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教師のリアル 〜本気の就職相談〜 2


1.教師のお金

「求人」といえば現在はネットが主流でしょうか。メール登録すれば、様々なサイトから自動的にオファーが来ます。大変便利だと思います。では、私の現在地を、そういった「求人サイト風」に表すとどうなるか書いてみましょう。

  • 公立小学校教員(担任/担任外)

  • 年収350〜600万円(年齢、経験年数に応じて)

  • 賞与あり(年2回/6月、12月)

  • 週休2日(土日は休み)、年次有給休暇 20日

  • 交通費支給あり 扶養手当、共済保険など福利厚生あり

  • 要 小学校教員免許

  • 子どもの成長を間近で感じられる仕事です

  • 【1日の流れ】……

こんな感じでしょうか。【1日の流れ】については、この後アップする『仕事編』で詳しく書いていきたいと思います。また、休日や免許のことについても同様に仕事編で補足していきます。こうしてみると、大変安定した仕事に見えるのではないでしょうか。

今回の本題です。上には書かれていない、お金のことについて書いていきます。

○残業代は「見なし」(実質無い)

現在、政府も見直しを進めているという「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法(略して「給特法」)」。簡単にいうと、原則休日や時間外の勤務を支給しない代わりに、月給の4%を給与に上乗せするという決まりです。仕事編でも詳しく解説していきますが、今までの私の経験からすると、時間外や休日に「仕事をしていません」という同僚は「皆無」でした。「仕事に費やす時間に対して報酬が」ということを気にする方は、現状では教員には向かない、と言わざるを得ません。

○出張旅費は出る時と出ない時がある

私はドラマなどの浅い知識しかないので恐縮ですが、仕事で遠方に出かけた時、「経費は領収書で」という場面があるとします。教員の場合、例えば修学旅行や宿泊学習などの費用(宿泊費や貸切バス代の一人分)は、学校を通して申請すれば自治体から支給されます。また、教育委員会の主催する会議に参加するときも、公共交通機関を使って移動する場合は交通費が支給されます。

しかし、インフラが整備されていない地方都市の場合や、学校事情でどうしても交通機関での参加が難しい(ギリギリまで職場に残らなくてはいけない)場合、公用車申請を済ませた自家用車で向かうこともしばしばあります。この場合のガソリン代や有料道路を使った場合の代金は、原則支給されません。

さらに、「研修」となると支給要件は複雑です。(しっかりとした基準はあるのかもしれませんが、現在私はわかっていません。)教員は、職務に支障のない範囲で、所属所長(学校長)が認めた場合、職場を離れて研修に参加できる「研修権」が認められています。それにしたがって、私も何度か研修に出してもらえました。過去、私が参加した研修と交通費の関係を振り返ってみると、以下のようになります。

  • 教育委員会主催 法定の初任者、経験者研修:公共交通機関の場合のみ支給

  • 某研究団体の全国大会(他の都道府県開催):支給なし

  • 学校研究に基づいた他県小学校の視察:学校予算から飛行機代が支給

  • 教育委員会主催 教科教育の指導法研修:支給なし

※それぞれの種類に関して、複数回参加しています。

一律の基準があるのかどうか、これだけを見ると判断がつきませんね。研究団体の全国大会は団体から多少の補助は出ましたが、全額ではありません。また、これは交通費に限った話であり、『参加費』に関しては一切支給はありません。私の先輩がおっしゃっていたように、「教師とは身銭を切って勉強するものだ」ということだと考えています。他業種の方が個人的にセミナーなどに参加してスキルアップするのと同じでしょうか。

○教材・教具を自腹で買っている人も

教員なので、当然勉強を教えます。学校で指定された教材は保護者に買ってもらいますが、指導の上でどうしても「これが使いたい」という瞬間があります。例えば、算数で10の組み合わせを作れる大きなそろばん。グループ活動で使う「かるた」や百人一首、話し合い活動で使いたい机サイズのホワイトボード。現在は一人一台端末が普及したので、オンラインやソフトに置き換える人も増えてきたと思いますが、あえてアナログを選ぶ場合もあるでしょう。学校予算で買ってもらえない場合、これも個人で買っている同僚が多かったです。

最後に、項立てはしていませんが、私は今までに「教育書」と言われるものについてお金を使ってきました。(ビジネス書の教師版だと思ってください。)平均して、年間5000〜10000円分の本は買っていると思います。もちろん、そうでない方もたくさんいるので、あくまでも参考です。本ではなく、現場の経験で得られるものもたくさんあります。

こうして見ると、お金の話はやはり仕事と一体不可分の関係にあると感じます。次回はその仕事について書いていこうと思います。

2023.8.6 あーる

0.はじめに 
1.教師のお金 ←今ここ
2.教師の仕事 担任編 
3.教師の仕事 担任外編
4.教師の仕事以外
5.おわりに

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