見出し画像

ちょっとこの話だけは聞いてよ

突然ですが、父が再婚しました。

そんなに重い話でもないので、気楽によろしゅう。

お相手の方はまさかの『初恋の人』でした。
中学生の時からの知り合いのようで、まさに一目惚れというやつみたいです。同じクラスでもないのに遠くから名前を呼んだりする活発な男の子の父だったみたい。

その、義母が話してくれた一生記憶に残っていること。
中学生の頃、義母の誕生日の日に大雨が降っており自宅でゆっくりと過ごしていた。いきなり雨音の中から自分の名前を大声で呼ぶ声が聞こえ、窓を開けて外を見たところ、川を挟んで雨の中チャリを横に傘をさしながら両手いっぱいにバラの花を持った父がいたらしい。

その話を聞いた私は、まさに爆笑。と尊敬。
なんともロマンティックな話だと感動すらした。

今回、2泊を過ごしたのだが、
1日目は地元の名産物を食べに行った。
「明日はなにか食べたいものある?」
と優しく尋ねられた。頭の中で『たまご焼き』が瞬時に浮かんだが、初対面でお願いするのも図々しいと思い、寒くなってきたので鍋かすき焼きの案が出たところでその日は終わった。次の日の夜。出てきたのは『たまご焼き』を含めた手料理であった。少し複雑だが手料理にあまり馴染みがないため胸が高鳴った。できたてではないのだが温もりを感じるのが手料理の良いところだと、ひと口目で感じた。楽しみだった『たまご焼き』をひと口ぱくり。
⦅ばーちゃんの味とにてない?⦆ぽろっと自然に出たひと言だった。ひと口で父方のばーちゃんの『たまご焼き』を思い出した。そこに食い入るように父が、
「おれもひと口食べた時に言ったんだよ」と言った。
記憶がブワッと蘇ったような気がしてトリハダがたった。

2人の馴れ初めを聞いたり、私自身の考えを伝えたり、
時間があっという間に過ぎた頃。ビッグイベント到来。

話には聞いていたのだが、義母には子供が3人おり、その3人が会いに来てくれることになった。
私を基準に1つ下の長男。2つ下の次男。4つ下の長女。

はじめまして。すぎて。まず何を話せば良いのかわからなすぎて、酔っ払った父が余計なことを口走りすぎて意味のわからない空気だったが、お酒が進むごとに仲も打ち解けていき、【兄弟】の輪に入れてもらえた。

その証として、『ピアス』を開けた。
個人的に人生で絶対に開けないと心に決めていたので
単なるノリでなく覚悟をもって開けた。
友人などの大切とは違った、大切。を見つけた気がした。それは自分が心のどこかで一人っ子でもあるし、
孤独を感じていたのだと思う。

25歳で兄弟ができる。そんな経験ができてよかった。
心の底からそう思う。炭治郎ではないが【長男だから】で何事も踏ん張れそうだ。

今年ももう終わりに近づきますが、どんな一年でしたか?
あなたの一瞬の行動がだれかの一生の記憶に残る。
そんな人生を送れたら素敵だと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?