スペイン巡礼1日目サンジャンピエドポー〜ロンセスバジェス
2023/09/23
バルセロナからサンジャンピエドポーに移動した日は公営のアルベルゲに宿泊。スーパーマーケットで食料を買い、翌日に備えた。
雲行きが怪しく、お天気がやや不安。
ていうか、初日が1番の難所のピレネー越えって、どうなってんの。
これは出発前にかなり気にしてたことだけれど、バックパックの重量は体重の10%が理想とのこと。無理でしょ。6kg以下にはならないよ!
むしろ、体重を増やすしかないのでは?という発想にまで至ったのだが、ダメだった。
何日も準備して、軽くできるように自分なりに工夫したつもりだけど、家を出る時に計ったら結局9kg弱だった。大丈夫かしら…
まあ普段からそれなりに歩いてるし、大丈夫だよね…大丈夫であれ…
アルベルゲで軽く朝食をとり、気合を入れて7時頃に出発。パラパラと雨が降っているので、ザックカバーをつけた。
他にも巡礼者はたくさんいるので、暗いけれどそんなに不安はない。道も、迷いやすいような場所は無さそう。
この行程はルートが2つあり、今回通ったナポレオンルートは冬期には通行禁止となる。
標高172mのサンジャンから、どんどん標高を上げていく。ガレ場などはないし、本当に歩きやすい道。もっと登山ぽいのかと思っていたが、意外と大丈夫かも。
羊、馬、牛など家畜がたくさん放牧されており、飽きない。楽しい…これがピレネー山脈か……
ガスって景色は見えないが、雨はレインウェアを着るほどではなく一安心。
遠いな…まだ着かないのか…
途中から、ひたすら緩やかな放牧地の丘が続く。
標高1430mのピークを過ぎると、ブナの林が出てきた。
霧が出ている時はよく、シューベルトの「魔王」のことを考える。確か中学生の頃だったか、音楽の授業で習った。かなり衝撃的な内容だったのでよく覚えている。
オーストリアの森もこんな感じなのかな。こんなところを馬に乗って走ったのかな。
日本で歩く森よりも、もっと"魔王に近い"森を今歩いているんだ…と思うと、ワクワクした。映画で観る景色、小説で想像した世界、絵画で出会った風景。それに近いものを目の当たりにしているのかと考えると、胸が高鳴る。
段々と青空が見えてきた。日向は随分と暖かい。
ピンクの花はおそらくツツジ科のErica vagansという種類と思われる。イギリスなどで有名ないわゆる「ヒース」。
途中から猛烈にトイレに行きたかったが、無事アルベルゲに到着。
初日を乗り切り、ホッとする。
洗濯をする元気が残っていなかったため、洗濯+乾燥で7€のランドリーサービスをお願いした。
夕食はスープと鱒、ワイン。
同じテーブルになった人たちと乾杯。この時は盛り上がっていてこれが何のスープかは全く気にしていなかったのだけれど、後からすごく気になり、確認しなかったことを後悔した。
これはイラクサのスープだったのだろうか。その後の巡礼路でセイヨウイラクサを見るたびにこのスープを思い出した。
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