見出し画像

培地性能

医薬品の品質管理に関連する微生物試験には、菌を育てる培地を使います。メーカーから培地を買ったあと、その培地が菌を育てる能力を有するかどうかの培地性能の確認をおこなわなくてはなりません。

メーカーから培地を購入した場合COA(試験成績書:certificate of analysis)により培地の性能が確認できますが、日本薬局方では、そのCOAが妥当であるか確認する必要が有ります。このため、自社でも培地性能を実施しなくてはなりません。

品質管理において何をどこまでやるかというのは、総合的に判断するべき、非常に難しい問題です。正解はないものの、日本薬局方やガイドラインがあるので、一般的な目安というのを示してくれています。示されている培地性能は以下の4つです。

・微生物限度試験法及び無菌試験法で使用する培地
・JP 参考情報「製薬用水の品質管理」微生物モニタリング用の培地
・無菌医薬品製造区域の環境モニタリング用の培地
・培地充てん試験用の培地

市販品は、バッチ毎。自社で調製した培地は、調製毎に培地性能を確認するように日本薬局方で定められています。多くの培地の原料は合成品(塩類、炭水化物、アミノ酸、色素類)だけではなく天然物(ペプトン類、エキス類、寒天、胆汁酸塩)も含まれますので、品質が安定しないことはよくある話です。


いいなと思ったら応援しよう!