乾式滅菌と湿熱滅菌(高圧蒸気滅菌)の違い
乾式滅菌と高圧蒸気滅菌の違いは、媒体が空気であるか水(水蒸気)であるかの違いです。その違いにより滅菌効果は違います。
一般的に、菌は加熱することにより、タンパク質で出来ている細胞が損傷し、死滅します。そして乾燥状態より、水蒸気化の方が、水素結合が切れやすく、タンパク質の変性が早くなります。このため、オートクレーブなどの湿熱滅菌(高圧蒸気滅菌)は、水蒸気が浸透することにより、乾燥状態よりも低い温度、短時間で滅菌できる手段となります。
湿熱滅菌の注意点ですが、水蒸気が浸透しない箇所では滅菌されない可能性があります。このため、滅菌対象物の入れた容器の蓋は密閉せず、ネジ口の蓋は少し開ける必要があります。また、水蒸気が中に入って希釈されたり、付着した水が冷えて、汚染されないようにアルミを巻く必要があります。破けやすい場合は二重にするのが通例です。
アルミ箔は表に巻くか裏に巻くか論争がありますが、特にどちらでも構いません。