倍という圧倒的な差があります。これらのほかにも、比較ポイントはいろいろとありますが、煩雑なので、ここでとどめたいと思います。
今回の検証の結果をまとめると、「価格差を考慮しても、iPad Proの方がiPad miniよりデバイスとして優れている」ということになりました。
この結論は、私にとっては、少々意外なものでした。価格差を考慮に入れる、つまりコスパという切り口でいけば、iPad miniが優れているだろう、となんとなく思っていたからです。
もちろん、「使い方」という要素を考慮に入れれば、iPad miniに軍配が上がるシチュレーションは多いにあると思います。しかし、これをやると、どうしても主観的、恣意的な話になってしまうので、あえてやらなかったことは強調しておきたいと思います。
と言うことで、あくまでデバイスのスペックだけで比べると、iPad miniは、安かろう悪かろうのスペックダウン廉価モデルに過ぎなかったというのが、今回の結論になります。