菌の同定方法
製造環境に置いた培地に菌が見られた場合、何の菌なのか同定に進みます。
基本、同定の流れは以下のとおりです。
①菌を増殖させる
②増殖した菌の酵素反応や化学反応を見る。
③反応の特徴を過去データベースと照らし合わせて菌を分類する。
②の反応を見る手法として代表的なのが、
・シークエンサー法
菌を化学連鎖反応させて、反応で生成した連鎖の長さを電気泳動により分類する。
・同定キット法
基質(菌と反応させるもの)が入ったチューブに菌の希釈液を入れ、化学反応、酵素反応、糖分解反応の特徴を見て分類する。
シークエンサー法は、機器がないといけないので、導入のハードルは少し高いですが、同定キット法は広く用いられています。
同定キットは初心者でも十分使用可能ですが、注意点としては、以下のものが有ります。
・菌種に対応したキットを使用する。
キットを使う前に、顕微鏡観察や劉のグラム鑑別法やグラム染色等で簡易分類しておくのが有効です。
・2種類以上の菌が混入しないようにする。
増殖させる際、なるべくコロニーの外側から菌をそぎ取り、薄く伸ばすようにして新鮮な菌を得るようにします。
・新菌種には対応できないキットがほとんどであること。