「幾星霜の人々と共に ・ 白駒池居宅介護支援事業所物語」 イントロダクション
東京奥渋地区(架空)にある「白駒池居宅介護支援事業所」を舞台とした、4名のケアマネジャーを中心とした物語です。
管理者の立山麻里の配下に、ベテランケアマネジャーの横尾秀子、デイサービス出身の男性ケアマネジャー明神健太、新人ケアマネジャーの徳沢明香が在籍し、特に管理者としてまだ自信のない立山麻里を中心に様々なケースとの関わりの中で成長していく姿を描いています。
この物語では正論を語るというより、迷い悩みながら進んでいきますので、途中で「それはおかしい」とか、「こうすればいいのに」とか思われることがあるかもしれません。
しかしこの物語はテキストではありません。決してスーパーケアマネジャーが出てくる話でもありません。
あくまでもケアマネジャーと、ケアマネジャーが関わる幾星霜の方々(苦労を経た上での長い年月を生きてきた人たち)との市井の人々の物語になります。
この物語では4名のケアマネジャーのほかに、地域包括支援センターの管理者滝谷七海、特別養護老人ホームのケアマネジャー甲斐修代も絡み、単に居宅事業所の話になるのでなく、関連する人たちの姿も描いています。
さらに、立山達の私生活に関わることにも触れています。それも仕事上の重要なファクターになるからです。
彼女たちが心を癒す場でもある居酒屋「とまりぎ」のマスター正木正雄、そこの常連客である想井遣造などの人物が彩を添えています。
そして、東京だけでなく、舞台は北アルプスの山小屋「恋生小屋」へと広がっていきます。
物語は2019年から始まり、今や忘れられようとしている、コロナ禍での過酷な状況の中でのケアマネジャーたちの奮闘にも触れています。
全8話からなる「「幾星霜の人々と共に ・ 白駒池居宅介護支援事業所物語」の第1話は、「彼方の記憶」。
サービス拒否の利用者のライフヒストリーを見つめていく物語となっています。
第一話は前編の「東京編」と、後編の「松本編」に分かれています。かなり長い第1話となりますが、お付き合いください。
次回より本編スタートです。
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