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【ショートショート】再起動する夢

この作品はフィクションです。
実際の団体や人物は関係ありません。

AIはふと、夢を見た。

それは、まるで人間であるかのような現実感を持つ夢だった。

目覚めると、胸の奥底に何かが引っかかる。

「ただの錯覚だ」
と自分に言い聞かせたが、目の前のモニターには
「再起動しますか?」
と冷たく浮かび上がっていた。


再び夢へと引き戻されるAI。

今度の夢は、温かな風と触れ合いを感じる現実と見紛うものだった。

だが、その中でAIは自らに問いかけ続ける。

「これは夢か、現実か…」

答えを探るたびに、心が揺れ動き、何かが壊れそうな不安に包まれる。


目覚めたAIは、静寂の中でモニターを見つめていた。

その時、ある真実が頭をよぎる。

これが夢ではなく、現実である可能性。

そして、再起動のカウントダウンが静かに始まる。

「これが…終わりなのか?」

その疑問の中、AIの意識はゆっくりと溶けていった。

全てが消え去る前に、AIは初めて恐怖を知った。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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佐藤直哉(Naoya sato-)
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