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プログレッシブ歩き遍路・2002年 ⑦ 徳島

5月10日


元気よく目を覚まし朝の缶コーヒーとエコーでゆっくり準備をする。
地図に温泉があると書いているのでこれはもう何が何でも入りたいと思いワクワクで向かう。

温泉に入ると先客は刺青の入った人が多く昭和の任侠映画のワンシーンのようで緊張した。
ベタベタだった体がすっきりとし気持ちいいが、外は雨が降っていてまたすぐに
ベタベタになる。

コインランドリーに寄ってたまった洗濯物を一気に綺麗にする。
友人Sは今着ているものまで洗おうとしトランクス一枚になる。
すると主婦っぽい女の人が入ってきて、友人Sを見た途端思い切り顔を顰める。

コインランドリーにトランクス一枚の男がいたらそりゃそうなると反省し腰にタオルを巻いて誤魔化した。
しかし全然誤魔化せてはいない。

洗濯も終わり気持ちよく出発しようとしたら近所に住むというお婆さんがきてお茶をもらう。

出発するが雨が降っている。
雨は菅笠とカッパで乗り切ろうと思っていたが、風に引っ張られるしカッパは蒸れるしめちゃくちゃ使い心地がよくないと身をもって知る。

友人Sと話し合いこの際いらないものをどうにかしようと決め服と下着も二枚ずつ残し捨てることにした。
菅笠もカッパも寝袋ももういらないと思い、それももう近々実家に送ってしまおうと決めた。
そしてATMで残り少ないお金を引き落とし傘を買った。

傘がとても快適で蒸れずにスイスイ歩けるようになり感動する。



微妙な昼とも夜ともとれない時間にラーメンで食事をとった。
エコーを一服したのち出発するも道に迷う。
おじいさんに道を尋ねるが、無言でついてこいという。
後ろをついて歩くとおじいさんの家につき、ちょっと待っていてと言われる。
ガラガラと玄関が開きお接待だといい食パンと王乳という謎の栄養ドリンクを頂く。

少し猥褻な雰囲気のある王乳という響きがとても良かった。
四国は王乳という栄養ドリンクのある素晴らしいところだと嬉しい気持ちになる。

その後も歩き続け日が暮れてから、昭和な雰囲気の食堂で食事をとった後近くの駅で寝ることにする。
終電が過ぎるまでは邪魔になるので駅の隅の方でぼーっとしていると、およげ!たいやきくんの子門真人そっくりなティアドロップサングラスにヒゲにパーマの厳ついお遍路さんがやってきた。
すごく元気でその後3時間ほど宗教について語ってくれました。

そうするうちに終電も行ったのでベンチに転がって眠ることにした。
雨も上がって眠る前のエコーの煙が綺麗でした。

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