オンラインあれこれ1 はじまりのとき
私が入学したのは2019年秋。その半年後に、大きく社会が変わることを誰も予想していなかった時だった。当時、私の大学では驚くほどにアナログなやり取りがされていて、15円の切手を貼って出す郵便物に逆に新鮮ささえ感じていた。そしてコロナ禍が到来。この時の大学の対応の早さは素晴らしく、あっという間にオンラインの環境が整えられ、通信課程での学びを滞ることなく保障してくださった。本当にこの大学を選んでよかったと思った。
オンライン講義ではzoomが使われることがメインだったがのだが、誰だって慣れないうちは慌てる。
入室の瞬間に、大音量で家族の会話が流れていたり、洗濯物ブラブラの部屋だけが映っていたり、スマホで受講されている方だろうか、画面いっぱいに耳が写し出されている事もあった。
通信課程の平均年齢は50代前半。もちろんデジタルネイティブレベルの方もおられるのだろうが、皆さん、それなりに苦労しながら果敢に挑んでいるのだ。
20代の息子にはもっと気楽に関わるものだといわれるが、そうなれたらカッコイイのだけれど、多分自分には無理だ。だから、何が映ろうが、何が聞こえようが、お互い様ってことで、思いっきりカッコ悪くても、なんとかかんとかでもついていければよいのである。
こうして、毎回冷や汗かきながらの受講だったが、回を重ねるごとに、皆さんも私も同じようにすっかり慣れ、早めに入室した人たちでおしゃべりする余裕さえ生まれ、講義中に突然発言を求められても、マイクオンして「ご指名ありがとううございます。」かなんかさらりと言っちゃっう人もいて、けっこうカッコイイ。何事も、回数だ。経験だ。
さて、あの頃から一年近くたち、システムもまた変わったことだろう。せっかく獲得したスキルも、もう使えなくなっているかもしれない。
まったくもう、この世界は追いかけても追いかけても逃げていく。
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