まちづくりを学ぶ大学4年が、夏休みで中山道を徒歩で旅した話#1
前日譚:京都三条大橋〜滋賀瀬田の唐橋
京都三条大橋から東京日本橋をつなぐ、東海道と中山道。正確には中山道は滋賀の草津宿から日本橋です。
せっかく歩くなら三条大橋からでしょ!!!
ということで、試し歩きして装備を精査するためにも本スタート前に三条大橋から滋賀に向けて歩いてみることにしました。
三条大橋
2023年7月21日 晴天
京都で一番有名と言っても過言ではない「三条大橋」。日本の交通の始点でもあり、終点でもあります。
修繕工事が始まり、欄干などが見違えるほどきれいになりました。嬉しいような寂しいような・・・
早朝出発のため、鴨川名物「カップルの等間隔座り」は残念ながら見ることができませんでした。夜はだいたい等間隔座りが発生していますので、京都に観光に来られた際はぜひ一員になってみてはいかがでしょうか?
さて、歩きはじめて一つ準備不足に気が付きました。この旅は京都から東京、つまりほぼ常に東側を向いて歩くことになります。
朝日が目にダイレクトアタックしつづけてくる!
本スタート前に気づけてよかったですが、みなさんも京都から東京まで歩いて行きたくなった時はサングラスの持参をお忘れなく。
京都山科
三条大橋から山科までは案内標識も多く、難なく進むことができました。
山科に宿場はありませんが、所々に当時の面影を残していました。
その一つが徳林庵地蔵堂です。
お地蔵様をおいて、京都へ悪霊が入り込むことを防いでいました。
徳林寺には手水舎があったのですが、マークに既視感が・・・
どうみても日通。どうやらこの印は昔の通行証のマークらしく、日通のマークはこれが起源だそうですよ。
徳林寺を超え、悪霊の世界に足を踏み入れたところで(失礼)、滋賀が近づいてきました。勾配がキツくなってきましたが、私はナウでヤングなので無事滋賀に突入しました。
大津宿
大津に入ってしばらくすると、長い下り坂が出迎えてくれます。道端には牛車の通行を楽にするために敷かれていた「車石」が置かれており、頻繁な往来でできた石のくぼみを触ることができます。
また少し行くと、「大津算盤(そろばん)」の発祥地にたどり着きました。そこにあるのは古民家と小さい説明書きのみ・・・
時代とともに、遺産のありがたみが失われてしまうことを実感します。需要の薄れていくものをどう活用していくのかが、歴史まちづくりの一番の課題ではないでしょうか。
さて、大津算盤の聖地を後にし京阪京津線を眺めながら行くと、最初の宿場「大津宿」に到着しました。
大津宿に本陣(大名用の宿)は残っていませんが、町家保存や景観整備が行われており、趣のある町並みを体験できます。
ところどころに和菓子屋さんもあり、ちょっとした食べ歩きもできます。ここで和菓子を買って、今日の終着点「唐橋」へと向かいます。
瀬田の唐橋
当時の道と現代の町並みが交差する大津宿を抜け、しばらく行くと今回の終着点「瀬田の唐橋」が見えてきました。
この唐橋は「急がば回れ」の語源となった歌に出てくる、瀬田川にかかる情緒溢れる名橋です。
また、かつて俵藤太秀郷という男がこの橋で龍神に会い、大ムカデの退治を依頼されたという伝説があるそうです。人間より龍神のほうが絶対強いでしょ・・・歴史の説明書きを読みながらツッコめるのもこの旅の魅力ですね。
最後に、大津宿で買った大福で試し歩きを締めくくります。
ピスタチオ大福、香ばしくてめちゃくちゃ美味しかったです。
この試し歩きでの反省を活かして、
次回「草津宿〜高宮宿(彦根市):歴史って伝説か事実かよくわからん。」