清浄度確認時の菌の同定
医薬品製造で、清浄度の確認のため、培地をおいて菌が生えないかを確認します。検出される場合は多々あります。
品質管理の場合、保証という観点ばかりに目がいきますが、本当に難しいのは、状況を把握し、清潔な環境をつくることです。清潔な環境をつくるのは当たり前でもなく、不変的なものでもありません。清潔な環境ができている前提で物事を進めては絶対になりません。
状況を把握するには菌が何の菌であるかを確認し、何由来の菌か推測した後、必要な措置をとらなくてはなりません。
菌は小さい上に、菌と媒質の間の屈折率の差がないため、肉眼では区別できないので、染色液により色のコントラストを与える必要があります。培地に生えた菌をスライドガラスに一部塗抹し、染色液で、染めた菌を乾燥系レンズでは、100倍又は400倍。油浸レンズでは1000倍くらいの光学顕微鏡で観察して、菌の形と染色液の染まり方により、代表的に以下の分類で菌を把握します。
①陽性球菌
②陽性桿菌
③陽性短桿菌
④陰性桿菌
菌の種類により酵素反応や糖分解性があるので、その特徴を捉えることで同定することができるキットがあります。例えば、日水製薬のIDテストキット、やシスメックスビオメリューのAPIキット等が商品化されています。