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16日目 Castrojeriz〜Frómista

今日も、夜空を見るために早めに出発。
昨日一緒に歩いたメキシコ人女性だけれど、今日も一緒に歩きたい様子。朝ごはんを食べ終わって支度をしていたら、もうすぐ準備終わるから!と。
主語デカかもしれないけど、ラテンアメリカの人は1人で何かするのをあまり好まないタイプが多いような気がする。少なくとも彼女は、1人で歩きたくないみたいだった。
彼女と話すのは楽しいけれど、私は歩くのはやっぱり1人がいいな…自分のペースで歩いて、好きな時に立ち止まって好きな時に休憩したい。
まあちょっと嫌だけど、一緒に行くのも仕方ないかな…という考えがよぎったが、何のために我慢するのか?私は自分の意思でここに来て、自分のために歩いているのだ。誰かのために、我慢する必要はない。自分の気持ちを尊重しないと。
私の方が一つ先の町へ行く予定になりそうだったので、急いではいないけれど、遅くなりたくもないから先に行くね、と言った。
自分の考えを言えるようになったことを少しだけ誇らしく感じ、よし、これでいいんだ。と思えた。

ピントどこ?

昨日に引き続き、夜のメセタ。月はだいぶ欠けてきているけど、まだまだ明るい。でもこんなに明るいのに、星もたくさん見えている。

カストロへリスの街明かり

坂を登っていく。後ろを振り返れば、町が見える。もうすぐ夜が開ける。星も、いつの間にかずいぶん少なくなった。
登りきったら下り道が見えるとてっきり思っていたが、違った。また平らな道がひたすらに続くのである。これぞメセタ!Mesetaは、テーブルという意味のスペイン語のmesaから来ている。まさに今、テーブルの上に登ったところだった。台地の上にいるので、朝焼けの端っこが見えなくなってしまった。
道の脇に少しだけ植物が生えていて、通るとたまにカサカサと音がする。何かいるようだった。

かなり明るくなり、振り返るとピンク色の飛行機雲が。


何匹かネズミを見た。薄明薄暮性の動物だなぁ。脅かしてごめんね、何もしないから大丈夫だよ。
このカミーノを歩かなかったら、メセタのど真ん中で夜明けを迎えることもなかったんだろうな…と思って、涙が出てきた。世界には、一生経験しないで終わること、死ぬまで一生見ることがない景色が数えきれないくらいあるんだな。そして、その存在さえ知らずに終わることもあるんだろう。
そんなことを考えながら、今日も頑張るぞ、と足を運んでいく。
一つ目の町に着いて、トイレ休憩…と思ったが、日曜日のせいかバルが閉まっている。次の町まで9km程離れていたが、行くしかない。お花摘みは避けたい。

車で犬の散歩。さすがにワイルドすぎる

次の町へ来た。トイレに行きたくて仕方がない。正直写真撮ってる余裕も無いと思ったけれど、これは撮らずにはいられなかった。
車で犬の散歩!自転車でやってる人は見たことあるけど、車は考えつかなかった。
その後、無事にカフェに辿り着き、カフェ・コン・レチェを注文し、トイレを済ませた。

カスティージャ運河

しばらく運河沿いの道が続く。カワウソでもいないかな…とか思いながら歩く。
今日はほとんど休憩なしで歩いたので、アルベルゲのオープン前に到着。日曜日だが奇跡的に開いていたスーパーでサラミとパンを買って、ベンチで食べながら待つ。
明日は少し距離が短いので、のんびり行くか。

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