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ベトナムのバス受付

僕はサシ派。

1対1だと、話す比率が1/2になる事が多いけれど、6人だと1/6、8人だと1/8、10人だと祭になり、会話が存在しない可能性がある。

もちろん大人数も好きだし、楽しみを味わう事もできるし、嫌いでない。
会話の存在しない祭も、楽しい。好き。

逆に20人とかになると、多すぎてサシの状況が生まれたりするので、それもいい。

どちらも好きだけど、
やっぱり、サシの方が好きという事になる。


ちょうど、ハノイからバスでニンビンに行こうと思い立った日。

フリーWi-Fiで調べた知識でバス停まで行ってみた。

バス停にはいつもの如く、タクシーの客引き。
僕は正式な公的な法的な安全なバスに乗って、
正当な健全な完璧に同一の現地民が払う金額と同じ額で、ニンビンまで行きたいと思っていた。

当然ながら客引きは無視する。
もう無駄金は使えない。

客引きが1人、ニ・ビン?ニ・ビン?
と問い詰めてくる。

無視する。
が着いてくる。
俺が送ってやろう。と言う。

僕は無視しつつ、付いてくる客引きに構う事なく受付に行く。

僕が、受付のお姉さんに話しかける前に、
客引きが、何やらお姉さんに言う。

お姉さんは、うんうんと分かった表情をして、
僕に電卓で金額を示す。

ニンビンまで、95000ドン。

フリーWi-Fiにより、調べた価格は70000ドン。

ん?
絶対ぼったくりにかかってるな。

それはタクシー?バス?と聞くが
バス。という姉さん。

どうみてもタクシーの感じしかしないので
一旦そこを離れ、別の受付のお姉さんにニンビン行きのバスを聞く。

すると、「ニンビン行きはここでなく隣の受付です。」
と言われる。
さっきのお姉さんの所。
まじか。
また、胡散臭いお姉さんの所に行く。

すると、バス停は反対側と言う。
意味が分からない。
最初からそこに案内してくれよ。

そして反対側に行くとお姉さんが案内するつもりなのか着いてくる。

そして、さっきの客引きに会う。
また金額を提示される80000ドン。

下がっとるやんけ。
は?
また騙しにきてんのか。
ていうか、
結託してるのずるくない。
受付はせめて、公正であってくれよ。
サシでぼったくりられるのは、まだ納得がいくが、結託て、せこすぎないか。

でもこれがバス停っぽいな。
受付も正しい感じがしないし、Wi-Fiがない。
誰も信用できない。
でもニンビンに今日行きたい。

僕は80000を正式な金額と思う事ができず、75000でディスカウント勝負をしかける。

金額が気に入らないのではない。

騙された事が気に食わない。
結託してる事が許せない。

節約しなければの気持ちよりも、そちらの方が勝っていた。

客引きと胡散臭い姉さんに、は?
という表情をされる。
8はベリーチープ!と大声で言われる。

が譲らない。
は?という表情をする。

最初にやってきたのはそっちだろ?

歩いているベトナム人が寄ってくる。
客引きが大声を出す。
受付オンナも大声で何か言い、笑う。
なにやらベトナム語で、僕に悪口を言っている。
わかる。言葉は分からなくても
なんとなくバカにしてきているというのはやっぱり分かる。
コミュニケーションとは言葉だけではないと知った。良くない形で。

しょうがない。いいよそれで。
貧乏だからコイツどうせ。ハッハッハッ。
人が集まってきて、
みんなでそんなような事を言う。

よく分からんベトナムのジジイに
いいよ、それで乗れ、と肩を押される。
暴力やんけ。

乗車してから、バスの窓に80000と貼って
ある紙を叩いて、これ現地人の価格だぜ?
的な事を言ってくる。

そうだったんだ。と思う。としか思わない。

先に仕掛けてきたのそっちじゃん。
最初からその金額言えよ。
そして受付と、客引きが結託てどう言うことよ。
正式な受付の感じ出すなよ。

やり合うなら、サシだろ。

とにかく腹が立った。
ベトナム好きだなぁと思っていた矢先だったので残念だ。

客引きの奴はバスに搭乗して、ドライバーの補佐的な役割をしていた。

バスの中でも、何か僕に訳のわからない言葉で問いかけたり、放ったりしてきた。

そこには、きっと馬鹿にするような問いかけが含まれていたと思われる。
ベトナム語が分かるハズないのに、しつこく問いかけてる事にも苛立った。

バスの中が、僕にとって良くないヘラヘラ笑いの空気に包まれる。

90キロを走った。バスをやっと降りた。

良いことばかりじゃないな。
こういうこともあるんだな。

悟っても、やっぱり腹が立つ。

そして、
いいぜ、ベトナム。戦ってやるぜ。
と思った。

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