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湯船

ビザを取る関係で日本に行く。帰らなけばいけないらしい。近いうちに。そう一旦実家に帰る。いざ帰ると言う事実が目の前にあるとなるとめちゃくちゃに帰りたくなる。湯船に浸かりたい。和食を食べたい。母の手料理が食べたい。部屋にある積読を片付けたい。ジャグラーをしたい。友に会いたい。日本語を思う存分発音したい。難しい言葉など使いたい。「周知の通り」や「抑揚」などの言葉を発音したい。キャッチボールがしたい。熊本にある祖父の墓参りに行きたい。上野公園に行きたい。浅草に行きたい。スカイツリーに行きたい。英語を勉強したい。まいばすけっとに行きたい。何ヶ月ぶりかに湯船に浸かりたい。おばあちゃんに会いたい。銭湯に行きたい。祭りに行きたい。ボウリングをしたい。本場の居酒屋に行きたい。好きなハヤシライス屋に行きたい。ボールを蹴りたい。代官山の蔦屋書店に行きたい。中目黒のCOWBOOKSに行きたい。自転車に乗って河川敷をフラフラしたい。ランニングをしたい。山手線に乗りたい。異国の方々の興味の中心であった日本の満員電車にも久しぶりに乗りたい。登戸の岡本太郎美術館に行きたい。湯船に耳まで浸かりたい。あらゆるやりたい事が頭の中に浮かぶ。もう今すぐにでも帰りたくなってしまう。これはもう長く帰っていないという期間の問題なのか、目の前に帰れるという事実があれば期間など関係なしに帰りたくなるのか、分からない。いずれにせよとても帰りたがっている。お金があれば、まだ旅を継続していれば、今もこんな気持ちにはならなかったのだろうか。

やりたい事とお金の関係を鑑みて、やりたい事を一つ一つやっていこうと思っている。働く事になるので、また当分帰れなくなる。1人1人にもう会えないかもしれないかもしれないというセンチメンタルさを頭の片隅に入れつつ接して行きたい。そんなもの面倒だし表には出さないようにはするものの自分の性質上、そういうことを頭の隅に入れたがる。だからもうしゃあなしソイツと付き合う。

少ない期間だけれども異国から来た1人の人間として日本を見る事ができると思う。何週間という日本の僕の日々は、外国人が感じるものと同じようなものを感じ取る事ができるのではないか。松屋や丸亀製麺にも協力してもらいセーブマネーを継続していきたい。帰りたい思いは日々の文章にも滲み出てしまい、東京やら三鷹やら色々言っている。これが自然の気持ち。封じる必要はない。

きっとまた、行きたくない。とか出発前思ってしまうんだろうな。とかを思いつつけれども自分の選んだ道。何が何だか、何の為だか自分でも分からないけれども、何十年という人生の中で、このような期間があってもいいのではないだろうか。訳が分からないという、そういうものすらも現実。


色々やりたい事もあるし、やらなけらばいけない事もあるようで面倒だが、まぁそういう時は何も考えずにやるしかない。

あぁ、湯船に耳まで浸かりたい。

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