15日目Hornillos del Camino〜Castrojeriz
初日にタクシーをシェアしたメキシコ人女性と昨日アルベルゲで再会し、一緒に歩くことに。昨日から一緒の台湾人男性と、3人で。
出発は、6:30の予定。なんやかんやしてて6:50くらいになる。外はまだ真っ暗なので、ライトをつけて出かける。気温は12℃程だろうか。昨日の昼間は30℃くらいあったから、ずいぶんな日較差だな。砂漠みたいだ。
町を出ると、再びメセタである。冷たい西風が正面から吹いている。
月が真上にあるので、かなり明るい。自分の影すら見えるので、もうライトは消した。素晴らしい景色なのだ。ライトを付けていたらもったいない。
それはそれは、素晴らしい景色なのである。星が散らばっていて、乾燥した丘が月明かりに照らされている。これが現実のものであるとは信じられないくらい。これはまさに、子どもの頃に本で読んで憧れた、砂漠の景色である。何度も頭の中で作り出した、砂漠の夜!
躓くようなものはない砂利道なので、右手にある丘を眺めながら歩く。流れ星だ。私はこういう時に咄嗟に声を出せない種類の人間なので、心の中で「流れ星だ!」って言って、誰にも教えずに歩いた。
夜のメセタがこんなに綺麗だなんて、誰も教えてくれなかったな。
ただただうっとりしてしまう、素敵な眺め。1人で歩きたい、と思った。自分の心の向く方へ向いて、気が済むまでこの景色を眺めて、自分だけで他のことは何も気にせず味わいたい、と。
段々と東の空がオレンジ色に染まっていく。夜が明けないで欲しいと思った。このまま、夜のメセタを眺めていられたらいいのに。
朝食休憩のため、カフェへ。
ここにはホットサンドがあった。とても嬉しい。
カフェやバルに入ると大体どこでもbocadillo(ボカディージョ)がある。フランスパンでチーズやハムなどを挟んだものだ。バゲットサンドと言うのだろうか?確かに美味しいのだけれど、パンがとにかく硬い。ガリガリと音がする硬さ。恐らくそれは古ければ古いほど硬いようで、お店によってはまあまあ柔らかいものもあった。
スペインに来た当初は、美味しくて喜んで食べていたのだけれど、顎が疲れるし、食べるのに時間がかかる。何よりも、口の中がズタズタになるのである。
そんな理由で、ずっとこういうサンドイッチを探していたのだ。
ちなみに、このようなホットサンドはsandwichと呼ばれる。sandwichとbocadilloは別の食べ物である。メニューにsandwichと書かれていても単にbocadilloを英訳しただけという場合もあるのでややこしい。バルに行く度に「食パンのサンドイッチありますか?」と確認していた。大抵の場合、無いと言われたが。
ちなみに「食パン」はpan de moldeもしくはpan Bimbo (Bimboは有名な食パンメーカー)
ここで食べたsandwichは、両面バターでこんがり焼かれていて、とっても美味しかった。
San Antónの修道院跡地で出会ったワンちゃん。犬を連れて巡礼している人達には何組か会ったけれど、犬って暑い中1日20〜30kmとか歩かせて大丈夫なのかしら…とちょっと心配になった。小型犬を連れている人もいたし。
遠くの丘の上には、城跡が。
スペインにも、日本でいう美しい日本のむら景観百選みたいなものがあるようで、Castrojerizはそのうちの一つ。
起伏のある町で、思ったよりも大きかった。