レースゲームの歴史~コナミ編~

 投稿したnote「レースゲームの挙動の歴史」のビューが多くて二番煎じの「レースゲームのグラフィックの歴史」もなかなかのビュー数をいただいています。それならばパート3を。
 コナミのレースゲーム編だよ。

 コナミ編と謳いながら他のメーカーは良く知らないのでこれだけになる予定。MSX中心になるかな。

ロードファイター

 1984年アーケードでロードファイターが登場。翌年ファミコンとMSXでみんなのご家庭へ。これのイラストが真っ赤なC3コルベットでかっこいい。C3コルベットって世界一男の子ごころをくすぐるデザインだと思う。速い遅いは別問題として。ティーアップ長谷川がこれに乗っていた。よしもとのおしゃれ番長。

 2Dの見下ろしビューで画面上へ上へとスクロールする。ガス欠になったら終了。未だに高速運転してて給油ランプ点くとロードファイターみたいに止まるんじゃないかとアセる。
 ファミコン版はアーケードのイメージまんまでなめらかに加速していく。自車も細長い。
 MSX版は定番の8ドットガタガタスクロール。でも高速になれば関係ない感じ。自車はちょっと幅が広いかな。

 このゲームはスピードと上からの俯瞰具合が絶妙だと思う。疑似3Dゲームの様に敵車が遠くからだんだん近付いてくれば避ける間があるのだが、2Dのゲームはいきなり画面上に登場した敵がすぐにぶつかってくる。
 この早さが常人の反射神経で無理なレベルになるとゲームが破綻する。ゲーム機の処理速度があがって超高速スクロールが可能になり自車もデカくて画面が狭くなった。敵どころかコーナーすらいきなり出てきて曲がれない。
 メガドラの2Dレースゲームはこれが多かった印象。画面が回転してくれないから下向きに走るとき右左逆の操作になるとか難しい。

ハイパーラリー

 1985年MSXオリジナル。ロードファイターが疑似3Dになったようなもの。レースゲームの挙動の歴史で書いた疑似3Dのカーブ、遠心力で横移動、減速して通過のセオリー通りの作品。ラリーと言うが舗装された道路を走る。
 本物のラリーのルールを実は理解していないのだが、燃料尽きる前に走りきらないとゲームオーバーというのがシンプルでいいね。   
 KONAMIクオリティに絶大なる信頼があって変な操作性で楽しめないという事はまずない。

WEC ル・マン24

 アーケードで1986年登場。世代的にちょっと古いから現役で稼働してた時期にゲーセン行ってないしデパートの屋上とかで残ってたのを見付けてプレイしたような記憶。ディズニーランドかもしれん。あったよね?ディズニーに古めのアーケードゲーム出来る場所。
 グループCカーの空力ボディはかっこよさの極み。走ったらどんな感じかな?
 まず加速が鬼の様に悪くて敵に置いてかれる。こんなに性能が違うクルマが一緒にレースするかね…コーナーに差し掛かるとこれまたえらく減速しないとまがりきれない。
 疑似3Dレースゲームの悪い挙動の典型。爽快感なし。格闘してるとタイムアウト。なんじゃこりゃ。うまい人がプレイしてるの見ても似たような感じだったからこういうゲームなんだなと。コナミのアーケードはMSXほどのクオリティ満たしてないこともあるのね。


F 1スピリット

 1987年MSX。コナミがMSX-Uという攻略情報やビッグコアのデータや譜面やら盛りだくさんの本を出版してカセットテープが付属されていた。グラディウス2とF1スピリットの音楽を収録。SCC音源は素晴らしく何度も聴いた。そして欲しくなる。コナミの商売上手。
 グラディウス2は早々に買ったものの7面のアバドン艦まえの中ボス&ブロック地帯で挫折、後に新10倍カートリッジを使って攻略。F1スピリットはだいぶ遅れて買った。

 これが想像以上に素晴らしい。今まで音楽ばっかり聴いていたのでエンジン音やスキール音その他効果音が大迫力に感じる。エンジン音の高さを聞いて4速マニュアルをシフトアップしていくのが快感。こういうのでギアに慣れてると教習所で理解が早いね。
 左右二画面でお友達と対戦が楽しい。エンディングを見る条件が全レースで1位だからかなら長く遊べた。パスワード保存可能。
JEFJJMDBIPLNMJGLEIK だったかな


F1スピリット3Dスペシャル

 1988年コナミMSX最大の黒歴史。MSX2+専用ソフト、ハードウエア横スクロールを使用した疑似3D画面、自然画対応、FM音源、フロッピーディスク収録、多彩なセッティング項目等々そのすべてがマイナスに働くというとんでもないことに…

 まず前作のスピード感、爽快感が皆無。カーブでは遠心力が効きすぎて横にすっ飛ぶ。減速した分カーブを抜けたら加速したいが登り坂の表現があって加速しない。シフトダウンしたらレッドゾーンに入ってもっと遅くなる。
 ウイングを立てると多少遠心力に耐えるようになるけど遅くなる。デメリットの出方が極端。メガドラのターボアウトランといい勝負のイライラ挙動と言えば理解しやすいかな。

 フロッピーなのもいただけない。セッティング/メニュー時とレース時でディスク入れ替えが必要になる。とても面倒だしある日入れ間違いしてデータを消した上にグランプリモードが出来なくなった。嫌気がピークになってたからもうそのままにした。
 デモ画面でパッケージと同じ静止画が表示されるけどかなり容量食ってそう。これいらないからディスク1枚かROMにならなかったのかな。

 前作で出来た対戦はちょっと勝手が違う。テレビ、MSX2+、ソフトを2式に専用接続ケーブルが要ると。やった人居るの?

 MSX2+のFM音源はお世辞にもいい音とは言い難いものだった。プリセットされた音色は種類こそたくさんあるがあんまり使えるのがなくて@24と呼んでいたシンセサイザーと言う音色ばかり使われていた。あまりにもFM音源くさいとチープな曲が出来てしまうので、こだわりのある制作者はPSGで培って来た音楽にうっすらFM音源らしくない音色を重ねるような作曲をしていた。

 さてこのゲームのBGMというとFM音源くささ全開。デフォルトで用意された音色で何の捻りもなく奏でられた。特にMSXのFM音源はスネアドラムがポコポコいってチープ。あれを使わないだけでだいぶ良くなるのにな。今聴くと味があっていいけれどもSCCが良すぎたのであれれ?といった感じ。

 コナミのF1スピリット3Dスペシャルと言うもののパナソニックがどこかの誰かに作らせたのかなと思うぐらいイケてない作品だった。パッケージにPanasoftと書いてあるしぜんぜんコナミクオリティじゃなかった。


F1スピリット ゲームボーイ版

 1991年登場。2Dスクロールながら自車が下に向かって走らないので左右の操作に迷うことはない。小さい画面でちまちま走るから敵との当たり判定が無いのがありがたい。BGMは名曲揃いでステレオ対応。ヘッドホンで聴くと最高だった。
 MSXユーザーはなめらかにスクロールするだけで高評価してしまうからね。


F1センセーション

 1993年ファミコンのみ。F1とフジテレビのライセンスを受けて実名ドライバーが出てくる。これは通ってたレンタルCD店でいつもショーケースに入っていたのを見てファミコン版F1スピリット3Dスペシャルみたいなもんかと気になってついに購入。

 ファミコン末期で色んな技術が投入されてる感じ。ROMカセットだからポンポンゲームが進んでいく。テレビっぽい演出が凝っている。画面は3Dスペシャルと似ていても操作性が良好。BGMもノリがいい。
 なんだかF1スピリット3Dスペシャルの悪かった所をひたすら排除されたような良作。これがMSX2+で出ていたら…

 でも時は1993年。スーパーファミコンでハードウェア拡大縮小回転使いまくりのグラフィックの疾走感が当たり前になっている。画面に灰色の三角を書いて両脇に赤白を配置してカラーパレットで動かす。カーブに入ったら走査線割り込みで三角形を歪ますという手法を10年以上やってる。
 もうファミコンも卒業だねといった歴史の転換点を象徴するレースゲームだ。

 私が書ける範囲はここまで。その後コナミのレースゲームは買っていなくてメガドライブでアウトラン、スーパーモナコグランプリ、ハードドライビン、バーチャレーシングを楽しんでた。

 生涯通じて全レースゲームの中でF1スピリットの左右画面対戦をウチに遊びに来た友達と盛り上がったのに勝る楽しさは無い。



 
 

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